ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

悪の皇帝から黄金を取り戻せ!前作を超える難易度のFM-7版『チャンピオンシップロードランナー』

パッケージイラストは、『ロードランナー』と同じものを使用していますが、タイトル部分に「Championship」と追加されていたり「全画面クリアしたら認定証授与」と書かれているのが特徴です。FM-7版のイラストは他機種版よりも少々色濃く描かれており、かなりアメコミ調な雰囲気となっていました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、『ロードランナー』では飽き足りない人向けにリリースされたともいえる、高難易度ステージを収録した『チャンピオンシップロードランナー』を取り上げました。発売年はFM-7版が1985年で、他機種版は1985年から86年と幅があります。

1985年8月18日に発売された工学社の月刊『I/O』1985年9月号掲載の広告にて、FM-7版が好評発売中、X1版が近日発売として初掲載されていました。そこから考えると、発売されたのは1985年8月前後かと思われます。

 1983年にApple II向けとして登場したアクションゲーム『ロードランナー』は、その面白さからあっという間に大勢のプレイヤーを虜にして、多数の国産パソコンへと移植されます。しかも、『ロードランナー』にはジェネレータ機能がついていたこともあり、それを使用してユーザーが新たに作製したステージも続々と生み出されました。それらの中から難易度の高い迷路を厳選し、新たな作品として世に送り出されたのが、今回取り上げた『チャンピオンシップロードランナー』となります。

 当記事で使用しているのはFM-7版なので、発売元はX1版と同じソフトプロインターナショナルですが、PC-88版やPC-98版はシステムソフトから、SMC-777版とMSX版はソニーから、それぞれリリースされていました。登場した時期もそれぞれ異なっていて、FM-7版は広告を調べたところ1985年の8月前後のようです。続編ということもあってか、本作にはマニュアルにしっかりとしたストーリーが用意されていますので、その要約を紹介していきましょう。

今回使用したのはテープ版なので、プログラムテープの読み込みが終了すると画面下に“COMMAND>”と表示されます。ここでデータテープに入れ替えて“L”を入力してしばらく待つと、タイトル画面が描かれました。

 君は栄光のロードランナー。極悪非道のバンゼル(筆者注:バンゲリングとは書かれていません)帝国の地下宝庫から見事すべての黄金を奪い返し、圧政に苦しんでいた国民たちから歓声をもって迎えられた。彼らは再び笑顔を取り戻し、明日への希望を語り始めるようになった。帝国に平和が戻り、君はようやく休息の時を得て、激しい戦いに傷ついた身体を癒やしていた。

 しかし帝国の皇帝は、着々と逆襲のときを狙っていたのである。悪の皇帝は再び国民達から黄金を取り上げ、秘かに建設されていた要塞迷路に隠してしまった。ここは前の地下宝庫以上に入り組み、さらに困難な罠が数限りなく作られているため、よりいっそうの知恵と度胸と反射神経が要求される。生還は不可能に近いかもしれないが、君は栄光のロードランナーだ。ここでひくことはできない。不可能に挑み、国民達を解放するためにも、黄金を奪い返すのだ。走れ! 跳べ! 駆け昇れ! 次々と現れる番兵達をかわし、知能の限界に挑戦しながら迷路を駆け抜ける。果たして君は限界を超えられるか……。

レベル1は何もしなくてもプレイ出来ますが、レベル2以降はキーワードを入力する必要があります。今ならば、スマートフォンのメモアプリにでも書き込んでおけば分かりやすいかもしれません。

 プレイヤーはロードランナーを操り、各面に置かれた黄金をすべて回収して最上段まで移動すればステージクリアとなりました。テンキーの2468でロードランナーを上下左右に操作し、Zキーまたは7キーまたはスペースキーで左側に、Xキーまたは9キーまたはリターンキーで右側に、それぞれレーザードリルで穴を掘ることができます。穴は硬い岩やレンガに見える落とし穴、バーやハシゴの真下には掘ることはできません。また、開けた穴は6秒ほどで自動的に埋まり始めるので、それを利用した時間差穴掘りも重要になってきます。

 これらのテクニックを駆使して全50面をクリアすればゲーム終了となり、当時であれば表示されたキーワードをソフトプロまで送ることで、アメリカのチャンピオンシップロードランナー審議会発行の認定証をもらうことができました。なお、ロードランナー5人を失うとゲームオーバーですが、Iキーを押せば最大で999人まで増やせるほか、ハマってしまった時にはAキーでそのレベルの最初からやり直し、Pキーでポーズすることもできます。また、ゲームオーバー表示時にGキーを押した後、Pキーを押して遊びたいレベルの番号を押してリターンキーを押した後、そのレベルのキーワードを入力すればそこから始めることが可能となっています。

ルールは前作と同じく、画面中の黄金を回収して最上段に移動するだけとシンプル。近づいてくる番兵は、レーザードリルで穴を掘って落とせば、その上を通ることもできます。番兵が黄金を持っている場合もあるので、その時は穴に落とすことで黄金を手放させることができます。

 前作よりも難易度が上がっているということで、本作のマニュアルには“HINT”と書かれたコーナーも用意されていました。そこでは「どうぞ皆さまご案内の、番兵誘導テクニック」や「番兵もお友だち。頭貸して、腕貸して、一緒に遊べば、さようなら」「時の流れも変わる、真理逆転の時間差掘りテクニック」といった技が解説とともに書かれていて、全面攻略に一役買っています。

 今回取り上げたFM-7版ですが、実際に撮影したレベル2の写真と、ダグ・スミス氏のインタビューページに載っているレベル2を見比べると分かるように、オリジナルのApple II版と比べて縦横のキャラクター数が少ないため、敵番兵のアルゴリズムが少々違っているのも特徴でした。

レベル1は最初のステージなので簡単ですが、つい勢いで右へと移動して一段降りてしまうと即座に詰みに。番兵を誘導して下に落としてしまえば、上の“HELLO”黄金を楽に回収できます。FM-7版は5キーを押さないとロードランナーが止まらないので、そうではない他機種版のプレイに慣れている人には難しめかもしれません。

 本作には、前作で話題を呼んだジェネレーターモードも付属しているので、自分だけのロードランナーステージを作ることも可能です。もちろん、作製した面はカセットテープやディスクに保存しておくことができたので、友人が遊びに来た際にプレイさせる、ということもできました。

 ちなみに、『ロードランナー』を手がけたのは世界的にも有名なプログラマーのダグ・スミス氏ですが、月刊『ログイン』1984年12月号(アスキー刊)によると、「『チャンピオンシップロードランナー』はユーザーが「僕が作った面をダグは解けるか」という主旨でブローダーボンド社に送られてきたオリジナルステージのなかから、特に難しいものを50選んで編集したもので、それはブローダーボンド社の人たちがやってくれたこと」だったそうです。しかも、そのうちの25面は日本人の手によるものだったと書かれていて、いかに日本で『ロードランナー』が大人気だったのかが分かるというものです。

レベル3は、ハシゴだらけのステージです。1カ所を除いて穴を掘ることができないので、基本的には番兵から逃げまくって黄金を回収することになりますが、かなり厳しい移動を強いられます。

 なお、氏は2014年に53歳の若さで亡くなったことが、日本でもニュースとして報じられました。

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