特集、その他

人気製品をガチ比較!ベストPCケース編はこれだ!その①【PCパーツ100選 2024 PCケース編】

DOS/V POWER REPORT 2024年冬号の記事を丸ごと掲載!

3cm厚の特別なケースファンを装備 冷却性能にこだわる

ベイ:3.5/2.5インチシャドー×2、2.5インチシャドー×3●標準搭載ファン:14cm角×3(前面)、12cm角×1(背面)●搭載可能ビデオカードの長さ:400mm●搭載可能CPU クーラーの高さ:175mm●搭載可能ラジエータの長さ:42cmクラスまで(前面)●本体サイズ(W×D×H):230×522×522mm●重量:約12.55kg

 Antecは冷却重視型のPCケースを多数ラインナップしてきたが、ほかの主要メーカーの代表製品と比べると一歩譲ることも多く、古くからのファンには歯がゆい思いもあった。

奥行きと高さがどちらも50cmを超えた大型ケースで、内部には構造物もほぼない。前面には長さ42cmクラスの超大型ラジエータを組み込める

 しかしこのPerformance 1 FTは、そうした思いを吹き飛ばす素晴らしい1台に仕上げられている。車のフロントグリルのような前面パネルを擁する外観は、両側面の強化ガラスによる透明感も相まって高級感がある。また前面には3cm厚の特別な14cm角ファンを3基装備し、外気をたっぷり取り込んで各パーツを冷却できる。実際今回の検証でも、冷却性能はトップグループだった。また負荷が低い状態なら回転数が500rpm前後まで低下し、パーツを選べばほぼ無音状態にできる。

前面には厚みが3cmの14cm角ファンを3基搭載。またメッシュ構造の前面パネルを採用し、エアフローは良好
右側面にはケーブル整理用の溝やフックを装備。そうしたケーブルを隠すための金属カバーがある

 拡張性も素晴らしい。大型の筐体を活かし、前面には42cmクラスのラジエータが組み込める。また天板自体を着脱できる構造であり、簡易水冷型CPUクーラーやファンを利用しやすい。組み込みやメンテナンスがしやすく、冷却性能にも優れる本機は、誰にでもお勧めできる優れたPCケースだ。

眺めて楽しむピラーレス構造イルミネーションも映える!

ベイ:3.5/2.5インチシャドー×2、2.5インチシャドー×4●標準搭載ファン:12cm角×1(背面)、12cm角×3(側面)●搭載可能ビデオカードの長さ:435mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:165mm●搭載可能ラジエータの長さ:36cmクラスまで(天板、右側面、底面)●本体サイズ(W×D×H):290×466×495mm●重量:12.1kg●そのほかのカラー:ブラック

 シンプルながら美しいフォルムと質感で、高級感を演出するNZXTのPCケース。H9 Flowは、そうしたNZXTの遺伝子を色濃く受け継ぐミドルタワーケースだ。

マザーボードなどを組み込む左側面の様子。右側面に吸気方向で3基の12cm角ファンを装備する

 前面と左側面は透明度の高い強化ガラス製。ピラーレス構造を採用することもあり、組み込んだパーツのデザインやLEDのイルミネーションを眺めて楽しめる。実際に同社の簡易水冷型CPUクーラーやLEDファンを組み込んだ作例では、優美な筐体を中心に淡い光が広がるさまが美しかった。

デュアルチャンバー構造なのでケーブル整理用のスペースは広い
メッシュ構造の天板カバーとファンマウンタは、どちらも簡単に着脱できる

 また今回の検証ではCPUとGPU温度は十分に冷えており、なおかつアイドル時など負荷が低いときにはファンの回転数は500rpm前後まで低下し、非常に静かに利用できた。マザーボードと天板の隙間は実測値で約6.5cmと広い上、天板が着脱可能なので簡易水冷型CPUクーラーを組み込みやすい。デュアルチャンバー構造なのでケーブルも整理しやすい。デザインや冷却性能、メンテナンス性など、PCを長く使う上で重要な要素を高いレベルで兼ね備えるPCケースだ。

3基のLEDファン搭載のコンパクトATXケース

ベイ:3.5インチシャドー×2、2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:12cm角×3( 前面)●搭載可能ビデオカードの長さ:360mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:170mm●搭載可能ラジエータの長さ:36cmクラスまで(前面)●本体サイズ(W×D×H):230×462×466mm●重量:約7.3kg●そのほかのカラー:ホワイト

 最近のミドルタワーケースとしてはめずらしく、奥行きと高さが50cmを切っており、組み込みやメンテナンス時に取り回しやすい。ケースファンは前面に12cm角ファンが3基と、冷却重視型ケースとしては少なめだが、CPU温度はトップグループで、GPU温度も低い。凝ったギミックはないが、「コンパクトで冷えるケースが欲しい」というユーザーにオススメだ。

前面にはアドレサブルL E D対応の12cm角ファンを3基装備する。前面パネルはメッシュ構造
天板もメッシュ構造になっている。28cmクラスまでの水冷ラジエータの組み込みが可能だ

microATXながら36cmラジエータに対応

ベイ:3.5/2.5インチシャドー×3、2.5インチシャドー×1●標準搭載ファン:12cm角×1( 背面)●搭載可能ビデオカードの長さ:338mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:170mm●搭載可能ラジエータの長さ:36cmクラスまで(天板)●本体サイズ(W×D×H):205×460×350mm●重量:6.3kg●そのほかのカラー:ホワイト

 前面、天板、右側面など各所にメッシュ構造を採用し、通気性を高めた小型ケースだ。microATX対応モデルだが天板に36cmクラスラジエータを組み込め、長さ33.8cmまでのビデオカードに対応するなど、拡張性はかなり高い。CPU温度はかなり低かったが、GPU温度は高めだった。ただこれはファンの数が少ないせいもあるだろう。

天板には3基までの12cm角ファンや36cmクラスの水冷ラジエータを組み込める。天板とマザーボード上部の隙間も広い
両側板や天板、前面パネルは引っ張るだけで簡単に外せるツールレスタイプだ

14㎝角ファンを4基装備豪華装備の超ド級ケース

ベイ:3.5/2.5インチシャドー×2、2.5インチシャドー×5●標準搭載ファン:14cm角×3(前面)、14cm角×1(背面)●搭載可能ビデオカードの長さ:460mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:190mm●搭載可能ラジエータの長さ:42cmクラスまで(前面、天板)●本体サイズ(W×D×H):268×659×639mm●重量:20.8kg●そのほかのカラー:ブラック

 奥行き、高さともに60cmを超える正真正銘のフルタワーケースだ。合計4基の14cm角ファン、42cmクラスラジエータへの対応、各所に装備するLEDによるイルミネーションなど、超ド級のサイズ感にふさわしい豪華な装備を満載する。もちろん冷却性能も一級品だ。ちょっと高いのが玉にキズだが、ROGブランドで固めた強力なゲームPCにぴったりの1台である。

14cm角ファンを前面に3基、背面にも1基装備する。また、各部にメッシュ構造を採用
天板の上に2本の太いフレームがあり、この部分を両手で持ちながらPCケースを移動できる

LEDファンを4基装備拡張性重視の大型ケース

ベイ:3.5/2.5インチシャドー×2、2.5インチシャドー×6●標準搭載ファン:12cm角×3(前面)、12cm角×1(背面)●搭載可能ビデオカードの長さ:360mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:175mm●搭載可能ラジエータの長さ:36cmクラスまで(前面、天板)●本体サイズ(W×D×H):235×505×510mm●重量:10.9kg●そのほかのカラー:ホワイト

 アッパークラスゲーミングブランド「MPG」に属するミドルタワーケースだ。ドラゴンのエンブレムを各所にあしらった作りが、MSIらしさを醸し出す。12cm角ファンを4基標準装備し、各所に風通しのよいメッシュ構造を採用することもあり、冷却性能はトップクラス。ビデオカードホルダーやファン/ LEDハブなど、最近のトレンドはしっかり押さえている。

12cm角ファンを前面に3基、背面に1基搭載する。いずれもアドレサブルLEDが組み込まれている
アドレサブルLEDを搭載し、トレードマークのドラゴンが光るビデオカードホルダー

話題のピラーレス構造 6基のファンを標準装備

ベイ:3.5インチシャドー×2、2.5インチシャドー×1●標準搭載ファン:12cm角×1( 背面)、12cm角×2( 側面)、12cm角×3( 底面)●搭載可能ビデオカードの長さ:400mm ●搭載可能CPUクーラーの高さ:175mm●搭載可能ラジエータの長さ:36cmクラスまで(天板底面)●本体サイズ(W×D×H):295×415×368mm●重量:5.9kg●そのほかのカラー:ホワイト

 高さが36.8cmとかなり低く、ミニタワーに近いサイズ感のケースだ。ピラーレス構造で、前面と左側面には透明感の高い強化ガラスを採用。ガラス面を通じてLEDファンの光が周囲に広がるさまが美しい。ただ底面ファンは吸気、側面ファンは排気方向で取り付けられており、CPUクーラー周辺に外気が届きにくいエアフローなのか、CPU温度はやや高めだった。

底面に装備する3基のファンは、吸気方向で設置されている
電源ユニット用スペースの近くにファン/LEDハブを搭載

底面から天板へ流れるスムーズなエアフロー

ベイ:3.5/2.5インチシャドー×2、2.5インチシャドー×1●標準搭載ファン:12cm角×1( 背面)●搭載可能ビデオカードの長さ:340mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:162mm●搭載可能ラジエータの長さ:24cmクラスまで(天板)●本体サイズ(W×D×H):215×401×347mm●重量:5.24kg●そのほかのカラー:ホワイト

 底面から天板に流れる自然なエアフローを構築できるという小型microATXケース。今回取り上げたAP201と比べてもさらに小さく、大型簡易水冷型CPUクーラーやビデオカードを組み込んでコンパクトなゲームPCを作りたいユーザーにマッチしている。今回の検証ではGPU温度が高めだったが、これはAP201と同じく、ケースファンが足りないせいだろう。

天板には24cmクラスまでの水冷ラジエータが組み込めるほか、天板とマザーボード上辺の隙間も広い
長さが約32cmの大型ビデオカードを組み込んでも、十分に余裕がある

[TEXT:竹内亮介]

PCパーツ100選 2024

DOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載

 今回は、2023年末に休刊したDOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載しています。

 なお、AKIBA PC Hotline!では、DOS/V POWER REPORTで活躍していた人気ライター陣のレビューや連載記事を毎月掲載中。是非、製品購入時の参考にしてみてください。