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ゲーミングには欠かせない重要パーツ、MSI製カードに見る“ビデオカード”高性能化の歴史
DOS/V POWER REPORT 2024年冬号の記事を丸ごと掲載!
2024年9月4日 07:05
CPUと同様にとくに冷却が重要なGPU。GPUの高性能化の歴史は、ビデオカード製品の高性能化の歴史でもある。本誌でもたびたび登場するMSIだが、おなじみとなった「〇〇 FROZR」クーラーが初めて登場したのは2009年。この頃からすでに現在の大型ビデオカードの片鱗を感じさせる。複数本のヒートパイプでGPUの熱を吸い上げて、大きなヒートシンクとファンで放熱する基本的な構造は、初代TWIN FROZRでも同様。外観は今に比べるとずいぶんシンプルだ。
GPUブースト機能が搭載されたGeForce600シリーズからはビデオカードの冷却の重要性が今まで以上に高まり、クーラーは徐々に大型化。ガッツリ冷やして電力を供給すればクロックがぐっと伸びるため、電源回路を通常よりもさらに増強した製品も現われた。
トリプルファンのクーラーが増えたのはRTX 20シリーズの頃。ワットパフォーマンスも優秀な当時のGeForceだが“冷やせば回る”のでクーラーは引き続き強力に進化。RTX40では3代目のTRI FROZRへと歩みを進めている。なお、デュアルファンのTWIN FROZRは現在9世代目に突入している。
現役最高峰GPUを冷やすTRI FROZR 3Sが登場
RTX 40系はとにかくデカいビデオカードが多い。MSIではRTX4090 SUPRIM Xが最大級で、3代目TRI FROZRの“S付き”タイプを搭載する
強OC「Lightning」もTWIN FROZR
GTX 680 LightningはTWIN FROZR Ⅳを採用。背面に増強電源回路「GPU Reactor」を搭載。胸にリアクターを持つ鉄の男の劇場映画第3弾の前年、2012年に登場
3連ファン仕様のTRI FROZR
GPUの高性能化はさらに進み、写真の「GTX 1080 Ti Lightning X」やRTX 20系上位モデルがトリプルファン仕様のTRI FROZRを採用
[TEXT:編集部 内田泰仁]
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