ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
『チャレンジ!!パソコンアドベンチャー・ゲーム/A.V.G&R.P.G』シリーズ編 ~想い出の“20世紀パソコン雑誌”たち~
2026年4月21日 08:05
現在ではあまり見かけなくなってしまったものの、20世紀には数多くのマイコン・パソコン雑誌が発売されていました。中には、その当時に読者だった雑誌に影響を受けて後の人生が決まった、という人もいるかもしれません。ここでは、それら20世紀に発売されたマイコン・パソコン雑誌を取り上げ、紹介していきます。
第15回目は、月刊誌ではありませんが、間違いなく大勢の人がお世話になった電波新聞社の書籍から「チャレンジ!!パソコンアドベンチャー・ゲーム/A.V.G&R.P.G」シリーズを取り上げました。
電波新聞社から発売されていたパソコン雑誌『マイコンBASICマガジン』は、1983年10月号から1984年12月号まで「マイコンスーパーソフトマガジン」という冊子を付録としてつけていました。この小冊子では主に、アーケードゲームやパソコンゲームの紹介や攻略記事、さらには全国津々浦々のゲームセンターで記録されたハイスコアなどを掲載していたのですが、1985年1月号からは本誌の後半ページに組み込まれることになります。
その小冊子の名前を冠した「マイコンBASICマガジン」別冊という形で登場したのが、後々に数多く刊行される書籍「SUPER soft MAGAZINE DELUXE」シリーズでした。今回取り上げるのは、そのなかでも本連載を読んでいる人ならばほぼ確実にお世話になったと思われる「チャレンジ!!パソコンアドベンチャー・ゲーム/A.V.G&R.P.G」シリーズです。
本シリーズは、『チャレンジ!!パソコンアドベンチャー・ゲーム』から始まり『チャレンジ!!パソコンA.V.G&R.P.G I~V』まで、全部で6冊が刊行されました。シリーズの始まりとなった『チャレンジ!!パソコンアドベンチャー・ゲーム』が発売されたのは、1985年12月のこと。この時期は、アドベンチャーゲーム全盛期ということもあって、入力すべきコマンドが分からなかったり、どうしても解けないという悩みを持つパソコンユーザーが数多くいました。今とは違いインターネットもありませんので、ヒントを聞くにはマニュアルなどに付属している“質問用”などと書かれた部分を切り抜いて、これを質問を書いたハガキに貼り付けて開発したソフトハウスに出す、という方法くらいしかありません。
それ以外でヒントを得る方法としては、各種パソコン雑誌を読みあさるという手段もありました。とはいえ、取り上げられるタイトルは大多数の読者から人気が得られるビッグタイトルが中心となることが多く、遊んでいる人が少なさそうな尖った作品や、それほどメジャーではないゲームなどは記事になることも珍しかったため、そういったソフトをプレイしている人にとっては、ヒント不足が悩みの種だったと言えます。
そんなときに、雑誌『月刊マイコンBASICマガジン』の付録だったマイコンスーパーソフトマガジン2月号から新連載、チャレンジ・アドベンチャー・ゲームがスタート。ヒントを載せてくれたほか、執筆者の山下章さんがほとんどのアドベンチャーゲームをプレイしているということから、マイナータイトルの質問にも答えてくれていたということもあって大人気を博します。そこで、これらをまとめて書籍+αとして、シリーズ1冊目『チャレンジ!!パソコンアドベンチャー・ゲーム』が誕生となりました。
巻頭ではアドベンチャーゲームのマッピング方法や考え方などが書かれていたほか、後半には流行し始めていたRPGの攻略コーナーも設けられています。そこには『ブラックオニキス』や『ハイドライド』といった大型有名タイトルの姿があったので、これを見てクリアしたい人もいたかもしれません。また、それまでに発売されたアドベンチャーゲームを網羅したリストも画面写真付きで掲載されていたので、当時はそれを見て「どのようなゲームなんだろう」と思いを巡らせたものでした。
この後は、パソコンゲームの流行がアドベンチャーからRPGへと移ったこともあったためか書籍タイトルが「チャレンジ!!パソコンA.V.G&R.P.G」シリーズへと改題されて、以降はRPGがメインとなります。
シリーズ2冊目『チャレンジ!!パソコンA.V.G&R.P.G』では、アドベンチャーゲーム紹介パートは本誌記事からの流用もあるものの、かなりの部分が書き下ろしとなっていました。特に、日本ファルコムの大ヒットタイトル『ザナドゥ』の手厚い攻略記事が掲載されているということもあって、この書籍を買って参考にしたという人は多いのではないかと思われます。
シリーズ3冊目となる『チャレンジ!!パソコンA.V.G&R.P.G II』以降は、数多くのタイトルを掲載する方向から1作品の記事ボリュームが多くなるよう方針転換が図られました。その後、『チャレンジ!!パソコンA.V.G&R.P.G IV』と『チャレンジ!!パソコンA.V.G&R.P.G V』では、単なる攻略本ではないことを表すためと思われる「パソコンゲームの楽しさを伝える本」というキャッチコピーが加わり、攻略情報だけでなくパソコンソフトのレビュー記事なども掲載されるようになります。
いずれの書籍も300~400ページ以上と充実していて、今の時代に読み直しても非常に面白い内容となっていました。特に貴重と思われるのが、上記でも書いた当時発売されていたアドベンチャーゲームやRPGのタイトル一覧や、いくつかのビッグタイトルが世に出るまでの開発過程が書かれたレポート記事などでしょう。
攻略記事などは極論、現代であればインターネットで検索すればいくらでも見られますが、完成までの道のりは開発者から直接聞かなければ分からないお宝情報です。しかも、それらの記事はソフトの発売から日が浅いうちに書かれているため、情報の精度としても高いことが大事な部分でした。ほかにも、巻末に各アドベンチャーゲームの白地図があったり、ゲーム中で使われた楽曲の楽譜や演奏プログラム、さらには読者からのゲームに関するQ&Aなどが載せられていたのも特徴です。
当時はかなり売れた書籍と思われますが、現在ではネット上の古書店やオークション・フリマサイトで見かけることもあまりないため、入手難易度は少々高めかもしれません。それでも、本書を開けば懐かしい思い出とともに当時プレイしたゲームが色鮮やかに蘇ると思いますので、ぜひ機会を見つけて読んでみてください。









