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HEDTからエントリーCPUまで28製品を一斉比較!基本性能からゲーム/エンコード/電力効率もチェック【PCパーツ100選 2024 CPU編・CPU定点観測所 特別編】

DOS/V POWER REPORT 2024年冬号の記事を丸ごと掲載!

ベンチマーク①HEDTからエントリーまで28CPUを一斉比較!まずはCPUパワーと基本性能をチェック

 本誌連載「CPU定点観測所」の特別編として、全28種類の新旧CPUの横並び性能比較を実施する。これにあたりWindows 11 Pro(23H2)環境でデータを一新した。

 「Cinebench 2024」ではコア数最多となるThreadripper 7980Xのマルチスレッド性能の高さと、Core i9-13900KSや14900Kなどのシングルスレッド性能の高さが際立つ。

 総合性能を見る「CrossMark」では総合スコアよりもマルチスレッド処理などの速度や応答性を見るResponsivenessテストがAMD勢は全体的にやや低めに出ている点に注目したい。

ベンチマーク②フレームレートを絞り出せるのはどれだ ゲーム性能をチェックする

 ゲームの検証は「Call of Duty HQ(CoD)」と「Mount & Blade Ⅱ:Bannerlord(MB2)」で検証。画質は最低とすることでGPUにボトルネックが発生しにくいよう配慮した。

 CoDでは予想どおり3D V-Cacheを搭載したRyzen 7 7800X3Dのフレームレートが突出して高い一方で、処理の並列度が高いMB2ではIntel勢に追い付かれた。とくにMB2ではコア数の多いRyzen 9 7950X3DがRyzen 7 7800X3Dに負けるなど、CCD(2つのダイ)をまたぐ処理が発生する上位Ryzen特有の構造的な弱点が露呈するシーンも見られた。

ベンチマーク③写真編集とエンコードを実行 クリエイティブ系での強さを測る

 ここでは「UL Procyon Photo Editing Benchmark」を利用した写真編集の性能比較と、「HandBrake」を利用したCPUによる動画のエンコード時間を比較する。

 まずUL Procyonだが、Photoshopを多用するImage RetouchingではRyzen 7000シリーズが圧倒的に高いスコアを出しており、Lightroom ClassicメインのBatch ProcessingだとEコアのあるRaptor Lake以降(13400以下は実質Alder Lake)が有利だ。HandBrakeはコア数を活かし切れないThreadripperの伸び悩みに注目したい。

ベンチマーク④高負荷時のCPU消費電力を見る ワット効率に優れているのはどれだ

 消費電力はHWBustersの電力計「Powenetics v2」を用い、CPUの消費電力のみを比較する。前ページのHandBrakeエンコード処理時の電力と、100Wあたりのワットパフォーマンス(エンコード速度)を求めたのが下のグラフだ。

 全体的に消費電力が高いIntel勢の中でも、Core i9-14900Kは突出しており、コア数最多のThreadripperを上回るのに驚かされる。ワットパフォーマンスはRyzenの圧勝だが、とくにRyzen 9 7900や7950X3DなどのTDPを抑えた製品の効率の高さが輝いている。

【検証環境】
<LGA1700>マザーボードASUSTeK ROG MAXIMUS Z790 HERO(Intel Z790)
<Socket sTR5>マザーボードASUSTeK Pro WSTRX50-SAGE WiFi(AMD TRX50)
<Socket AM5>マザーボードASUSTeK ROG STRIX X670E-F Gaming WiFi(AMD X670E)
<Socket AM4>マザーボードASRock X570 Taichi Razer Edition(AMD X570)
<LGA1151>マザーボードASUSTeK Z170-A(Intel Z170)
<共通>メモリG.Skill Zeta R5 Neo F5-6400R3239G32GQ4-ZR5NK(PC5-51200 DDR5 SDRAM Registered 32GB×4)、Micron Crucial DDR5 ProCP2K16G56C46U5(PC5-44800 DDR5 SDRAM 16GB×2※各CPUの定格で動作)、G.Skill Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX(PC4-25600 DDR4 SDRAM 16GB×2 ※各CPUの定格で動作)
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 4080 Founders Edition
システムSSDMicron Crucial T700 CT2000T700SSD3[M.2(PCI Express 5.0 x4)、2TB]
電源Super Flower LEADEX PLATINUM SE 1000W(1,000W、80PLUS Platinum)
OSWindows 11 Pro(23H2)
Call of Duty HQ内蔵ベンチマーク再生中のフレームレートを「CapFrameX」で計測
Mount & BladeⅡ:Bannerlord内蔵ベンチマーク再生中のフレームレートを「CapFrameX」で計測
順位Cinebench 2024はCPU(Multi Core)のスコア、CrossMarkはOverallのスコア
Call of Duty HQとMount & Blade ⅡBannerlordは平均fps※Intel系マザーボードのパワーリミットはすべて無制限
HandBrake4K@60fps動画(約3分)をプリセットの“Super HQ 2160p60 4K HEVC Surround”と“Super HQ 1080p30 Surround”で書き出すのに要した時間
順位UL Procyon Photo Editing BenchmarkはPhoto Editingのスコア、HandBrakeはSuper HQ 2160p60 4K HEVCSurroundのエンコード時間
CPUアイドル時OS起動10分の平均値
CPU高負荷時HandBrake実行時の平均値と最大値
電力計HWBusters Powenetics v2
順位CPUの消費電力はCPU高負荷時(平均)のW数

[TEXT:加藤勝明]

PCパーツ100選 2024

DOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載

 今回は、2023年末に休刊したDOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載しています。

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