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人気製品をガチ比較!ベストビデオカードはこれだ!その①【PCパーツ100選 2024 ビデオカード編】

DOS/V POWER REPORT 2024年冬号の記事を丸ごと掲載!

高性能GPUだからこそ軽さも追求すべきだMSI GeForce RTX 4070 Ti Gaming X SLIM WHITE 12G

ブーストクロック:2.745GHz●ビデオメモリ(バス幅):GDDR6X 12GB(192bit)●メモリ速度:21Gbps●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI 2.1a×1●対応スロット:PCI Express 4.0 x16●占有スロット数:3スロット●カード長:30.7cm *16ピン=12VHPWRもしくは12V-2x6

 同社既存製品「GeForce RTX 4070 Ti GAMING X TRIO WHITE 12G」を文字どおり“スリム化”した製品だ。あちらに比してカード長が約3cm、高さが1.5cm小さくなったほか、厚みも実質4スロットから3スロットに小形化。PCケースとの物理的干渉がしにくくなっただけでなく、背の高いGeForce特有の補助電源ケーブルの根元にかかるストレス(16ピンは根元を曲げ過ぎるとよくない)も軽減させることに成功。さらにカード重量も約500g軽量化されたことで、自重によるゆがみや破損リスクも軽減された。

SLIMと言っても実質3スロット占有。冷却力確保には厚みも許容せねばならない。
映像出力は定番のDP×3+HDMI×1構成
カード高が1.5cm低くなったため、16ピンの変換ケーブルを装着するときに根元を思い切り曲げなくてすむようになった点がうれしい

 GPUクーラーが小型化すれば冷却性能や静音性が犠牲になりがちだ。しかし本製品では高負荷時(ゲーム10分後)でもGPU温度は68℃、ファン回転数も1,280rpmでそれぞれ頭打ちに。とくに静音性に関しては90mmファン搭載モデルとは思えぬ静けさだ。従来モデルにはあったデュアルBIOSが削除されているのが残念と言えば残念だが、静音モードが不要になるほどの完成度であることを考えると許容できる変更と言えるだろう。

地獄の番犬の吐息は氷のように冷たいPowerColor Hellhound Spectral White AMD Radeon RX 7800 XT 16GB GDDR6

ブーストクロック:2.52GHz●ビデオメモリ(バス幅):GDDR616GB(256bit)●メモリ速度:19.5Gbps●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI 2.1×1●対応スロット:PCI Express4.0 x16●占有スロット数:3スロット●カード長:32.2cm

 “地獄の番犬”のイメージとは正反対の涼しげなデザインをまとったRX 7800 XT搭載カード。全長32.2cmの巨大なクーラーはゲーム中でもGPU温度を60℃以下に抑え込むことができるだけでなく、静音性も高い。重量級ゲーム「Avatar:Frontier of Pandra」ではWQHD+最高画質(レイトレあり)でもFSR 3を効かせることで平均90fpsでのプレイが期待できる。LED発光色は物理スイッチで水色/白色/消灯が選択可能だ。

ナリは小さいが冷却力も十分確保ZOTAC Gaming GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge

ブーストクロック:2.535GHz●ビデオメモリ(バス幅):GDDR6 8GB(128bit)●メモリ速度:18Gbps●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI 2.1a×1●対応スロット:PCI Express 4.0 x16●占有スロット数:3スロット●カード長:22.55cm

 フルHD向けのビデオカードでも巨大なクーラーを搭載した製品があるが、本製品はデュアルファン&全長22.55cmにまとめられた製品。たとえば「Call of Duty」なら、フルHD&最高画質で平均110fps、DLSS FGを効かせれば193fpsまで出せる。小さめな割に冷却性能も高く、ゲーム10分後のGPU温度は65℃前後と低い。大型カードを装着する余裕がない、あるいは負荷を分散させるステイを組み込みたくないという人にオススメ。

最高のカードは後ろから見ても美しいASUS ROG Strix GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X White OC Edition

ブーストクロック:2.655GHz●ビデオメモリ(バス幅):GDDR6X 16GB(256bit)●メモリ速度:22.4Gbps●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI 2.1a×2●対応スロット:PCI Express 4.0 x16● 占有スロット数:4スロット● カード長:35.76cm

 性能と見た目のどちらも最高のものにしたい人のためのカード。RTX 4080をブーストクロック2.625GHz(OCモードで2.655GHz)にファクトリーOCされた本製品なら、同じテスト環境で「サイバーパンク2077」を4K+レイトレありで平均90fps、激重なパストレーシングでも平均70fps程度出せる(DLSSFGやRRを使用)。細部まで入念にデザインされており、ピラーレスケースに入れるとカード後部すらもカッコよく見せられる。

トリプルファン搭載でも大き過ぎないサイズが◎GIGABYTE GeForce RTX 4070 WINDFORCE OC 12G

ブーストクロック:2.49GHz● ビデオメモリ( バス幅):GDDR6X 12GB(192bit)●メモリ速度:21Gbps●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI 2.1a×1●対応スロット:PCI Express 4.0 x16●占有スロット数:3スロット●カード長:26.1cm

 写真の印象はトリプルファン搭載の大型カードのように見えるが、ファンを80mm口径にすることで全長26.1cm、高さも12.6cmと手頃な大きさにまとめている。サイズを絞ったクーラーだが冷却性能は高く、ゲーム中のGPU温度は64℃で頭打ちとなった。黒いカバー&黒いファンは今のトレンドとは正反対だが、ハデさよりもお買い得感、あるいは落ち着いた外見が欲しい人にオススメしたい。

デカくてタフな最強のRadeon搭載カードASUS TUF Gaming Radeon RX 7900 XTX OC Edition 24GB GDDR6

ブーストクロック:2.615GHz● ビデオメモリ( バス幅):GDDR6 24GB(384bit)●メモリ速度:20Gbps●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI 2.1×1●対応スロット:PCIExpress 4.0 x16●占有スロット数:4スロット●カード長:35.29cm

 Radeon最強のRX 7900 XTXを超大型クーラーと組み合わせたカード。実質4スロット占有のクーラーはゲーム中でもRX 7900 XTXの温度を60℃以下に封じ込めた。3DMarkのスコアもトップクラスだが、クーラーが大型な分重量も2.14kgと重いため、同梱のカードスタンドは必ず使いたい。また、カードの高さが15.8cmと高いため、カード長的にははOKでも高さがNGなPCケース(同社「TUFGaming GT502」など)もある点に注意。

上位の影に隠れがちだがRX 7700 XTも狙い目ASRock Radeon RX 7700 XT Challenger 12GB OC

ブーストクロック:2.584GHz● ビデオメモリ( バス幅):GDDR6 12GB(192bit)●メモリ速度:18Gbps●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI 2.1×1●対応スロット:PCIExpress 4.0 x16●占有スロット数:3スロット●カード長:26.7cm

 同じWQHD向けGPUでもRX 7800 XTのスペックに埋もれてしまいがちなRX 7700XTだが、eスポーツ性の高いFPSにもイケる費用対効果の高いGPUだ。オーバーウォッチ 2の最高画質設定+フルHD環境なら平均190fps以上、WQHDでも130fps以上と高fpsが期待できる。4Kはさすがに厳しいがFSR3やAFMFを上手く利用しよう。上位製品と比べるとシンプルなクーラーだが、ゲーム中のGPU温度は64℃以下と冷却性能は十分。

【検証環境】
CPUAMD Ryzen 7 7800X3D(8コア16スレッド)
マザーボードASUSTeK ROG STRIX X670E-F GAMING WIFI(AMDX670E)
メモリMicron Crucial Pro CP2K16G56C46U5(PC5-44800 DDR5 SDRAM 16GB×2 ※DDR5-5200で動作)
システムSSDMicronCrucial T700 CT2000T700SSD3[M.2(PCI Express 5.0 x4)、2TB]
ゲームSSDSilicon-Power SP002TBP34A80M28[M.2(PCI Express3.0 x4)、2TB]×3
電源Super Flower LEADEX TITANIUM 1000W(1,000W、80PLUS Titanium)
OSWindows 11 Pro
高負荷時消費電力HWBusters「Powenetics v2」を利用して3DMark―Time Spyデモ実行中のカード単体の平均値および最大値を計測

[TEXT:加藤勝明]

PCパーツ100選 2024

DOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載

 今回は、2023年末に休刊したDOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載しています。

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