ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

記憶を失った主人公が事件の真相に迫る!リバーヒルソフトの謎多きアドベンチャー『Gメン記憶を探せ!』

同社初のミステリアドベンチャーゲーム『手掛りを探せ!』と同じく、パッケージに目が描かれているのが特徴です。右下には、銃口から覗いている視点でのゲーム画面が載っていました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、リバーヒルソフトのミステリアドベンチャーゲームではお馴染みのゲームデザイナ、鈴木理香さんが手がけた作品『Gメン記憶を探せ!』となります。

広告はリバーヒルソフトバージョン、ユニオンプランニングバージョンがあって、カラーのユニオンプランニングバージョンでは“絶賛発売中”として1984年3月号の月刊『I/O』誌に、翌号にはモノクロのリバーヒルバージョンでも画面写真と共に“好評発売中”として宣伝されていました。

 1984年といえば、ハドソンソフトから名作『サラダの国のトマト姫』が発売された年であり、他にもマイクロキャビンの『英雄伝説サーガ』やスクウェア『デス・トラップ』、ボンドソフトの『タイムシークレット』や『タイムトンネル』、エニックスからは『ウイングマン』、ファルコムより『デーモンズリング』が登場するなど、アドベンチャーゲームの当たり年だったと言えるでしょう。それらと同じ年にリバーヒルソフトから発売されたのが今回取り上げた、『手掛りを探せ!』に続く「探せ」シリーズ第2弾となる『Gメン記憶を探せ』です。リバーヒルソフトの名作ミステリアドベンチャー「J.B.ハロルド」シリーズなどでお馴染みの鈴木理香さんが、『手掛りを探せ!』に引き続き手がけていて、プログラムリストを見ると“CREATE:Rika.s”との署名が確認できました。非常に興味をそそられるプロローグがマニュアルに書かれているので、まずはそれを紹介しましょう。

BASICのプログラムを読み込んだ後に実行すると、このタイトル画面が表示されます。ここではタイトルの最後に「!」が付いていますが、パッケージには「!」が入っていません。しかし、広告では「!」が入っているタイトルが使われているので、記事では『Gメン記憶を探せ!』を採用しています。著作権表記を見ると“1984.1”とあるので、発売されたのは1月中だったかと思われます。

 “ウッ!頭が割れるようだ…イタイ…ここはどこだ…!?ああ、頭がぼんやりとして何もわからない。まるですっぽりと霧の中につつまれてしまったような気分がしてくる……”

 気がつくと見知らぬ街角に倒れていたあなた。いったいどうしてここでこうしているのか、自分が誰なのかもわからなかった。ただ頭のうしろがドンキでなぐられたように痛かった。

 “自分の名前さえ思い出せない……『記・憶・喪・失』まさか!!でも何もわからないんだ……確か、ここまで何かを追ってきたような、探してきたような気がするんだが……しかし、俺はいったい何をしていたんだ?どうしてここに倒れていたんだ? ああ…どうしたというのだろう……何も思い出せない……俺はいったい誰なんだ!いったい何をしていたんだ!”

 足のおもむくままに街をふらつきながらも、あなたは疑問だらけの頭でしばらく何も考えることができなかった。でも、いつまでもこうしていても埒があかない。ふと肩に目をやると上着が泥でよごれている。倒れていたときについたらしい上着のよごれをはらおうとして、あなたは上着を脱ごうとした。そのとき上着の内ポケットの奥でカチャカチャというかすかな金属音がした。何か入っているらしい。ポケットをさぐるとそこには、小さなプレートのついた鍵があった。プレートには“51”という数字が彫り込んであった。

 “おっ この鍵はなんだ!何の鍵なんだろう……どこか見覚えのある気もするし……何か……どうも俺にとって大切なもののように思えてきたぞ”

 一個の小さな鍵を見つけたことはあなたにとって失われた記憶をとりもどす大きな手掛かりのように思えた。あなたはもう一度気を取りなおし、この街を見つめた。そして自分にとってきっとかかわりがあるであろうこの街の中で自分の記憶の糸をたぐりだそうと決意していた。

コマンドはカタカナで“名詞”+スペース+“動詞”と入力します。写真にあるように“ジュワキ トル”のほか、“ジュワキ ヲ トル”のように“(ナニ) ヲ (ドウスル)”と助詞を入れてもコマンドを受け付けます。なお、持ち物を調べるコマンドはありませんので、自分で覚えておく必要がありました(笑)。

 プレイヤーは記憶を失った主人公として街を探索しつつ、どうやら自身が関わっているらしい事件の手掛かりや証拠品などを集め、すべての真相へと迫っていくことが目的となります。ゲームシステムは、この時期としてはオーソドックスだったコマンド入力式を採用していて、「>>」と表示された時に“名詞+動詞”をカタカナで入力していきます。そのため、かな入力に慣れていないと、単語探しの前にキーボードからの文字探しで少々手こずるかもしれません。

 画面は、下1/5が文字スペースで、残りがグラフィックスペースとなっています。ただし、描画速度の遅さをカバーするためと雰囲気作りを兼ねてか、映画「007」シリーズのオープニングでお馴染みのガンバレル(銃口)・シークエンスを模した円が描かれ、その中央部分のみにゲーム画面が描画される仕組みでした。また、前作『手掛りを探せ!』ではベタ着色でしたが、本作ではタイリングペイントを使用しての中間色で塗られているため、表現力もアップしています。

街は思った以上に狭く、8画面分しかありません。そのうちの、北側4画面分がこちらです。公園では物騒なアイテムが見つかるほか、少年からは大事なものをゲットしなければなりません。薬屋は、進行上非常に大事な場所となります。

 登場する画面数は、そのボリュームを売りにしていた『デゼニランド』や『タイムトンネル』などと比べると非常に少なく、20画面以下です。しかし、だからこそほぼすべての画面に何らかの仕掛けがあるため、無駄に歩き回ることなく1画面ずつ集中して謎解きに当たることができました。とはいえ、一部のシーンでは足を運ぶたびに登場人物が持っている持ち物が変わるといったトリックも用意されているので、最初に足を運んだときは何も起きなくても、条件を満たしてから来ると仕掛けが反応するという可能性も考えて動き回る必要もあります。

 そんな記憶喪失の主人公が持っている唯一の手掛かりが、51と書かれた鍵でした。これが物語を否応なく盛り上げてくれるのですが、最初にそれが使えそうな場面にたどり着いたときは、思わず声を上げて喜んでしまったほど。ところが、関わっている事件の関係者とみられる人物が主人公の足取りを追いかけていることがわかり、事態は急展開をみせます。果たしてプレイヤーは、事件の真相を見つけ失った記憶を取り戻すことができるでしょうか。

こちらは、街の南側マップです。公衆電話は中に入って電話することができますが、番号を知らなければ意味がありません。ビルの入り口にはもちろん鍵がかかっているほか、車を調べてみると主人公のものという記憶が思い出されます。

 一部では単語探しをやらされてしまうものの、それ以外の場面ではどちらかというと推理力が問われるほか、1度目のプレイではつい引っかかってしまう罠もあるため、プレイしていて非常に緊迫感のある物語を楽しむことができます。このあたりは、さすが鈴木理香さんが手がけたタイトルといったところではないでしょうか。現在ではほとんど見かけることがありませんが、リバーヒルソフトのミステリアドベンチャーファンの人には、是非ともプレイして事件を解決に導いてほしいものです。

車の鍵にピストルの弾、主人公にぶつかってくる怪しげな男と、誰かに見られている気がする部屋……。もちろん、すべて記憶を取り戻すために関係してくることなので、注意深く調べる必要があります。

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