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Intelは第14世代が登場、ThreadripperはついにZen 4ベースに【PCパーツ100選 2024 CPU編】
DOS/V POWER REPORT 2024年冬号の記事を丸ごと掲載!
2024年4月15日 09:05
第14世代の最上位は通常版でも最大6GHz
IntelのCoreプロセッサ(第14世代)は第13世代となるRaptor Lakeのリフレッシュ版という位置付けだ。
プロセスルールはIntel7、PコアにRaptor Cove、EコアはGracemont、内蔵GPUはXe-LPといった設計的な要素は第13世代からすべて継承されている。
第14世代のPコア数は基本的に据え置きだが、Core i7-14700KのみEコアが4基増量され12基構成となった。またクロックは全モデルで微増だが、最上位のCore i9-14900Kでは最大ブーストクロックが6GHzと“スペシャル版”のCore i9-13900KSに並んだ。
ただ、一部マザーで判定できる“シリコンの質”はCore i9-13900KSのほうがよい値を示す傾向にあるため、“Core i9-13900KSになれなかった”個体がCore i9-14900Kになった可能性はある。CPUの電力まわりの仕様(MTPなど)は変わっていないが、全力運転時の消費電力は前世代よりも増大する傾
向だ。
第14世代専用の「APO」でゲーム性能を強化
第14世代のうち、Core i7-14700KとCore i9-14900K(どちらもKF含む)専用機能「Intel Application Performance Optimization」(以下APO)は、PコアとEコアの使い分けがうまくできずパフォーマンスが出ない、設計の古いゲームに対するソフトウェア的なアプローチだ。
APOは第14世代の対応CPUでのみUEFIで有効化できる「Intel Dynamic Tuning Technology」(以下DTT)と、Windows上で動作するDTTドライバ、そしてDTTドライバでホワイトリストに入ったゲームという三つの条件が揃うことで発動する。APOが発動するとゲームの処理がPコアのみに偏るだけでなく、Hyper-Threadingで増えた論理コアも避けるように処理がスケジューリングされ、結果的にゲームのフレームレートが大幅に伸びるというものだ。
APOはフロントエンドアプリを使うことで手軽にON・OFF可能だが、APO対応ゲームか否かはこのフロントエンドアプリ上でのみ表示されるというかなり不便な仕様となっている。APOは主にPコアとEコアの運用に関する知見がない時代のゲームへの救済的な位置付けであるため、新しめのゲームでは効果があまり期待できないのが残念だ。
CPU | Intel Core i9-14900K(24コア36スレッド) |
マザーボード | ASUSTeK ROG MAXIMUS Z790 HERO(Intel Z790) |
メモリ | Micron Crucial DDR5 Pro CP2K16G56C46U5(PC5-44800 DDR5 SDRAM 16GB×2) |
ビデオカード | NVIDIA GeForce RTX 4080 Founders Edition |
システムSSD | Micron Crucial T700 CT2000T700SSD3[M.2(PCI Express 5.0 x4)、2TB] |
CPUクーラー | ASUSTeKROG RYUJIN II 360(36cmクラス、簡易水冷) |
電源 | Super Flower LEADEX PLATINUM SE 1000W(1,000W、80PLUS Platinum) |
OS | Windows 11 Pro(23H2) |
「Power Delivery Profile」で消費電力増に対抗できるか?
Coreプロセッサ(第14世代)ではアーキテクチャと同時に発熱や消費電力の問題も前世代から継承している。とくにCore i9-14900KはM T Pやクロックなどの設定は13900KSと同じだが、シリコンの質の問題からか消費電力はさらに増大傾向にある。
このCore i9-14900Kとうまく付き合うための技の一つが「Power Delivery Profile」だ。ICCMax(コアに流れる電流の最大値)に着目し、CPUの性能と消費電力・発熱のバランスを取るというもの。
ICCMaxが307Aなら“Performance Power Delivery Profile(以降PPPと略)”、400Aなら“Extreme〜”となり、PL1とPL2はどちらも253Wに抑える。MTP無制限下でCore i9-14900Kを運用するとCPUパッケージ温度は100℃(36cmクラスの簡易水冷環境)、CPU消費電力は瞬間的に480Wを超えるが、PPPを適用(UEFIまたはXTUで設定)すればそれぞれ最大80℃ /310W程度に収まる。
数%の性能ダウンとのトレードオフとなるが、負荷をかけ過ぎずにCore i9-14900Kを使い続けたいと考えているなら、Power Delivery Profileの適用を検討するとよいだろう。
96コアに到達! 「Ryzen Threadripper 7000シリーズ」
HEDT(ハイエンドデスクトップ)向けCPUのメニーコア化を爆発的に加速させた「Ryzen Threadripper(以降Ryzenは省略)」の最新モデルが2023年11月に登場している。
今世代ではついにCPUコアがZen 4になったほかDDR5メモリやGen 5対応など、メインストリームであるRyzen 7000シリーズに並ぶ足回りを獲得。メモリは4チャンネル、Gen 5は最大48レーン(プロ向けのThreadripper PROは8チャンネル/ 128レーン)と帯域が格段に広いのが最大の強みだ。物理コア数はThreadripper PROは96コア版が用意されているが、無印Threadripperは前世代と同じ64コアが最大だ。
チップセットは「WRX90」もしくは「TRX50」が用意されているが、無印ThreadripperではTRX50のみがサポートされる。またThreadripper PROも無印もDDR5はRegistered(R-DIMM)が必須であるため、導入コストはこれまでよりも格段に高い。
Windows環境で最上位のThreadripper 7980Xを運用する際はプロセッサグループによる64スレッド制限が立ちはだかる。CG系ならば問題はないが、それ以外の処理ではCPUを使い切れないことのほうが多い。CPUやメモリリソースをケチらず使って同時処理させたい、ストレージやメモリ搭載量を極大化したい、あるいはGPUを複数枚同時に使って計算させたい、という人向けのプラットフォームだ。
<Socket sTR5>マザーボード | ASUSTeK Pro WS TRX50-SAGE WiFi(AMD TRX50) |
メモリ | G.Skill Zeta R5 Neo F5-6400R3239G32GQ4-ZR5NK(PC5-51200 DDR5 SDRAM Registered 32GB×4) |
<Socket AM5>マザーボード | ASUSTeK ROG STRIX X670E-F Gaming WiFi(AMD X670E) |
メモリ | Micron Crucial DDR5 Pro CP2K16G56C46U5(PC5-44800 DDR5 SDRAM 16GB×2) |
<LGA1700>マザーボード | ASUSTeK ROG MAXIMUS Z790 HERO(Intel Z790) |
メモリ | Micron Crucial DDR5 Pro CP2K16G56C46U5(PC5-44800 DDR5 SDRAM 16GB×2) |
<共通>ビデオカード | NVIDIA GeForce RTX 4080 Founders Edition |
システムSSD | Micron Crucial T700 CT2000T700SSD3[M.2(PCI Express 5.0 x4)、2TB] |
電源 | Super Flower LEADEX PLATINUM SE 1000W(1,000W、80PLUS Platinum) |
OS | Windows 11 Pro(23H2) |
[TEXT:加藤勝明]
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DOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載
今回は、2023年末に休刊したDOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載しています。
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