ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

九十九電機のアクションゲーム『竹取物語』

この時期の九十九電機お馴染みとなる、カセットテープケースパッケージを採用しています。画面写真などはなく、イメージイラストが描かれているだけでした。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、九十九電機から1980年にPC-8001向けソフトとして発売されていた、おとぎ話風タイトルが付けられた『竹取物語』です。

当時、雑誌に掲載された九十九電機の広告ページです。右側の「PC-8001最新スーパーソフト情報!」一覧の中に小さく、『さるかに合戦』などとともに掲載されていました。この広告は1980年7月25日発売の「I/O」1980年8月号なので、掲載タイミングなどを考えると本作の発売時期は1980年6月~7月と思われます。

 パソコンが、まだマイコンと呼ばれる方が多かった1980年前後、数多くの作品が発売されました。発端の一つといわれているのは1979年、通販で買えるハドソンソフトのゲーム一覧が雑誌広告として掲載されたことです。これをきっかけに、ハドソンソフトには全国からのソフト通販依頼が舞い込み、日々現金書留の封筒が大量に届くようになりました。その話を聞いて“自分のところでも”となった会社が数多くあったと思います。そのうちの一つが九十九電機で、1980年前後から大量のソフトを自社ショップで販売するだけでなく、雑誌広告を出しての通信販売も行っていました。そんな時代に発売されたソフトの1本が、今回取り上げた『竹取物語』です。

ゲームのロードが終わって“RUN”すると、簡単な操作説明が行われます。しかし、ストーリーなどの説明は一切ないので、おじいさんがなぜ竹を刈るのか、という目的は不明なままゲームを始めなければなりません(笑)。

 この時代は少数精鋭で攻めるのではなく、ボリュームが小~中程度のソフトを大量に発売する、というやり方が主流でした。内容も、まだRPGやアドベンチャーといったジャンルが誕生する前なので、アクションやシューティング、テーブルゲームなどが大多数を占めています。こういったジャンルの作品はボリュームを求めなければ、それほど時間をかけずに作れたというのも大きいかもしれません。また、アイデアはアーケードゲームから拝借して、それを手元のマイコンで可能な限り再現する、といったゲームも人気でした。

ゲーム画面は、地面の黄色以外は緑1色で構成されています。竹林なので竹は緑でわかるのですが、おじいさんまで緑にしなくても……と思ったり思わなかったり。

 そんな時代に誕生した『竹取物語』は、今でこそタイトルからはアドベンチャーものを想像してしまいますが、そのジャンルが生まれるのはもう少し先で、本作はアクションゲームでした。この頃はまだ、スピードを求めるシューティングゲームでもBASICオンリーで作られているものも珍しくはなく、そのため全体の速度が“もっさり”していてガッカリすることも少なくなかったです。

 しかし、『竹取物語』は一部にマシン語(機械語)を使っていたためか、主な処理はBASICで行われていたものの、ゲーム全体のスピードはそれほど遅くなかったのが特徴でした。この時期は、パッケージに書かれた使用言語の部分やロード方法の箇所に“BASIC+機械語”や“使用言語:マシン語”とあるだけで、期待値が上がったものです。

ハズレの竹を刈ると、UFOが出現します。その後上空を漂っているのですが、UFOの真下を通ると高い確率でレーザー光線を撃たれた後にトラクタービームで追い打ちをかけられ、抹殺されてしまいます。ゲーム中、緑以外の色を見るのは、このトラクタービームのみでした。

 プレイヤーは、竹取の翁(おじいさん)を操作して、画面内にある7本の竹をすべて刈り取るのが目的となります。1980年前後のカセットテープパッケージを採用していたソフトの特徴として、ストーリーは特にもうけられていなかったり、マニュアルも付属していない作品が多かったというのがありました。ルールの説明も、ゲーム開始直後に少しだけ表示されて、はいオシマイというのも珍しくありません。『竹取物語』もご多分に漏れず、実際にゲームが始まるまではどのような内容なのかさっぱりわかりませんが、当時はそれを自然体で受け入れてました(笑)。

 内容としては、アーケードゲームとして稼働していた『与作』のコンパクトバージョンのような感じで、AとSでおじいさんを左右に移動させ、Lで竹を刈ります。7本のうち6本は普通に伐採できるのですが、ハズレの1本を切ると中からかぐや姫が見つかる……のではなく、なぜかは不明ですが“ウラメシヤ”と表示しながらUFOが飛び出すのでした。

 一度出現すると上空に浮かび、左右へと移動し始めるのですが、おじいさんが真下に来ると必殺のレーザービームを放って攻撃してくるのです。これから逃げるすべはなく、当たったおじいさんは“グェ”と断末魔をあげるのですが、さらに追い打ちとしてトラクタービーム(?)を撃ってきて、哀れおじいさんは死亡してしまうのでした。

すべての竹を刈り尽くせばクリアとなり、何事もなかったかのように次の面へと進みます。制限時間は延びないので、数面進むのがやっとです。

 竹は左右のどちらからでも刈ることができるので、それを考慮に入れて端から順番に切っていけば、UFOに襲われる危険を最小限に抑えることができます。こうして、用意された制限時間内にどれだけの竹を刈れるかを競うゲームでした。

 なぜ竹を切るとUFOが出現するのか?なぜUFOはおじいさんを執拗なまでに殺そうとするのか?竹を伐採していった最後にはなにか予定されていたのか?と、様々な疑問が脳内をよぎったので、ぜひ作者の方は名乗りを上げてこれらを説明していただけると幸いです(笑)。

ゲームオーバーになると「TRY AGAIN?」と聞かれますが、ここでNを入力すると制作者の名前と操作方法が書かれた部分のリストが表示されるようになっていました。作者の方の名前を検索してもわからなかったので、心当たりの方は是非ご一報ください(笑)。

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