2010年10月10日
FF14をGeForceとRadeonで遊び比べてみた
9月30日から正式サービスがはじまったFINAL FANTASY 14ですが、導入部分を少しだけ遊んでみました。
ベンチマークのスコアではRadeon優勢、ベータテストではGeForceが快適という話をちらほら聞きましたが、手元にちょうどGeForce GTX 460とRadeon HD 5850があるので、実際のゲームではどう違うのか比べてみました。
今回テストに使用したのはGeForceはEVGA GeForce GTX 460 1024MB External Exhaust(01G-P3-1371) 、RadeonはMSI R5850 Twin Frozr II。そのほかのPC環境は以下の通り。
・CPU Core i7-980X Extreme Edition(3.33GHz,6コア)
・マザーボード GIGABYTE GA-X58A-UD5(X58+ICH10R)
・メモリ Crucial Ballistix DDR3 PC3-12800(DDR3-1600/XMP)(2GB×3枚セット)
・ストレージ WesternDigital WD3200AAKS(320GB/7,200rpm)
・OS Windows 7 Ultimate(64bit)
(機材協力:旭エレクトロニクス(CPU)/マイクロン ジャパン(メモリ))
※注意
フレームレートの体感差は個人差が大きく、環境などにも左右されるので、あくまで一個人の感覚による話ととらえていただければ幸いです。
フルHD/デフォルト設定はGeFoeceもRadeonも性能は十分
トータルの体感ではGeForceが優位?
GeForceは正式版ドライバのバージョン258.96と、「Final Fantasy XIVのパフォーマンスが最大20%向上」(NVIDIA)というベータ版の260.63。Radeonは最新ドライバのCatalyst 10.9を使用してテスト。画質のオプションなどは下記の画像の設定で行っています。
以下はそれぞれのベンチマーク結果と、上記設定の状態で遊んでみた際の簡単な感想です。なお、プレイしているのは序盤のみなので、巨大なモンスターやド派手なエフェクトの魔法などが出てくる状況なったとしたら変わるかもしれません。
・GeForce GTX 460 + GeForce ドライバ258.96環境 | |
多少コマ落ち感がありますが、フルHDでもそこそこ快適に動きます。なお、FF14が快適に動作するかはビデオカード以外の要因(データロード速度?)も影響するようで、3D処理的には軽いと思われる場面でもフレームレートが急激に落ちることがあります。人が多い場面や、オブジェクトの多い場面、ゲーム開始時など、データのロードが多いシーンでは最悪画面が止まるほどフレームレートが落ちるケースもみられました(ロードが終わると人やオブジェクトが多くてもフレームレートはだいたい元に戻ります)。マップを移動している分には、大概はカクッと一瞬引っ掛かりを感じる程度なので、通常画質で遊ぶ分には問題なさそう。 |
・GeForce GTX 460 + GeForce ドライバ260.63(Beta版)環境 | |
正式版ドライバ使用時よりも若干なめらかに動作しているような気がします。ほんの数フレームだけこちらの方がパフォーマンスが出ているのかも。30フレーム付近の数フレームは滑らかに動作しているのかどうか感じられる境目になるので、たった数フレームでも大きな効果を感じる場合があります。このドライバは正式版ではないのでお勧めはできませんが、正式版になった際は260以降のバージョンのものを使った方が快適に遊べるかもしれません。なお、データロードによると思われるフレームレート落ちなどは正式版ドライバとだいたい同じ傾向でした。 |
・Radeon HD 5850 + Catalyst 10.9環境 | |
ベンチマークのスコアはGeForce GTX 460より頭一つ抜けて高いRadeon HD 5850。フレームレートの最大値はGeForce GTX 460 + GeForce ドライバ260.63(Beta版)より出ているものの、データロードが要因と思われる引っ掛かりはGeForce GTX 460を使った時よりも大きく、トータル的な体感ではGeForce GTX 460の方が快適な感じ。もしかすると、高速なストレージと組み合わせた方がRadeon使用環境では快適に遊べるのかもしれません。RadeonはGeForceよりもベンチマークのロードタイムが遅い傾向がありましたが、この差は実際のゲームにも出ているような気がします。なお、Radeon HD 5850で普通に遊べる性能は十分に出ています。 |
遊んだ感じでは、フルHDの標準設定であればGeForce GTX 460かRadeon HD 5850選択しておけばそこそこ快適に動作すると思われます。GeForce GTX 460はFF14をフルHDで遊ぶのにゆとりはないけどピッタリといった具合の性能が出ているので、FF14を狙って作ったような気がしないでもありません。
なお、データロードの影響と思われるフレームレート落ちはRadeonの方が大きく影響を受けているようなので、FF14に限定した場合はRadeonを選択するのは少し注意が必要かも(絶対的な性能はRadeon HD 5850の方が上ですが……)。この点はストレージをSSDに変更すれば改善するような気がするので、時間が取れればSSD環境でテストする予定です。
・おまけ FF14を遊んだ感じはどうなの?
せっかく遊んだので、FF14を遊んで感じたことを少しだけ書いておこうかと。
数十人は居る場所で遊んでいたのですが、システムを理解していないためか、誰も話をしていないからなのか、会話が聞こえてくることは全くありませんでした。あまりにも静かなため、他人に話しかけていいのかわからず、淋しく一人旅を満喫することに……。
初心者の人がFF14を遊ぶ場合は、仲の良い友達がいるサーバーを選択した方がいいかも。
グラフィック面はイベントシーンなどは結構綺麗で、キャラクターのモデリングも良くできています。通常のプレイ画面はそこそこ綺麗といった具合でした。
□FINAL FANTASY XIV(SQUARE ENIX)
http://jp.finalfantasyxiv.com/
2010年08月26日
FF XIVベンチマークの"LOAD TIME"最速を狙ってみた
FANTASY XIV オフィシャルベンチマーク(以下FF14ベンチ)には描画性能を示す「SCORE」のほかに、データのロードにかかった時間を計測していると思われる「LOAD TIME」の値も見られるようになっています。
ストレージマニアとしては最速タイムをたたき出したい!(無駄にハイスペックPCを使っていることもあり…)ということで、ソフトウェアRAMディスクを使い、「LOAD TIME」の最速値を狙ってみました。
テストに使用したPCの環境は以下の通り。
・CPU Core i7-980X Extreme Edition(3.33GHz,6コア)
・マザーボード GIGABYTE GA-X58A-UD5(X58+ICH10R)
・メモリ Crucial Ballistix DDR3 PC3-12800(DDR3-1600/XMP)(2GB×3枚セット)
・ビデオカード MSI R5850 Twin Frozr II (Radeon HD 5850)
・ストレージ WesternDigital WD3200AAKS(320GB/7,200rpm)
・OS Windows 7 Ultimate(64bit)
(機材協力:旭エレクトロニクス(CPU)/マイクロン ジャパン(メモリ/SSD))
RAMディスクは超爆速!CPU負荷は高いけど…
今回使用したRAMディスクソフトはDATARAMが公開しているDataram RAMDisk v3.5(64bit対応)。無料版では4GBまでのRAMディスクを作成可能。
ソフトウェアRAMディスクの特徴をあげると、とにかく爆速。PCの再起動やシャットダウンを行うとディスク上のデータが消えるため、運用に慣れていないと面倒な部分もありますが、用途によっては凄まじいパフォーマンスを発揮します。
左のベンチマーク結果はDataram RAMDisk v3.5で作成したRAMディスクの速度。なお、RAMディスクはCPU負荷が高く、データ転送時はCPU 1コアが丸々占有されます。場合によってはアプリケーションとRAMディスクでCPUパフォーマンスの取り合いになる場合があるかもしれないので、多少注意が必要かも。
ちなみに、今回はRAMディスクとFF14ベンチでCPUパフォーマンスの取り合いにならないように、6コアのCPUでテストしています(FF14ベンチは4コア占有タイプのソフトようなので)。
・Dataram RAMDisk v3.5(DATARAM)
http://memory.dataram.com/products-and-services/software/ramdisk
RAMディスクの結果やいかに……
テストはRAMディスク上にベンチマークの実行ファイルを置き、そこから実行してストレージの速度を見るという方法で行っています。
なお、OS起動ディスク上に実行ファイルを置いた場合の「LOAD TIME」は18,614ms。店頭デモ機などを見る限り、そこそこの性能を持ったPCの「LOAD TIME」は11,000~20,000ms前後のものが多いようです。
ちなみに、FF14ベンチはループ動作させることが可能ですが、ループさせるとメモリ上にキャッシュが作成されているのか、2周目以降「LOAD TIME」が短縮される傾向があるようです。こうした特性があるため、テストの数値はOS起動直後にFF!4ベンチを走らせた1回目のものを掲載しています。
準備も整ったところでFF14ベンチのHIGH(1,920×1,080)設定で早速チェック。左がその結果ですが、数値はなんと15,308ms!凄く速っ………くない。というかスペックを考えるとかなり遅いような……。
実行ファイルが置いてあるディスクだけでなく、もしかしてOS起動ディスクも速くなければ駄目?「LOAD TIME」は実はストレージ速度ではなく、その他の要因が足を引っ張っている??
結果としては残念な数値というか、惨敗というか、うまくいきませんでした。
RAMディスク以外の環境でも試してみた
何らかの理由でRAMディスクでは速度が出ないという可能性もあるので、他のディスクでも同条件で速度を調べてみました。
以下がテストしたディスクとその結果。テスト方法はRAMディスクと同じく、OS起動ディスク上にはFF14ベンチの実行ファイルを置かず、テストしているストレージ上に実行ファイルを置いて計測しています。
WesternDigital WD3200AAKS(起動ディスクとは別ディスク) |
ACARD ANS-9010(DDR2メモリ2GB×8枚実装) |
Crucial RealSSD C300 256GB(CTFDDAC256MAG-1G1 3Gbps接続) |
USBメモリ(メーカー不明) |
今回のテストに使ったPC環境では、ストレージ側の速度が一定以上になると「LOAD TIME」が1万5千台で引っかかってしまうようなかたちになりました。見えない"壁"でもあるような感じです……。
なお、最も遅い結果となったUSBメモリでですが、ベンチマーク中に特に動作が遅いと感じることありませんでした。
ストレージ以外の速さも影響している?
個人的な予想ですが、「LOAD TIME」は実ストレージ速度も影響しているものの、おそらくそのほかの部分の速度も影響しているのではないかと思われます。FF14ベンチは、CPUとビデオカードのどちらかがネックになった状態でスコアが頭打ちになる傾向がありましたが、「LOAD TIME」にもそういった傾向がありそうだなと。
ちなみに、前回行ったFF14ベンチのレビューの結果をよく見てみると……、オーバークロックした際に「LOAD TIME」が縮まっていました。ここから影響していると推測される要因は、CPUクロック、CPUのベースクロック、メモリの速度(帯域)、QPIの速度あたりでしょうか。また、店頭デモ機で「LOAD TIME」が速いPCはGeForceを使っている例を見かけるので、ビデオカードの影響もあるのかもしれません。
OS起動ディスクの速度による影響も含めて、「LOAD TIME」に関してはもう少し調べてみようと思います。
□ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク(スクウェア・エニックス)
http://www.finalfantasyxiv.com/media/benchmark/jp/
□関連記事
【2010年7月3日】FF XIVベンチマークをテストしてみた -CPU/GPU依存度編-
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/blog/archives/2010/07/ff_xiv_cpugpu.html
【2010年6月25日】FF XIVベンチマークをテストしてみた -CPUコア数編-
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/blog/archives/2010/06/ff_14_cpu.html
2010年08月15日
Androidタブレットを分解してみたら、CPUとメモリが別基板だった件
最近、ミョーにアキバで人気があるのがAndroidタブレット。弊誌のアクセスランキングでも結構上位にランクインしているし、ショップに聞いても結構売れているんだそう。で、「とりあえず夏休みだし」ってんでバラしてみたら、CPUとメモリが別基板だったりしたわけで。
別基板になっているCPUとメモリはSO-DIMM風。載っているCPUはVIAの子会社「Wonder Media」のCPU「WM8505」と、ELPIDAのDDR2メモリ「E1116AEBG-8E-F」(128MB)。SO-DIMM風のコネクタなので、比較的簡単に着脱可能です。
そしてファームウェアやデバイス類の制御チップは全部メイン基板側。
コレって多分、メーカーの在庫対策(本体だけ先に作っておいて、出荷する時にCPU/メモリ基板を装着すれば、CPU/メモリに関するリスクを減らせる)だと思うんだけど、自作な人としては、ついつい「アップグレード」とか「BTO」に思いを馳せてみたりして。
サブ基板の規格、どこかが作って公開したりしませんかねぇ………
2010年08月07日
Intelの6コアCPUで常用4GHzを狙ってみた
Intelの6コアCPUを4GHz(※OC動作)かつ静音クーラー環境で常用可能なのかテストしてみました。
テストに使用したのは「Core i7-980X Extreme Edition」と「W3680(※ES品/スペックはCore i7-980Xとほぼ同等)」。真夏日が続いていますが、この熱い中、4GHzで安定して動作するのでしょうか……。
今回、CPUは代理店の「旭エレクトロニクス」から貸し出してもらっています(OC動作了承済)。
テストに使用したPC環境は以下の通り。
□テストPC環境
・CPU Core i7-980X EE(3.33GHz,6コア) / Xeon W3680(3.33GHz,6コア)
・CPUクーラー Thermalright AXP-140 + 1,200rpm 12cmファン
・マザーボード GIGABYTE GA-X58A-UD5(X58+ICH10R)
・メモリ Crucial Ballistix DDR3 PC3-12800(DDR3-1600/XMP) 2GB×3枚
・ビデオカード MSI R5850 Twin Frozr II (Radeon HD 5850)
・ストレージ WesternDigital WD740ADFD(74GB/10,000rpm)
・OS Windows 7 Ultimate(64bit)
・温度計測ソフト Core Temp
Xeon W3680(ES品)ですが、Core i7-980Xと同じく、動作クロック倍率の変更が可能。Core i7-980Xとの違いは正式に動作をサポートしているマザーボードが少ないという点くらいなようです。
※注意
・この記事を読んで行なった行為によって生じた損害は、AKIBA PC Hotline!編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。 ・構造などに関する記述は編集部が使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません。 |
静音クーラーで4GHz常用の壁は厚かった
4GHzでの動作ですが、お手軽に常用とはいかない感じ。
テストした個体の動作電圧(CPU Vcore)は、Core i7-980Xが定格1.19375V、Xeon W3680(ES品)が定格1.23750V。個体的にはCore i7-980Xの方が優れていそうな感じです。ステッピングはどちらもB1なので、ロットなどによりアタリハズレがあるのかもしれません。
4GHzでの動作ですが、どちらも定格電圧ではOS起動不可。Core i7-980Xは電圧1.21Vを越えたあたりからOSの起動が可能になり、負荷をかけても安定したのは1.30625V。Xeon W3680(ES品)は1.26VあたりからOSの起動が可能になり、安定動作可能になったのは1.33750V。
4GHz動作時(高負荷時)の温度ですが(室温は26℃前後)、今回の環境ではCore i7-980Xが80℃前半~90℃位、Xeon W3680(ES品)の方は80℃後半~90℃前半といった具合。
安定動作は可能だったものの、今回のテスト環境では温度的に常用はほぼ無理かな~と……安心とは言えない温度ですしね。高回転のファンを使用すれば温度は下がると思われますが、4GHz動作と静音性を両立させるのはなかなか困難かもしれません。結果的には、冷却性能が高いクーラーがあれば空冷でも4GHz常用可能といったところでしょうか。
4GHz常用はCPUクーラーを買い換えることがあればまたテストしてみようと思います。
3.6GHzなら定格電圧動作可能
個人的に、CPUは動作温度が定格時とあまり変わらない範囲で使用したいので、定格電圧でどこまでクロックが伸ばせるのかも一応テストしました。ちなみに、電圧を変更しなければOC動作でも定格動作と発熱量はそれほど変わりません。
で、試したものの、定格電圧ではそれほど伸びず、Core i7-980X(1.19375V)もXeon W3680(ES品)(1.23750V)も安定動作したのは3.6GHzまで。それ以上となるとどちらも電圧をかけないと安定動作しませんでした。
ただし、どちらも負荷をかけた際のCPU温度は定格時とほぼ変わらない温度(Core i7-980X 65℃前後 / Xeon W3680(ES品)70℃前後)だったので、この程度のOCであればお手軽に常用できそうです。
・おまけ XMP対応メモリは設定が超簡単
今回XMP対応メモリ(Crucial Ballistix)も初めて使ってみたのですが、「これは便利!」とちょっと感動しました。
メモリは設定項目がかなり多く、OC動作させる場合、詳しい知識がないと良い設定数値を探るのが大変だったりします。XMP対応メモリの場合、XMPを有効にするとレイテンシだけでなく、電圧なども含めてメモリ関連の項目が自動で設定されるので全く手間がかかりません。
ただし、ベースクロック(Core iシリーズだとBCLK)を変更してCPUをオーバークロックをする場合、メモリ側も同期している場合はメモリクロックがXMPの設定値とずれて役に立た無くなります。また、モデルによってはXMPの数値がイマイチ(性能が発揮されない数値や、起動が困難な数値)が設定されている可能性がある点、限界性能を出すにはやはり手動で設定する必要がある点などの弱点もありますが……。
まあ、微妙な点はあるものの、メモリをお手軽にOC動作させたい場合には便利な機能です。
2010年07月03日
FF XIVベンチマークをテストしてみた -CPU/GPU依存度編-
前回、CPUコア数(スレッド数)によるFINAL FANTASY XIV オフィシャルベンチマーク(以下FF14ベンチ)のスコアの違いをテストしましたが、今回はオーバークロックを行い、動作クロックがスコアに与える影響をテストしました。
FF14ベンチは、CPUとGPUどちらの影響を大きく受けているのか、OCした際のスコアの変化からチェックしてみようと思います。
テストに使用したPCの環境は以下の通り(前回と同環境)。
□テストPC環境
・CPU Corei i7-920(2.66GHz,4コア)
・マザーボード GIGABYTE GA-X58A-UD5(X58+ICH10R)
・メモリ PC3-10600(DDR3-1333) 2GB×3枚
・ビデオカード MSI R5850 Twin Frozr II (Radeon HD 5850)
・ストレージ ACARD ANS-9010×4台 + LSI MegaRAID SAS 9260-8i
・OS Windows 7 Ultimate(64bit)
なお、今回はHyper Threading TechnologyはOFFでテストしています。ちなみに、HTTの有無はFF14ベンチのスコアにほとんど影響しないようです(前回のテスト結果参照)。
※注意
・この記事を読んで行なった行為によって生じた損害は、AKIBA PC Hotline!編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。 ・構造などに関する記述は編集部が使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません。 |
まずはCPUのみをOCした時のスコアの違いです。定格の2.66GHz動作時と3.6GHzにOCした状態を比較しました。
定格 CPU 2.66GHz |
LOW(1,280×720)設定時 |
HIGH(1,920×1,080)設定時 |
CPU オーバークロック CPU 3.6GHz |
LOW(1,280×720)設定時 |
HIGH(1,920×1,080)設定時 |
次はビデオカードのみをオーバークロックして比較した結果。クロックはATI Catalyst Control Centerで変更可能な範囲内で設定。
定格 GPU 725MHz ビデオメモリ 1,000MHz |
LOW(1,280×720)設定時 |
HIGH(1,920×1,080)設定時 |
GPU オーバークロック GPU 775MHz ビデオメモリ 1,125MHz |
LOW(1,280×720)設定時 |
HIGH(1,920×1,080)設定時 |
数字だけを見ると解像度が低い場合はCPU依存度が高く、解像度が上がるとGPU依存度が高いという結果に……。少し検証してみましたが、どうやらFF14ベンチはCPUとGPUの性能のバランスが崩れるとスコアが伸びなくなる(性能が低い方に合わせられてしまう)ようです。
今回の場合、LOW設定時だとRadeon HD 5850側に余力があり、CPU性能が上がればさらにスコアが伸びる状態。HIGH設定時だとRadeon HD 5850でも性能は十分とは言えず、CPUをどれだけOCしてもGPU側がついてこれない状態の模様。
CPUとビデオカードの価格を考慮するとGPUへの依存度が高いと捉えられますが、PCのアップグレードを行う際は性能のバランス取りが重要になりそう。
ちなみに、HIGH設定時テスト中に紙芝居のようになるシーンはないので、Radeon HD 5850であれば高解像度でもそこそこ快適に遊べそうです。LOW設定時はRadeon HD 5850が正直遊んでしまっている状態なので、1,280×720以下の解像度でもかまわない場合は、下位のRadeoh HD 5770程度の性能があれば十分かもしれません。
CPUの方は4コアであればそれほどクロックは必要としないようなので(高クロックに越したことはありませんが、GPUがついてこないと意味が無いので)、安価なモデルでも結構遊べてしまいそうです。
□ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク(スクウェア・エニックス)
http://www.finalfantasyxiv.com/media/benchmark/jp/
□関連記事
【2010年6月25日】FF XIVベンチマークをテストしてみた -CPUコア数編- (Junk Blog.)
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/blog/archives/2010/06/ff_14_cpu.html
【2010年6月17日】FF 14ベンチマークをRadeon HD 5770で試してみた (Junk Blog.)
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/blog/archives/2010/06/ff_14radeon_hd.html
2010年06月25日
FF XIVベンチマークをテストしてみた -CPUコア数編-
現在多くの人がテストしているFINAL FANTASY XIV オフィシャルベンチマーク(以下FF14ベンチ)ですが、どの部分がスコアに影響するのか調べてみました。
今回はコア数(スレッド数)によるスコアの違いをテストしています。結論から言うと、FF14向けにCPUをアップグレードする場合、物理コアが4コア以上のCPUを購入する方が良さそうです。
テストに使用したPCの環境は以下の通り。
□テストPC環境
・CPU Corei i7-920(2.66GHz,4コア)
・マザーボード GIGABYTE GA-X58A-UD5(X58+ICH10R)
・メモリ PC3-10600(DDR3-1333) 2GB×3枚
・ビデオカード MSI R5850 Twin Frozr II (Radeon HD 5850)
・ストレージ ACARD ANS-9010×4台 + LSI MegaRAID SAS 9260-8i
・OS Windows 7 Ultimate(64bit)
GA-X58A-UD5は使用するコア数を選択できるので、その機能を利用して2コア動作時と4コア動作時の違いと、Intel Hyper Threading Technology(以下HTT)をON/OFFした時の差をテストしています。
以下がコア数HTT ON/OFFを切り替えた際のスコア。
2コアと4コアでスコアに大きな開きがあり、HTTの有無は誤差程度で効果がかなり薄い模様。エンコードだとHTTは効果を発揮するんですけどね……。
個人的に感想になりますが、2.66GHzのCore i7-920でそこそこなめらかに動いているので、とにかく安く済ませたい場合はCore i5-750 (2.66GHz)、多少予算にゆとりがある場合はCore i7-930 (2.80GHz)やCore i7-860 (2.80GHz)あたりがコストパフォーマンスの高いモデルになりそうな気がします。
ちなみに、描画中に負荷がかかるのは4スレッドまでなので、6コアなどのCPUはスコア的には影響が小さいかも?ただし、画面が切り替わる際に(ロード時)には6スレッドに負荷がかかるので、スコアに出てこない部分で6コアが優位になるシーンはありそうです。
描画時 | ロード時 |
なお、スコアの下に表示されているLOAD TIMEですが、ストレージの速度が影響しているかと思いきや、実は別の要因で変動している模様。今回利用しているストレージは1GB/s超えのRAMDISKですが、LOAD TIMEはHDDなどと変わりません。今回の環境ではCPUのスレッド数が増えると時間が短くなる傾向がみられたので、CPU周りの要因で変化する項目なのかも?Core i7-980X EEがあればいろいろ検証できるんですけどねー、貸出してもらえないかなぁ……。
次回はCPUとビデオカードをオーバークロックして、スコアにどのような影響が出るかテストしてみたいと思います。
□ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク(スクウェア・エニックス)
http://www.finalfantasyxiv.com/media/benchmark/jp/
□関連記事
【2010年6月26日】FF XIVベンチを3D化したデモが実施中
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20100626/etc_ff14.html
【2010年6月19日】ファイナルファンタジー XIVのベンチデモが実施中
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20100619/etc_ff14.html
2010年04月29日
Phenom II X6 1090T BEの電圧を下げてみた
Phenom II X6 1090T BEの定格クロック(3.2GHz)動作時の動作電圧を下げてみました。
Prime95でテストしながら安定動作の下限を探ってみたところ、1.125Vまでは下げることに成功。1.125Vを下回ると3.2GHz動作が難しくなるようで、1.1V前後では負荷がかかるとOSが不安定になり、1V前後では電圧を設定した瞬間にPCがフリーズしました。
1.125Vに動作電圧を下げた時の消費電力ですが、思っていたよりも大きな差が!
上が定格の3.2GHz(1.3V)動作時のPC全体の消費電力で、下が3.2GHz(1.125V)動作時のPC全体の消費電力。動作電圧を0.175V下げたことで50Wも消費電力に下がる結果に。PCの構成は両者で全く同じなので、負荷時のCPU消費電力が50Wも下がったことになります。
BlackEditionなのでオーバークロックに目が行きがちですが、性能を犠牲にせずに低消費電力で使うのも面白いかもしれません。
□テストPC環境
・CPU Phenom II X6 1090T BlackEdition
・マザーボード MSI 890GXM-G65
・メモリ PC3-10600(DDR3-1333) 2GB×2枚
・ビデオカード ELSA GLADIAC 988 GT 512MB(GD988-5123ERGT)
・HDD WesternDigital WD3200AAKS
2010年04月28日
Phenom II X6 1090T BlackEditionをオーバークロックしてみた
Phenom II X6 1090T BlackEditionのサンプルを借りられたので、オーバークロックしてみました。電圧設定はマザーボードのAuto設定で、CPUの倍率のみを変更してテストしています。
※注意
・この記事を読んで行なった行為によって生じた損害は、AKIBA PC Hotline!編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。 ・構造などに関する記述は編集部が使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません。 |
CPU以外のテスト環境は以下の通り。
・マザーボード MSI 890GXM-G65
・メモリ PC3-10600(DDR3-1333) 2GB×2枚
・ビデオカード ELSA GLADIAC 988 GT 512MB(GD988-5123ERGT)
・HDD WesternDigital WD3200AAKS
・CPUクーラー PROLIMA TECH Megahalems Rev.B(1,400rpm 12cmファン)
で、さっそくオーバークロックしてみた結果ですが、CPU倍率変更のみだと3.8GHzまでは安定動作可能。3.9GHzあたりでPrime95が落ちたりするようになり、4GHzまで上げるとOSは立ち上がるものの、不安定でまともに使えない状態。ちなみに、3.8GHz動作時の電圧はCPU-Z上の表示で1.3V。
3.8GHz動作時の温度ですが、HWMonitorの表示は33℃前後。さすがにこれは表示温度が低すぎると思いますが、実際にクーラーを触っても少し温かい程度だったので、発熱はそれほど酷くない感じ。冷却能力的にはまだゆとりがありそうなので、電圧などの設定をしっかり詰めればさらに上の動作クロックでも安定するかも?
なお、PCの消費電力は下記のような感じでした~。
アイドル時 | 3.2GHz時(負荷100%) | 3.8GHz時(負荷100%) |
2010年03月21日
PCI Expressの速度はマザーボードごとに違うっぽい?
レビューやら何やらを作成中にちょっと気になることがあったのでご紹介。
一般的な拡張スロットのPCI Expressですが、どうやらマザーボードごとに性能が違ったりするようです。普通に使う分には誤差程度の差しか出ないと思われますが、用途によっては無視できないような場合も。下がその一例です。
左のベンチマークはRAIDカードLSI MegaRAID SAS 9260-8iのキャッシュ速度を測ったもので、上がGIGABYTE GA-EX58-UD5に接続した時のもの、下がASUS P6T Deluxe V2接続時のもの。マザーボード以外は両者で全く同じパーツを使っています。
現行ハイエンドのRAIDカードという極端なパーツだからこそ出た差ではありますが、シーケンシャルアクセスで200MB/s以上違ってくると「誤差」として片付けられないような……。200MB/sというと現行SSD 1台分の速度になるので、マニア的には気になるところ。
なお、PCI Expressはメーカーがある程度チューニングできるようで、ビデオカード向けのセッティング(設計)にしたり、インターフェイスカード向けにしたりということが可能らしいです。ちなみに、RAIDカードの注意書きには「PCI Express x16スロットはビデオカード専用設計の物もあるので、RAIDカードが動くスロットで使うように!」と書いてあったりします。
今回テストしたP6T Deluxe V2はビデオカード向けの設定となっている可能性もあるので、別種類の拡張カードを利用した際はGA-EX58-UD5以上の性能を発揮するかもしれません。
ハイエンド系のパーツを使う人は多少マザーボードの速度差なども気にした方がいいかも。速度は実際に買ってみないとわからないので難しいところではありますが。
□実測1GB/sオーバー、6Gbps対応の最速RAIDカードを試す
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20091114/sp_ilsi0.html
2010年02月21日
SSD耐久テスト経過報告 その4
~MTRON製SLC-SSD~
Mtron製SSDのMSD-SATA3035032(32GB,SLC,3.5インチ)を使用して早2年。最後の動作報告から1年ほどたったので、久々に経過を報告したいと思います。
ちなみに、相変わらず毎日デフラグなどの負荷をかけ続けているわけですが、現在も稼働中です。
まずはCrystalDiskInfoのステータスから。前回の報告から一度だけファームウェアを更新しましたが、特に大きく変わったところはありません。接続がなぜかParallel ATA認識になったくらいでしょうか。なお、使用時間はSSD側に記録されていませんが、だいたい1万8千時間程度。24時間稼動のPCなので2年ももたないと思いましたが、SLC-SSDはこちらが想像していた以上に頑丈なようです。データ保管用に繋いでいたHDDの方が先にダメになりました(苦笑)。
次にベンチマークの結果。シーケンシャルライトの値が10MB/sほど落ちましたが、その他の値はほぼ横ばい。体感で遅くなったと感じることは今のところありません。
ちなみに、業務に使うファイルはほとんどSSDに書き込んで作業を行うため、空き容量は多くて3.3GB、少ないときは200MBといった状況で使用しています。正直この空き容量でウェアレベリングやデフラグが正常に行えているのか怪しいのですが、エラーが出たりはしていないので、なんとかなっている模様。もしかすると、シーケンシャルライトの低下は極端な空き容量不足が影響しているのかもしれません。
想像以上に丈夫なので、当面大きな問題は発生しないと思われますが、何か起きた際はBlog内でお伝えします。
【2009年2月】SSD耐久テスト経過報告 その3
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/blog/archives/2009/02/ssd_3mtron_msds.html
【2008年10月】MTRON専用SSDの寿命診断ソフトを試してみた(SSD耐久テスト経過報告 その2)
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/blog/archives/2008/10/mtronssdssd_2.html
【2008年4月】SSD耐久テスト途中経過報告 その1
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/blog/archives/2008/04/_ssd_1.html
【2008年1月】SSDの寿命は本当に短いのか
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/blog/archives/2008/01/ssd.html
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