ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

驚くべきスクロール速度が僕たちの度肝を抜いた『ザクサス』

自機ザクサスがトラクタービームでサイボーグ戦士を確保する中、ピラサニアンが猛炎を浴びせている場面がパッケージイラストとして描かれていました。これを見ると、マニュアル内のイラストでは可愛く描かれているピラサニアンが、実はメカなのがわかります。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、以前に紹介した『ファンファン』の作者・宮田康宏さんが同じPC-8001でリリースした、ハードの限界を超えたスクロール型リアルアクションゲームの『ザクサス』を取り上げます。

広告では、ザクサスに対してピラサニアンが猛炎を浴びせているシーンなどが使われていたので、記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。ちなみに、入選したときのタイトルは『JAIL BIRD』でした。

 1985年と言えば、年頭にはNECからPC-8801mkIISRが発売されたほか、シャープからはX1turboII、富士通はFM77AVをリリースするなど、時代が大きくシフトするタイミングでした。この時期、70年代末期や80年代初頭に発売されていたマイコン・パソコン向けソフトはメインではなくなっていましたが、そんな時代にPC-8001用ゲームとして発売されたのが、今回取り上げる『ザクサス』です。簡単なストーリーは、以下のようになっていました。

 サイボーグ戦士、大脱走!ザクサス緊急発進!!君の任務は、ザクサスを操縦し、逃げるサイボーグ戦士をトラクタービームで引き上げることです。サイボーグ戦士の逃走目標はディスフォール基地。ここに逃げ込まれると、もうつかまえることはできません。

テープからのロード時には、タイトル画面と説明が表示されます。それなりに時間がかかるのですが、画面が出てくるだけでロード時間が少し短く感じたものでした。ちなみに、ロード時間は10分ちょっとです。

 プレイヤーはUFO型の自機ザクサスを操作し、敵キャラクターの攻撃を避けつつサイボーグ戦士をトラクタービームで回収し、自軍基地へと戻ることが使命となります。画面右上に表示されているサイボーグ戦士の数が0になれば、その面は終了。この時点で、サイボーグ戦士を一人も捕らえていない場合はミスとなり、自機を1機失い再スタートになります。ただし、一人でも捕まえていれば、自軍基地に戻った時点でステージクリアとなりました。このときに捕らえたサイボーグ戦士の数が多ければ多いほど次の面の難易度が下がり、逆に少ないほど難しくなります。

 さらに、この時期に流行りだった隠れキャラクターが各面に隠されていて、これを見つけて確保すればボーナス点+トラクタービームのスピードがアップするなどの特典が得られました。攻略していくためには、各ステージごとに仕掛けられている隠れキャラクターを確実に確保して、ザクサスのパワーアップを図ることが重要になってきます。ザクサスが強力になっていけば、敵だけでなく基地を攻撃することも可能に! 破壊できればステージをワープして、一気に先へと進むことができました。とはいえ、用意されたステージは256面もあるので最終面まで進むのは容易ではありませんが、そこをクリアすればお楽しみの画面を見ることができます。

ゲームが始まるとサイボーグ戦士が逃げ出しますので、それを追いかけてトラクタービームで確保します。ただし、相手も攻撃してきますので、あまり近づくと弾が当たってミスすることも。急角度で地面に突っ込んでもアウトなので、操作は慎重に……

 ステージ中には、ザクサスを見つけると猛炎を浴びせる攻撃をしてくるピラサニアンや、地上に仕掛けられた砲台のジャイル・キャノン、ジャイル・キャノンにホバー機能を持たせたジャイル・ホバー、さらにはビーム弾で狙ってくるファンファンなどが配置されていて、これらキャラクターたちの攻撃を喰らってしまうとミスになり、残機が減ってしまいます。それらを避けながら各ステージごとにサイボーグ戦士を大量に確保し、無事に自軍基地へと戻らなければなりません。

道中の川ではサイボーグ戦士が泳いだり、見つかりそうになると地面に伏せたり、ザクサスがやられると万歳をして喜ぶなど、たった160×100ドットとは思えないリアクションを見せてくれます。

 当時の雑誌広告などで画面を見た人もいるかもしれませんが、実際にプレイしてみると、驚くのがその処理速度の速さです。1985年なので、既に枯れたハードと言われてもおかしくないPC-8001という機種にも関わらず、とんでもない速度でスクロールする画面を初めて見たときは度肝を抜かれたものでした。とにかく早すぎて、慣れるまではなかなか思い通りにザクサスを操れないもどかしさがあります。そこさえ越えてしまえば、あとはもう楽しくなる一方でした。

 そんな中で隠れキャラを探し出すには一筋縄ではいかなく、ステージ中をくまなくトラクタービームを照射して隠された地点を見つける必要があります。しかし、トラクタービームは照射するごとにエネルギーを消費し、0になると自然に回復するのを待たなければ再び使えません。

これが有名な、ピラサニアンの猛炎です。もちろん、触ればザクサスは地上に落下して大破し、ミスに。地上から攻撃してくるジャイル・キャノンなども脅威ですが、パワーアップすればトラクタービームで破壊できるようになります。

 トラクタービームのエネルギーゲージの上にはレーダーが表示されていて、隠れキャラがあると反応して点滅しますので、それを目印にして上手にトラクタービームを使いつつ探し出します。コツとしては、右へ向かって移動しながらトラクタービームを照射しつつサイボーグ戦士を回収し、あわせて随時レーダーの反応を確認することでしょう。その後、敵基地まで近づいてある程度のサイボーグ戦士を確保したところで、自軍基地への帰路につきつつ先ほど反応のあったポイントを探して隠れキャラをゲット、という流れがベストでした。

トラクタービームを照射して、レーダーが反応したところで地面まで降りると隠れキャラクターを発見! 自軍基地へと回収すれば、ボーナス得点がもらえたりザクサスがパワーアップします。隠れキャラを見つけたときにレーダーが点滅するのは作者の宮田さん曰く、『リブルラブル』からヒントを得たとのことでした。

 サイボーグ兵士や敵キャラクターのリアルな動き、慣性力が働くザクサスをスムーズに操作出来たときの気持ちよさなど、当時発売されたPC-8001向けの作品としてはレベルが段違いだと感じたものです。確実にハードの限界を超えた素晴らしい作品だったのですが、惜しむらくはこの頃に発売された新機種の持つスペックを活かしたタイトルに力負けしてしまった、という感がありました。それでも、その凄さは色あせることはないと思いますので、最後に本作の1面クリア動画を掲載しておきました。機会があれば、このPC-8001とは思えないなめらかな動きを体験してみてください。

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