ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

工画堂スタジオの本格派SFRPG『コズミックソルジャー』

描かれているのは主人公のほか、共に旅するアンドロイド、さらには行く先々で仲間になる宇宙人たちです。リアルタッチのイラストに仕上がっているので、パッケージに登場する宇宙人達はゲーム中に登場するキャラクターと比べると怖い存在に見えます。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、工画堂スタジオが1985年8月に発売したSFロールプレイングゲーム『コズミックソルジャー』です。

 1983年末から1984年初めにかけて国産RPGの夜明けがやってくると、各ソフトハウスはそれまで流行していたアドベンチャーゲームだけでなく、徐々にRPGも手がけるようになります。1984年には『ザ・ブラック・オニキス』や『ハイドライド』といった作品が登場し、当時発売されていたパソコン雑誌のヒットチャートにも少しずつ顔を出すようになりました。そんな時代に、PC-8001用『エミー』やPC-8801用『スロットクレージー』といったゲームを開発していた工画堂からリリースされた、同社初のRPGとなったのが今回取り上げたSFロールプレイングゲーム『コズミックソルジャー』です。そのマニュアルには、非常に詳細なストーリーが書かれていました。

ゲーム開始時、パーティには主人公しかいません。そのため、戦闘を仕掛けても負けてしまうのがオチ。まずは、仲間集めに勤しみましょう。最初は誰でも良いので、頭数を集めるのが大事です。

 星歴3530年、宇宙の大半を手中に収める連合帝国は、アリック・エグザス・ドンクといった星が同盟統治しているKGD星域に支配を広げようとしていた。後にKGD戦役と呼ばれる第一次星間戦争は同盟側の壊滅で終止符が打たれたものの、疲弊した帝国側も社会的混乱に陥る。これを機に、各地でレジスタンス活動が活発化。その中枢を担っていたのは、超能力者たち“サイキック・ソルジャー”だった。しかし、帝国側は彼らをあぶり出し、超能力を封じ込めるチップ・μ-80を埋め込んでしまう。一度埋め込まれるといかなるスキャナにも反応せず、摘出も不可能だったため、レジスタンスは再び地下へと潜らざるを得なかった。こうしたなか、壊滅したと思われていた同盟軍の残党・KGD星域解放同盟だけは徹底抗戦を続け、ついに仲間の一人がμ-80の処方ファイルが存在することを突き止めることに成功する。

 星歴3652年。解放同盟は、μ-80を埋め込まれてダゴック星に監禁されている超能力者たちの救出を命じる。特攻隊は全滅に近い被害を出したが、かろうじて1名を助け出すことに成功した。それが、貴方である。解放同盟は貴方に装備を与えると、パートナーとなるアンドロイドに引き合わせ、すべてを託した。目指すは、この星域のどこかにあると言われている、μ-80の処方ファイル奪取。同行してくる有志を探し、戦力を整え、母星の自由を取り戻すのだ!

パーティメンバーが揃ったら、次はジャンク屋で装備品を揃えます。一番良い防具を購入して右端のキャラに装備させ、武器は左端から順に持たせます。

 プレイヤーは解放同盟ただ一人のサイキック・ソルジャーとして、μ-80の処方ファイルを探す旅へと赴きます。ところがゲーム開始直後は主人公一人しかいないため、戦闘をふっかけても勝つことはおろか、まともに戦うこともできない状態。コツもつかめないうちに序盤で何度も全滅させられてしまうため、当時はここで挫折した人も多かったのではないでしょうか。とにかく町を歩きつつ、出会った相手に「T」で話しかけて仲間になってもらうしかありません。一人増えたらセーブして、再び仲間を集めるためにさまよい、途中で全滅してしまったら再びロードしてやり直し……を繰り返し、パーティメンバーを5人揃えられたらようやくスタートラインです。

町で出会う人物のなかには、パーティが所持している武器防具アイテムを高値で譲ってくれと頼み込んでくるものも。そんなときは気前よく売り払い、儲けたお金ですぐに元の装備にしましょう。

 マップ上では他のキャラクターとエンカウントするのですが、その相手がすべて戦うべき対象ではないのがユニークなところでした。出会うと、攻撃するか話すか立ち去るかを選択するメニューが表示され、会話が成立すれば情報を有料で教えてもらえたり、仲間に誘うことができます。そうしたくない場合は攻撃を選ぶと、今度は5段階の強さに分かれたアタック方法から1つを選択することに。手加減して痛めつけると、相手によっては“金や情報を渡すので見逃してくれ”と申し出をしてくることもありました。

 本作でのパーティは、右端に位置するメンバーが戦闘時一番最初にダメージを受けます。なので、まずは右端のキャラに購入できる一番良い防具を装備させ、残りのお金で武器を他のメンバーに持たせて、この状態でキャラクター達を育てていくのがセオリーでした。このあたりはRPG流行初期作ということもあってか、何か一工夫しましょうという感じなのかもしれません。

戦闘では、ある程度手加減して戦うこともできます。最初はダメでも、HPを少しだけ残した状態にすれば話を聞き出したり仲間に加えることができるようになることも。敵が所持金や情報と引き替えに助けを求めてくることもあります。敵を倒さずに戦闘を解決できれば、攻撃力の経験値がアップ!

 そんな本作におけるキャラの育成方法は独特で、戦闘で相手を倒すとGARD(防御力)が、会話で終了させられればATT.(攻撃力)の経験値がそれぞれ入ります。経験値は緑色のバーの上下に水色の線で表示されて、グラフを超えるとパーティメンバー全員の攻撃力または防御力が上がる仕組みでした。緑色のバーは強力な武器防具を装備するほど長くなるので、弱い装備品の時は簡単に、強力な時はなかなか上がりません。それを逆手に取った育成方法もあり、当時の広告で解説が行われていました。

 そんな装備品ですが、出会ったキャラクターから「武器(や防具や所持品)を売ってくれ」と言われることがあります。購入時よりもかなり高い値段を提示されるので、ここぞとばかりに売り払って即座にお店で装備を整え直せば、所持金をあっという間に増やすことができました。こうすることで、武器防具は最初の町で最高級品を揃えることができます。

装備品は、身につけると見た目が変わります。これはパーティだけでなくアンドロイドも同じなので、早くアイテムを見つけて綺麗に着飾ってあげましょう。

 画面左に描かれているアンドロイドも飾りではなく、町やダンジョンに隠されたパワーアップパーツを入手することで、冒険の役に立つ機能を次々と身につけていきました。例えば、“ヒップエレキバン”というアイテムを装備させると戦闘終了時に自動でケガを治してくれたり、“カンチョール”であれば一緒に戦ってくれたりします。とあるパーツを回収すれば、当時の表現で言うところの「ムフフ」な機能を備えることも(笑)。

 一部のマッピングが大変だったり序盤で苦労するといった、初期RPG作品ならではのクセがあるタイトルなのは間違いないでしょう。それでも今プレイしてみると、軌道に乗ってしまえばレベルアップもツラくなく、夢中になりながら遊べるのは本作がそもそも面白いからだと思います。残念ながら、2023年時点ではコンソール機でプレイすることはできませんが、手軽に遊べるようになったときには是非プレイしてみてください。

本作発売と同時に雑誌媒体への広告掲載を始めて、8ヶ月間の連載という形でちょっとした攻略方法などを載せていました。読んでみると当時は電話での質問も受け付けていたそうで、このあたりが他のソフトハウスにはない珍しいところでした。

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