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ゲーミングには欠かせない重要パーツ、MSI製カードに見る“ビデオカード”高性能化の歴史

DOS/V POWER REPORT 2024年冬号の記事を丸ごと掲載!

 CPUと同様にとくに冷却が重要なGPU。GPUの高性能化の歴史は、ビデオカード製品の高性能化の歴史でもある。本誌でもたびたび登場するMSIだが、おなじみとなった「〇〇 FROZR」クーラーが初めて登場したのは2009年。この頃からすでに現在の大型ビデオカードの片鱗を感じさせる。複数本のヒートパイプでGPUの熱を吸い上げて、大きなヒートシンクとファンで放熱する基本的な構造は、初代TWIN FROZRでも同様。外観は今に比べるとずいぶんシンプルだ。

 GPUブースト機能が搭載されたGeForce600シリーズからはビデオカードの冷却の重要性が今まで以上に高まり、クーラーは徐々に大型化。ガッツリ冷やして電力を供給すればクロックがぐっと伸びるため、電源回路を通常よりもさらに増強した製品も現われた。

 トリプルファンのクーラーが増えたのはRTX 20シリーズの頃。ワットパフォーマンスも優秀な当時のGeForceだが“冷やせば回る”のでクーラーは引き続き強力に進化。RTX40では3代目のTRI FROZRへと歩みを進めている。なお、デュアルファンのTWIN FROZRは現在9世代目に突入している。

現役最高峰GPUを冷やすTRI FROZR 3Sが登場

 RTX 40系はとにかくデカいビデオカードが多い。MSIではRTX4090 SUPRIM Xが最大級で、3代目TRI FROZRの“S付き”タイプを搭載する

昔はこんなに小さくてスッキリ

 AKIBA PC Hotline!の検索でヒットした最古のMSI製カード。1スロット厚で小さなファンを搭載する

初代TWIN FROZRは2009年に登場

 今につながる初代は「N285 GTX SuperPipe OC」。5本のヒートパイプとデュアルファンという基本構造は当時から。シンプルでカッコいい!?

GPUブースト実装で冷却がより重要に

 Kepler世代(GeForce 600)は、現在のGPUでも用いられているGPUブーストを初搭載。TWIN FROZRは強化が進んだ3代目に

大型化が進んで高さが増した5代目

 4代目のデザインを発展させたかのようなTWIN FROZR Vは「これがMSIのビデオカードだ!」とその印象を強く記憶に刻み込むものだった

強OC「Lightning」もTWIN FROZR

 GTX 680 LightningはTWIN FROZR Ⅳを採用。背面に増強電源回路「GPU Reactor」を搭載。胸にリアクターを持つ鉄の男の劇場映画第3弾の前年、2012年に登場

3連ファン仕様のTRI FROZR

 GPUの高性能化はさらに進み、写真の「GTX 1080 Ti Lightning X」やRTX 20系上位モデルがトリプルファン仕様のTRI FROZRを採用

[TEXT:編集部 内田泰仁]

DOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載

 今回は、2023年末に休刊したDOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載しています。

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