特集、その他
人気製品をガチ比較!ベスト電源ユニットはこれだ!【PCパーツ100選 2024 電源ユニット編】
DOS/V POWER REPORT 2024年冬号の記事を丸ごと掲載!
2024年6月6日 07:05
玄人志向 KRPW-PK1000W/92+
玄人志向の本気を久々に見た。基準電圧は12.0V付近、交流成分がない直流。玄人志向はこれまでも安定・低ノイズの電源をリリースしてきたが、本製品はそれ以上だ。
1次側の電解コンデンサは大容量で頻繁かつ大きな電圧変動にも対応する日本ケミコン製のKMWシリーズ。メイントランスは超小型で上部からヒートシンクが出ているめずらしいタイプを利用している。2次側平滑回路はアルミ固体コンデンサとチョークで安定化。見た目は小規模だが、使用されている固体コンデンサは1本で1,500μFの大容量なのでキレイな直流が出力できているようだ。プラグインコネクタ裏から背面に向かっての部品配置はエアフローを阻害するものが少なくストレートに流れる設計。放熱率の高い設計にも注目だ。
Super Flower Computer LEADEX Ⅵ PLATINUM PRO 850W
ここ数世代、Super Flowerの電源は安定した電圧や低ノイズの結果を残しており、そこは本製品も受け継いでいる。+12Vはやや基準電圧が高めだが、 負荷がかかっても変動幅が0.1V以内ときわめて安定しており、ノイズについても短周期、長周期とも多少のスパイクは見られても、交流由来のうねりがほとんど見られない。
すべて日本メーカー製コンデンサを採用するとともに、発熱の大きな部品は中央に配置、ファンの風がスムーズに各部の熱を冷やすようヒートシンクの位置や部品の向きまで気を配った設計だ。ATX24ピン以外のプラグインケーブル端子をどこに挿しても利用できるスーパーコネクタもかゆいところに手が届く。たとえば側面パネルに近い側を空けておけば後からケーブルを追加するのもラクなので参考にしていただきたい。
ASUSTeK Computer ROG-STRIX-1000G
ファンには低回転域でも冷却性能と低騒音を両立させたAxial-tech技術を採用。従来の電源設計に比べて2倍の体積を持つROGヒートシンクを搭載する。こうしたこだわりの冷却設計が機器の寿命を延ばし、ファンが回転しない無音状態を長時間維持できることにつながっている。ケーブル類はフルモジュラー仕様となっている。
Sea Sonic Electronics VERTEX-GX-1000
VERTEXシリーズのATX 3.0電源は、同社ラインナップの中では中堅に属する製品。ファンには温度と負荷を検知して自動的に回転数を制御する準ファンレス機能「Premium Hybrid Fan Control」を盛り込み静音性に優れる。負荷時の電圧変動を抑えるTight Voltage Regulation設計を採用しており、PCI Expressの+12Vを見ても安定感がある。
Corsair Gaming RM850e ATX 3.0
Corsair RM850eは、価格を抑えたATX3.0対応の電源ユニット。1次側のコンデンサには台湾Elite製、2次側は台湾TEAPO製を採用している。ケーブルはすべて取り外し可能なフルプラグイン方式を採用。低負荷時のファンレス運用に対応したZero RPM Fan Modeも搭載しており、ただ安いだけではないモデルだ。
Micro-Star International MAG A850GL PCIE5 WHITE
この電源の特徴はまずユーザーフレンドリーであること。焼損事故も起きている12VHPWRだが、本製品は端子を黄色にすることで正しく接続できているのか状態を分かりやすくしている。もう一つはコスパ。台湾メーカーの中では定評あるCapXon製105℃コンデンサを採用し、手の届きやすい価格を実現している。
ADATA Technology XPG FUSION 1600 TITANIUM
業界大手のDeltaと共同開発した大出力&高効率のフラグシップモデル。プレーナー型の平面トランスやGaN FETなどの最新技術を採用し高い安定性を確保している。同社の「XPG PRIME」を使用することでリアルタイムでデータ監視や温度モードの変更を行なうことができる。
Cooler Master Technology V850 Gold i Multi
同社の定番電源「Vシリーズ」を受け継ぐモデル。フルプラグイン方式で奥行き16cmといったスペックは変わらない。専用ケーブルでマザーボードと接続すれば独自ソフトの「MasterPlus+」からファンの速度や負荷状況のリアルタイム監視も可能で、ハイエンドユーザーのニーズにもマッチする高機能モデルだ。
DeepCool Industries PX1000G
大出力の12VHPWR対応電源としては低価格。一方で80PLUS Gold認証に加えてCybernetic Platinumの認証も取得しており高効率も両立している。動作音ではFDB軸ファンを採用するとともに、準ファンレス機能のON/OFFスイッチを背面に搭載。DeepCoolらしいシンプルなデザインも新鮮だ。
Enermax Technology REVOLUTION D.F.2 ERS1050EWT
システム起動時にファンが逆回転することで、ホコリを除去するユニークな機構を採用。ファンのトラブルを予防して長く使えることを目指した製品だ。静音性に優れた12cm角ファンに準ファンレス機能も搭載。ファンへのこだわりが強いが価格も手頃で、1,000Wクラスが2万円は魅力的だ。
FSP Group Hydro GT PRO ATX3.0(PCIe5.0) 1000W
1次側に採用するのは日本メーカー製105℃品コンデンサ。12VHPWRに対応する1,000W電源なのに手の出しやすい価格帯を実現するヒミツはセミプラグインの採用だ。フルプラグインにこだわりがなければ候補に入れたいところ。背面にあるECOスイッチで準ファンレス機能をON/OFFでき機能の面でも満足させてくれる製品だ。
SilverStone Technology DA850R Gold SST-DA850R-GM
奥行き14cmのコンパクトな電源。すべてのコンデンサを日本メーカー製とし、40℃環境下で7日間連続出力可能な高い安定性をウリとする。準ファンレス機能は非搭載だが、12cm角でFDB軸を採用するファンは18dBの静音仕様。フラットケーブルを採用しているためケーブルマネジメントがしやすく汎用性の高い電源だ。
ニプロン HPCSA-1500P-E2S
365日連続稼働を前提とした高信頼電源。変換効率のグラフは比較的フラットで、負荷率50%をピークに、それ以外の負荷率では効率が落ちることの多い一般的な電源とは異なり、より高い負荷率で運用しても高効率、低発熱。深層学習やAIなど複数枚のビデオカードを運用するシステムに最適だ。
CPU | AMD Ryzen 9 5900X(12コア24スレッド) |
マザーボード | MSI MPG X570 GAMING PRO CARBON WIFI(AMD X570) |
メモリ | Kingston HyperX Savage DDR4 HX430C15SBK2/16(PC4-24000 DDR4 SDRAM 8GB×2) |
ビデオカード | NVIDIA GeForce RTX 3090 Founders Edition(1,000W電源のみ)、ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080(NVIDIA GeForce RTX 2080、850W電源のみ) |
SSD | Solid State Storage Technology Plextor M8Se(G)シリーズ PX-512M8SeG[M.2(PCI Express 3.0 x4)、240GB] |
OS | Windows 11 Pro |
室温 | 20℃ |
暗騒音 | 34.6dB |
アイドル時 | ベンチマーク終了10分後の値 |
高負荷時 | 3DMarkを実行中の最大値 |
動作音測定距離 | ファンから約15cm |
電力計 | Electronic Educational Devices Watts Up? PRO |
電圧計測方法 | 三和電気計器 PC-20を3台使用し、各コネクタの電圧を計測 |
リプル計測方法 | Pico Technology PicoScope2204を使用しアイドル時に計測 |
[TEXT:石川ひさよし、藤山哲人、長畑利博、Windlass]
PCパーツ100選 2024
- Intelは第14世代が登場、ThreadripperはついにZen 4ベースに【CPU編】
- HEDTからエントリーCPUまで28製品を一斉比較!基本性能からゲーム/エンコード/電力効率もチェック【CPU編】
- CPU 28製品をガチ比較、ベストCPUはこれだ!【CPU編】
- 新世代チップセットの投入は見送られたが機能をアップデートした新製品が登場【マザーボード編】
- 人気製品をガチ比較!価格帯別ベストマザーボードはこれだ!8万円~編【マザーボード編】
- 人気製品をガチ比較!価格帯別ベストマザーボードはこれだ!3~8万円編【マザーボード編】
- 人気製品をガチ比較!価格帯別ベストマザーボードはこれだ!~3万円編【マザーボード編】
- GeForce/Radeonともにミドルレンジ以上のラインナップが完成、ベストGPUはこれだ!【ビデオカード編】
- 人気製品をガチ比較!ベストビデオカードはこれだ!その①【ビデオカード編】
- 人気製品をガチ比較!ベストビデオカードはこれだ!その②【ビデオカード編】
- 大容量モデルがより買いやすくDDR5の価格下落で世代交代が鮮明に。ベストメモリはこれだ!【メモリ編】
- SSDは高性能DRAMレスが人気!24TBに到達したHDDにも注目【PCパーツ100選 2024 ストレージ編】
- 人気製品をガチ比較!ベストSSDはこれだ!その①【PCパーツ100選 2024 ストレージ編】
- 人気製品をガチ比較!ベストSSDはこれだ!その②【PCパーツ100選 2024 ストレージ編】
- 人気製品をガチ比較!ベストSSDはこれだ!その③【PCパーツ100選 2024 ストレージ編】
- 人気製品をガチ比較!ベストHDDはこれだ!【PCパーツ100選 2024 ストレージ編】
- 強化ガラスの使い方がさらに進化、小型モデルにもキラリと光る1台が【PCパーツ100選 2024 PCケース編】
- 人気製品をガチ比較!ベストPCケース編はこれだ!その①【PCパーツ100選 2024 PCケース編】
- 人気製品をガチ比較!ベストPCケース編はこれだ!その②【PCパーツ100選 2024 PCケース編】
- ATX3.0対応モデルが目白押し!12VHPWRは12V-2x6に置き換わる!?【PCパーツ100選 2024 電源ユニット編】
- 人気製品をガチ比較!ベスト電源ユニットはこれだ!【PCパーツ100選 2024 電源ユニット編】
- 冷却力競争は激化の一途!付加価値もさまざま、王座はどの製品に?【PCパーツ100選 2024 CPUクーラー編】
- 人気製品をガチ比較!ベスト簡易水冷CPUクーラーはこれだ!その①【PCパーツ100選 2024 CPUクーラー編】
- 人気製品をガチ比較!ベスト空冷CPUクーラーはこれだ!その②【PCパーツ100選 2024 CPUクーラー編】
- 人気製品をガチ比較!ベストCPUクーラーはこれだ!その③【PCパーツ100選 2024 CPUクーラー編】
- そのほかの注目パーツたち マウス・キーボード編【PCパーツ100選 2024】
- そのほかの注目パーツたち 液晶ディスプレイ・あると便利な一芸アイテム【PCパーツ100選 2024】
DOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載
今回は、2023年末に休刊したDOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載しています。
なお、AKIBA PC Hotline!では、DOS/V POWER REPORTで活躍していた人気ライター陣のレビューや連載記事を毎月掲載中。是非、製品購入時の参考にしてみてください。