ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

マイクロキャビンのアドベンチャー『WORRY』、ミステリーハウスが装いも新たにパワーアップ!

『ミステリーハウス』のように館の全景が描かれたパッケージの下段には、ジョイスティックで遊べることが強調されたアイコンも載っていました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、1984年末にマイクロキャビンから発売された『ミステリーハウス』のリメイク版ともいえるアドベンチャーゲーム、『WORRY』のX1版を取り上げました。

広告はいくつかパターンがありましたが、掲載されている家のイラストは、実は『ミステリーハウスII』と同じものだったりします。『ミステリーハウスII』のパッケージ写真も掲載してみましたので、見比べてみてください。

 1980年代前半のソフトハウス・マイクロキャビンは、『ミステリーハウス』をはじめとした数々のアドベンチャーゲームなどで有名になりました。その後も続けて、『ドリームランド』や『ミステリーハウスII』などをヒットさせることになりますが、そんなタイミングで“難易度・☆☆☆☆☆”として発売されたのが、「ミステリーハウス」シリーズタイプのアドベンチャーゲーム『WORRY』です。ストーリーは特に用意されてなく、説明書には簡易に「あなたは今、ミステリーハウスの前にいます。この家のどこかにあるという宝の箱を探して、この家から脱出してください」とだけ書かれていました。

 プレイヤーはお宝を探すべくミステリーハウスの中へと入るのですが、従来のアドベンチャーゲームであればドアの前で「どうする:OPEN 何を:DOOR」というようにコマンドを入力して、ドアを開けてからでなければ先へと進むことはできません。ところが本作ではなんと、鍵がかかっていないドアであればテンキーの5、またはジョイスティックならトリガを押すだけで、自動的にドアを開けて先に進んでくれるのです。今の時代であればそれほど驚くことではないのですが、当時は非常にビックリしたものでした。それを受けてか、パッケージにも「なんとジョイスティックでアドベンチャー!」と書かれていたほどです。

タイトル画面をしばらく眺めていると、館の中のマップを見せてくれます。これをスマートフォンなどで撮影して紙に描き写しておけば、あとはメモを書き込むのみ。ちなみに、これは1階、2階、3階のマップになっています。この3階層を探索して手掛かりを入手できれば、次のステップへ。

 画面も、この時期によく見られた“移動すると画面が消去され、瞬間表示やライン&ペイントで次の場面が描かれる”といったものではなく、例えば左に進めば先のシーンが現在地に“ずりずり”という感じで移動してきて表示されるという、「立体視覚移動(パッケージなどから)」と呼ばれる手法を採用していました。描画も早かったため、プレイヤーは実際に屋敷の中を自由に移動しているという感覚を味わうことができたのです。ほかにも、建物内で見つかるピアノを演奏すると音が鳴ったりするなど、それまでのアドベンチャーゲームではあまり見られなかったエフェクトが盛り込まれているのも特徴でした。

画面左上には、常にコンパスの方向が表示されています。マッピングをするときは、ここを見て間違えないようにしましょう。また、“モチモノ”や“INVENTRY”と入力すれば現在所持しているアイテム一覧が表示されて、“タスケテ”か“HELP”なら、ゲーム中に使用する単語のほとんどが見られます。

 移動以外はコマンドを入力する必要があるのですが、英語だけでなくカタカナでも受け付けてくれるほか、“アケル SINK”や“OPEN ナガシダイ”と混在していても問題無かったのが便利なところです。また、オーソドックスなアドベンチャーゲームであれば、オープニング後はスタート画面で“どうする?”などと表示されるのが一般的でしたが、本作はロード後に放置しておいたりプレイ中に一定時間操作しないと、自動的にコマンドを入力しながら屋敷内を歩き回るデモ画面へと切り替わるという、斬新な演出も盛り込まれていました。これを見ておけば、ゲーム中の操作方法で悩むこともありません。

 この手のアドベンチャーゲームで困ることといえば、制作者が考えた仕掛けを解くべくさまざまな単語を入力するときに、それがあまりにもマイナーだったり珍しかったりすると、そこで引っかかってしまい先へと進めないというものです。その点に関しても本作は考えられていて、ゲーム中に“HELP”または“タスケテ”と入力することで、よく使う動詞と名詞を表示できるようになっていました。ただし、すべてではないので、特定の場面では自分の頭でしっかりと考える必要があります。

パッケージには書かれていませんが、ゲーム中に表示されている画面右上のロゴ部分には、“HiSPEED”と冠が付いていました。実際に移動もサクサクと行えて、描画も非常に早いです。「立体視覚移動」の模様を、連続写真にしてみました。

 建物は地上4階地下3階という造りになっていて、全部で200画面が用意されていました。廊下や部屋といった似たような画面が200もあると確実に迷うので、マッピングをしっかりと行わないとクリアすることはできません。仕掛けも、その階層で収まるもののほうが少ないので、屋敷の中央にある階段を使い上へ行ったり下に降りたりして、順序よくフラグを満たしていく必要があります。こうして屋敷内をさまよい、目的となる宝箱を捜しだして脱出できればクリアとなります。

屋敷の中には多数のアイテムが置いてあります。それぞれに役割があるので、取り漏らしのないようにしておきたいものです。内部は7階層ですが、各フロアはそれほど広くありません。ただし、アイテムは別の階層で使うことがほとんどなので、屋敷の中をくまなく歩き回らなければなりません。

 この時期のマイクロキャビンは、直前に『英雄伝説サーガ』をリリースしたタイミングだったため、こちらの方が印象に残っている人が多いかもしれません。くわえて、発売された機種がX1とMZ-1500、MSXだったということで、PC-88やFMシリーズに移植されなかったことも、そこまで知名度が高くない原因かと思われます。

 しかし、プレイしてみればサクサクと移動できる気持ちよさだったり、使える単語の一覧を表示してくれるなど、思った以上に親切なシステムとなっていました。オークションサイトやフリマサイトなどでは時々見かけることがあるので、腕に自信のある人はぜひ手に入れて挑戦してみてください。なお、本作のMSX版は大幅なリニューアルが図られているので、そちらはまた別の機会に改めて取り上げたいと思います。

この本には重要なヒントが書かれています。まずはこれを見つけて、次はマッピングした屋敷内の地図と照らし合わせて場所を特定できれば、新たな展開が!?

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