ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
アスキー『ログイン(LOGiN)』~想い出の“20世紀パソコン雑誌”たち~
2026年9月1日 08:05
現在ではあまり見かけなくなってしまったものの、20世紀には数多くのマイコン・パソコン雑誌が発売されていました。中には、当時読んでいた雑誌に影響を受けて後の人生が決まった、という人もいるかもしれません。ここでは、それら20世紀に発売されたマイコン・パソコン雑誌を取り上げ、紹介していきます。
今回は、1982年にアスキー別冊からスタートして、2008年にその役目を終えた長寿パソコンゲーム雑誌『ログイン』を取り上げました。
1980年代に創刊されたパソコン雑誌は、初期の頃は科学に関連した記事や電子工作解説などが載っていたため、後の時代と比べるとやや堅い感じがする内容になっていました。回路図だったり、時には自然科学や宇宙の話題などが掲載されるなど、大ざっぱな区分けとしては“理科系雑誌”と表現できたかもしれません。しかし、時代の流れと共に面白いソフトが増えていくことで科学や電子工作関連の記事は少なくなっていき、代わりに“多くのユーザーが望むゲーム情報を数多く取り上げるパソコンゲーム雑誌”というフォーマットが固まっていきます。
そのような流れを汲んだパソコンゲーム雑誌のなかで、1、2位を争う有名雑誌だったのが、今回取り上げるアスキー(当時)から刊行されていた『ログイン』でした。ここでは、創刊された1980年代を中心に見ていきましょう。
最初は、月刊誌『アスキー』の別冊という形で、1982年5月20日に創刊されています。創刊号ではパソコンゲームに関する記事はそこまで多くはなく、どちらかというと科学情報誌という面を垣間見せていました。しかし、1983年11月号から誌面構成が変わると、市販ソフトを取り上げてのレビュー記事や新作ソフトの紹介、ソフト売り上げランキングなどを前面に押し出す方向へと舵を切り、さらにはこの時期くらいから遊びごたえのあるパソコンソフトも大量にリリースされるようになっていくと、読者からそれらのソフトウェアを紹介してほしいという要望が高まったこともあり、飛ぶ鳥を落とす勢いでページ数を増やしていくことになります。
1988年になると、記事や広告が増えたことでページ数も多くなったため、それまでの月刊から月二回刊へと刊行ペースを変更。パソコンゲーム雑誌としては初となる、1ヶ月に2回本が出ることになりました。これはその後、パソコンソフトがやや勢いを失う1997年まで続くことになります。
『ログイン』の特徴といえば、比較的早い段階から海外のソフトを積極的に取り上げていたことや、当時としては最先端のRPGなどを解説していたという点が挙げられるかと思います。そのような下地を作ったからこそ、BPSの『ザ・ブラック・オニキス』やT&E SOFTの『ハイドライド』といったRPGがマイナーだった時代の作品が、広く認知されることに一役買っていたと言えたのではないでしょうか。
また、この時期にはパソコンとは切っても切れない縁だったアーケードゲームですが、それを紹介する「ビデオゲーム通信」というコーナーを早くから立ち上げて、話題になっていたアーケードゲームを誌上で解説・攻略することなども行っていました。ちなみに、似たような名前のコーナーとしては他に「ファミコン通信」や「MSX通信」などがありましたが、「ファミコン通信」はその後に独立した雑誌『ファミコン通信』になり、さらには『ファミ通』として現在も出版されているのは知られていることかと思います。
他にも、1980年代半ばくらいまでは他のパソコン雑誌と同じく、さまざまな機種のゲームプログラムリストが掲載されていました。これは毎号行われていた「ログインソフトウェアコンテスト」にて上位を獲得したタイトルのみが載るということもあり、かなりハイレベルな作品で占められていたのも特徴です。この「LIST LOG」と称したコーナーには、雑誌の企画で作られたオリジナルのRPGやアドベンチャー、コンストラクションプログラムなども登場することがあったほか、1984年10月号から始まり、その後しばらく毎年恒例となった「プログラムオリンピック」では、日本全国のソフトハウスがこの企画向けに作ったプログラムを掲載してくれるといった、嬉しいサービスも行ってくれました。
『ログイン』らしい有名なページとしては、お笑い(オバカ)記事が掲載されていた「ヤマログ」をはじめとした歴代コーナーなども挙げられるかと思います。ただ、こういったコーナーに関しては「パソコンゲーム雑誌なんだからいらない」「いやこういうコーナーこそほしい」という要不要論を当時に耳にしたことがありましたが、実際に読者だった方々はどちらの意見だったのかは気になるところ。
これに関連して、『ログイン』では制作スタッフが前面に出てくるという特徴も欠かせないかと思います。もちろん他誌でも少なからずそのような傾向はありましたが、『ログイン』の場合は署名記事というレベルではなく、企画記事とともに写真入りで誌面に登場するなどしたため、読者に対して非常に強いインパクトを残すことに成功していました。例えば高橋ピョン太さんやほえほえアライさん、ゲヱセン上野さん、そしてこのAKIBA PC Hotline!でも何度か登場している忍者増田さんなど、当時のスタッフの名前を今でも覚えているという人も多いことでしょう。
もちろん骨太な記事も数多く、不定期ではあったものの当時のスターゲームデザイナー(有名プログラマー)や、有名なソフトを手がけたグループメンバーへのインタビュー記事を掲載したり、『ウィザードリィ』のロバート・ウッドヘッド氏や『ロードランナー』のダグ・スミス氏、『ウルティマ』のリチャード・ギャリオット氏といった国外のプログラマーへ話を聞きにいくといった、あまり他誌では見かけないアグレッシブなページも魅力的だったといえます。
雑誌の名前を冠したブランド“ログインソフト”としては、当時『ラブマッチテニス』『ポートピア殺人事件』などが代表作の堀井雄二さんとタッグを組んで『オホーツクに消ゆ』をリリースしたほか、『英雄ヤマトタケル』も発売しています。ただし、このブランドは2本のみで終わってしまったのが残念なところですが……。
このように『ログイン』は、豊富な新作ソフト紹介記事・面白くユニークなソフトウェアレビューページ・ハイレベルな投稿プログラム・他誌にはあまりなかったお笑い記事など、多彩な内容で安定した人気を得て、パソコンゲーム雑誌の代名詞ともいえる地位を確保していた、といえるかと思います。
20世紀、そして21世紀初頭を怒濤の勢いで駆け抜けていった『ログイン』ですが、最終的には2008年7月号をもって休刊となり、Web媒体へと活動の場を移すものの、そちらも約2年間の活動期間を経て終了となるのでした。
ボクたちの人生の“その後”にも関わったかもしれない、想い出の“20世紀パソコン雑誌”たち
- 廣済堂出版『RAM(Random Access Magazine)』
- 新紀元社『PCマガジン』
- 小学館『POPCOM(ポプコム)』
- 日本ソフトバンク『Oh!PC』
- 角川書店『コンプティーク』
- 日本文芸社『Hacker(ハッカー)』
- 工学社『I/O』
- アスキー社『月刊アスキー』
- ナツメ社『はるみのプログラミング・レッスン』&「はるみのゲーム・ライブラリー」シリーズ
- 学研『マイコンライフ』
- 電波新聞社・『月刊マイコン』
- 日本放送出版協会『パソコンライフ』
- エーアイ出版『98magazine(98マガジン)』
- 工学社『PiO』
- 『チャレンジ!!パソコンアドベンチャー・ゲーム/A.V.G&R.P.G』シリーズ編
- 日本ソフトバンク『Oh!HiTBiT』
- 徳間書店『テクノポリス』
- 小学館・ポプコム別冊「プログラムマガジン・CGコレクション」







