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大容量モデルがより買いやすくDDR5の価格下落で世代交代が鮮明に。ベストメモリはこれだ!【PCパーツ100選 2024 メモリ編】

DOS/V POWER REPORT 2024年冬号の記事を丸ごと掲載!

大容量モデルの低価格化が目立つ1年

 2023年はDDR5メモリへの移行が急激に進んだ1年と言ってよいだろう。AMDのRyzen7000シリーズは対応メモリがDDR5のみ、Intelの最新Core(14世代)はDDR5とDDR4両対応だが、マザーボードはエントリークラスでもDDR5を採用する例が増えている。それを後押ししているのが、DDR5の大幅な低価格化だ。

2023年のトピックとしては1枚24GBや48GBという「ノンバイナリ仕様」のDDR5メモリの登場がある。容量の選択肢が多くなったのはうれしいところ。写真はDDR5-6000の24GB×2枚セットをラインナップするMicronのCrucial DDR5 Pro

 DDR4-3200とDDR5-5600の16GB×2枚で見ると、製品にもよるがDDR5が3,000円程度高いだけに。2022年末の時点では1万円以上の差があったので、ずいぶん縮まったことになる。価格差が小さければ、将来性のあるDDR5を選ぶ人が増えるのは当然だろう。とくに32GB×2枚の平均価格は2022年末より半値以下となり、買いやすくなった。IntelのノートPC向けCPUのMeteor LakeはDDR5のみサポートなので、次期デスクトップ向けCPUも同様である可能性は高い。DDR5が必須になる時代はすぐそこまで来ている。

選択肢が増えた高クロックメモリの効果は?
DDR5メモリの高OCモデルは性能にどう影響するのか?ここではIntelのCore i9-13900K+Z790チップセット環境で、DDR5-6000/5600/4800でベンチマークを実行した。DDR5-6000/5600は勝ったり負けたりで誤差の範疇と言ってもよい。しかし、DDR5-4800は若干低いスコアとなっており、CPUの性能を絞り出したいならDDR5-5600以上を選んだほうがよいだろう。

DDR5

DDR5-8200の超高速仕様G.Skill Trident Z5 RGB DDR5 F5-8200J4052F24GX2-TZ5RK

 G.Skillのフラグシップ「Trident Z5 RGB」から、最速クラスとなるDDR5-8200が登場。超高OCモデルなので、マザーボード側が対応しているか事前に確認が必須だ。1枚24GBなのも特徴。

高OCかつ低レイテンシを実現Corsair Vengeance RGB CMH32GX5M2X7200C34

 高さ56mmのヒートシンク上部に10ゾーンのアドレサブルRGBを搭載。DDR5-7200の高OC仕様でCL=34の低レイテンシを実現しているのが特徴だ。電圧は1.45V。LEDを備えず、高さが35mmと低いモデルもある。

高OCでも使いやすい形状ESSENCORE KLEVV BOLT V KD5AGUA80-68A340H

 高さが34mmの小型ヒートシンクを採用し、ほかのパーツと干渉しにくいことを重視したのが「BOLT V」シリーズだ。それでDDR5-6800の高OCを実現しており、XMP、EXPOの両対応と環境も選ばない。

クリエイター向けの大容量モデルTEAM T-CREATE CTCWD564G6400HC34BDC01

 10層PCB基板、高温耐性コンデンサなど安定性を重視した設計のクリエイター向けモデル。落ち着いた雰囲気のアルマイト処理されたアルミニウム合金ヒートシンクも特徴だ。

定格DDR5-6000の安心感Micron Crucial DDR5 Pro CP2K24G60C48U5

 安定&高性能を重視したProシリーズの一つ。定格でDDR5-6000に対応する希少なモデルだ。複数枚搭載したときにクロックが下がるのを防ぐためにXMPとEXPOプロファイルも備えている。

高OCでも使いやすい設計v-color Manta XPrism RGB TMXPL3260834SWK

 上部にきらびやかなRGB LEDを備えるOCメモリ。LEDは主要マザーメーカーのRGB制御に対応する。CL=34の低レイテンシかつ合計64GBの大容量が特徴だ。シルバー色のヒートシンクもポイントと言える。

DDR5-5600で定格動作の安心感ADATA AD5U560016G-DT

 マザーボードに取り付けるだけでDDR5-5600で動作する定格仕様。OCプロファイルの読み込み不要なのは便利だ。定格なので電圧も1.1Vと低消費電力。8GB×2枚の低価格モデルも用意されている。

お手頃価格のDDR5-5600定格モデルCFD W5U5600CS-16G

 定格のDDR5-5600製品。最安値クラスだが、メーカー独自の品質チェック、テスト工程をパスしたDRAMチップのみを採用。相性問題が発生した場合、購入後1カ月以内ならば返品対応するサービスも行なっている。

コンパクトなヒートシンクCorsair Vengeance CMK64GX5M2B5600Z40

 Corsairのスタンダード向けOCメモリ「Vengeance」シリーズの一つ。LEDを備えていないのでヒートスプレッダが小さく、ほかのパーツと干渉しにくいデザインが特徴だ。AMD向けのEXPOに対応。

高さ33mmで使いやすいAMD向けメモリG.Skill Flare X5 F5-5600J3636C16GX2-FX5

 ヒートシンク搭載だが高さがわずか33mmとCPUクーラーなどと干渉しにくいデザインだ。AMDのAM5プラットフォーム向けに設計されており、EXPOプロファイルを備えている。ホワイトモデルも用意。

DDR5-5200で豊富な容量ラインナップKingston FURY Beast DDR5 RGB KF552C40BBAK2-16

 DDR5-5200で容量の選択肢が豊富にあるのは非常にめずらしい。予算や目的に合わせて柔軟に選べるのはうれしいところ。上部にはRGB LEDも備える。XMPプロファイル読み込み時の電圧は1.25Vだ。

格安の8GB×2セットもラインナップ中CFD W5U4800CS-16G

 数百のチェック項目、テストを通過したCFD刻印のDRAMチップを採用するDDR5-4800定格メモリ。価格も安く、速度にこだわらずDDR5メモリを導入したいなら注目だ。ヒートスプレッダを備えないシンプルなデザイン。

容量選択肢の多い定番DDR5メモリMicron Crucial CT2K16G48C40U5

 手頃な価格とDDR5ではめずらしく1枚だけのバリエーションも豊富であり、DDR5-4800メモリの定番となっている。4枚など複数搭載した場合のクロック低下対策としてXMP/EXPOのプロファイルも持つ。

DDR4

DDR4-3200最安値クラスCFD W4U3200CS-16G

 16GB×2枚のW4U3200CS-16Gは、DDR4-3200の最安値クラスとあって人気になっている。取り扱い店舗が多く、購入しやすいのもポイント。ほかのCFD販売のメモリと同じく相性保証サービスの対象だ。

大容量モデルもあるDDR4の定番OCメモリCorsair Vengeance LPX CMK32GX4M2E3200C16

 高さのないアルミ製のヒートスプレッダを備えるDDR4-3200対応のOCメモリ。32GB×2枚の大容量を用意している点に注目。ホワイトやレッドといったカラーバリエーションが豊富にあるのも特徴だ。

久しぶりに登場した新顔DDR4メモリMicron Crucial DDR4 Pro CP2K16G4DFRA32A

 新製品の動きがすっかり少なくなったDDR4の中で2023年6月発売の新モデル。パーツ干渉の少ないシンプルなヒートシンク搭載かつCrucialブランドとうこともあって、新たな定番になりそうだ。

【検証環境】
CPUIntel Core i9-13900K(24コア32スレッド)
マザーボードMSI MPG Z790 CARBON WIFI(Intel Z790)
メモリG.Skill Trident Z5 RGB DDR5 F5-6000J3038F16GX2-TZ5N(PC5-48000 DDR5 SDRAM 16GB×2)
ビデオカードZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC(NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti)
システムSSDWestern Digital WD_BLACK SN850 NVMe WDS200T1X0E-00AFY0[M.2(PCI Express 4.0 x4)、2TB]
CPUクーラーCorsair iCUE H150i RGB PRO XT(簡易水冷、36cmクラス)
OSWindows 11 Pro(22H2)

[TEXT:芹澤正芳]

PCパーツ100選 2024

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 今回は、2023年末に休刊したDOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載しています。

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