ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

T&E SOFTのMSX用シューティング『バトルシップクラプトンII』

T&E SOFTの、MSX初期ソフトではお馴染みのパッケージに、紙1枚の説明書とROMカートリッジが納められています。表面にはゲーム中のイメージイラストが描かれていて、裏面にはやや滲んだ画面写真とともにゲームの説明などが書かれています。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、T&E SOFTが1983年11月末に発売したMSX向けソフト3本の中から、縦スクロールシューティングゲームの『バトルシップクラプトンII』を取り上げます。

 1983年にMSX(1)規格が発表され、同年10月下旬にMSX(1)機種が市場に登場すると、それをターゲットとしたゲームソフトもパソコンソフト売り場に並ぶことになります。さまざまなソフトハウスが、新たな市場となるMSXへと参入していくのですが、その中には新興メーカーだけでなく老舗ソフトハウスの名前も見られました。そのうちの1社が、当時『惑星メフィウス』や『3Dゴルフシミュレーション』といったタイトルで名を馳せていた、T&E SOFTです。

各種パソコン雑誌1983年12月号の広告では、「待望のMSXシリーズROMカートリッジ3作品一挙発売!!」とのキャッチコピーとともに、本作品を含めた3本が1983年11月末発売と掲載されていました。その翌号では発売がアナウンスされていましたが、「東京芝浦電気からも発売されています」の一文が時代を感じさせます。

 アスキーから発売されていた月刊誌『MSXマガジン』の創刊0号には、年内に数本のタイトル投入を目指すとのインタビュー記事が掲載されていたのですが、本体デビューから約1ヶ月後となる11月末にリリースされた作品が、今回取り上げたシューティングゲームの『バトルシップクラプトンII』でした。

 本作には、これといったストーリーは設定されていないようで、マニュアルにも特に何も書かれていません。プレイヤーは自機であるクラプトンIIを操作し、宇宙機雷を避けつつ迫り来る敵戦闘機をビーム砲で破壊していきます。操作は、カーソルキーの上下左右で自機の移動、スペースキーでショット発射となっていました。

 ちなみに、自機のショットはスペースキーを押しっぱなしで連射してくれるのですが、ソニー系のMSX2機種で連射速度を調整すれば超連射も可能では? と思い試してみたものの、残念ながらショットスピードが遅くなってしまい失敗に終わりました……残念。

カートリッジをセットして電源を入れると、タイトル画面も無くデモが始まります。ここでスペースキーを押せば、いよいよゲームスタート。自機をカーソルキーまたはジョイスティックやジョイパッドで操作して、敵を倒していきましょう。

 ゲームは、この時代としては珍しい横画面縦スクロールシューティングで、ゲーム内容としてはひたすら敵を倒していくという展開です。登場する敵は5+2種類が存在していて、最初は100点のスタッグが攻撃を仕掛けてきますが、30機倒すと150点のデシマが、この後も30機倒すごとに200点のインターフェイサー、250点のヘキサー、300点のMサイクラーと、敵機5種類が自機めがけて順番にアタックしてきます。

 敵の種類が変わるごとに敵機や敵弾のスピードも上がっていくため、それまでと同じように対処していると徐々に被弾する危険性がアップしていくことに。ステージには、敵宇宙船以外にも宇宙機雷フラッガー(50点)が漂っているため、微妙に行く手を邪魔されます。これもうまく避けなければなりませんが、弾を撃ってくることはないので敵宇宙船を優先的に攻撃するのがコツでした。

道中には、敵宇宙船から撃たれる弾に狙われるだけでなく、攻撃はしてこないものの当たればミスの宇宙機雷フラッガーにも注意が必要です。敵宇宙船は30機倒すごとに移動速度の速い種類に変わるので、積極的に倒していきましょう。

 こうして敵を150機破壊すると十字型の宇宙母船ベーダーが出現して、大量の弾を自機めがけて撃ってきます。ベーダーは5つのブロックから成り立っていて、すべてのブロックを破壊するか画面外に消えるまで逃げられればステージクリアとなるので、そこまで頑張るのみ。無事にクリアすれば、自機クラプトンIIが1機追加されて次のステージへと進みます。ちなみに、ベーダーが出現しているときに被弾した場合でもクリアの扱いとなり、次のステージへと進むことができました。

 敵宇宙船はもう1種類、“ノップ”というキャラクターも登場するのですが、なぜかデモ画面のみにしか現れません。マニュアルにもそのように書かれているのですが、なぜ本編中に登場しないのかは謎のまま……。

 時代的に、まだシューティングゲームにボムが備わる前だったため、ピンチに陥ったとしても回避するにはテクニックを駆使するしかないのですが、時に画面外に消えた敵宇宙船が弾を撃ってくることもあるため、油断はできません。特に、画面下に張り付いて左右移動だけで敵弾を避けていると、画面から消えた敵が撃った弾で知らずにミスとなることもあるので、なるべく画面中央付近で戦いたいところ。

Mサイクラーを30機破壊すると、「ゴゴゴゴゴ」という効果音とともに宇宙母船ベーダーが現れます。かなりの数の弾を撃ってくるので、気合いで避けて破壊しましょう。ムリだと思ったときは、逃げるのも大事です。

 また、画面上から出現する敵宇宙船すべてが弾を撃ってくるのではなく、その中の特定機だけが自機へ攻撃を仕掛けてくるので、序盤ではそういう敵機だけを狙って破壊していけば、少なくとも1周目のベーダーは簡単に拝むことができるかと思います。

 もちろんジョイスティックやジョイパッドにも対応しているので、ゲームセンターでシューティングゲームを得意とする人であれば、キーボードよりもそちらでプレイするのが良いかもしれません。その際には、ジョイスティック・ジョイパッド側の連射装置をオフにしておくのを忘れずに。

 縦スクロールシューティングゲームといえば、アーケードゲームでも1982年に数作品、そして1983年頭にナムコ(当時)から『ゼビウス』が登場して以降もそれほど大量に作られたわけではないので、そういう意味では縦スクロールシューティングゲームが家庭で遊べるMSXという機種は、恵まれていたといえるのではないでしょうか。

1周クリアするごとに、画面左下に旗が1本ずつ追加されていきます。4本目(4周目)までは確認したのですが、5本目になると旗が大きくなったりするのかは残念ながら分かりませんでした。ゲーム全体の難易度上昇はわずかずつなので、慣れてしまえば長時間プレイできるようになります。

 ちなみに、自機の名前に付けられている“クラプトンII”ですが、T&E SOFTの初期アドベンチャーゲームとして有名な『惑星メフィウス』『暗黒星雲』そして『テラ4001』という「スターアーサー伝説」シリーズ三部作に登場する戦闘機名と同じになっているので、ある意味で本作はそのシリーズの関連作品といえるかもしれません。そんな『バトルシップクラプトンII』はプロジェクトEGGにて配信されているので、この機会に「スターアーサー伝説」シリーズ三部作とともにプレイするのをオススメしておきます。

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