ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

あの「グラディウス」が、ついにPC-8801mkIISRシリーズに移植された!が……

「グラディウス」のパッケージと言えばコレ、というビックバイパーが描かれた1本です。表面はイラストのみですが、裏面を見ると実際の画面が印刷されています

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、MSX版やX68000版ではない、PC-8801mkIISR版「グラディウス」を取り上げます。

 1985年、アーケードで鮮烈なデビューを果たした「グラディウス」は、その美しいグラフィックとBGM、斬新なシステムで瞬く間に大勢のプレイヤーを虜にしました。その1年後、MSX版に続いて発売されたのが、PC-8801mkIISR版/X1版の「グラディウス」です。筆者が購入したのはPC-8801mkIISR版でしたが、あの「グラディウス」が自宅で遊べるなんて! とワクワクしながら帰宅したのを覚えています。

当時の広告を見てみると“ついにPCモニターに登場”とあります。それだけ、当時のパソコンへの移植が望まれていた、ということがうかがえます

 操作方法はアーケード版と若干異なり、ショットとミサイルが同じボタンに割り当てられています。また、パワーアップもオプションが2つまでだったり、シールドは画面前方から飛んでくるのではなくパワーアップと同時に装着されるようになっていました。さらに、通常弾の弾速が非常に早い、レーザーも青ではなく白のライン、しかも撃ち始めは短いものの画面奥に行くにしたがって少しずつ長くなるなど、若干変わった仕様を採用しています。プレイ画面の周囲に額縁のような枠があるのも、当時は理由が分かりませんでした。画面写真を見ると分かるように全体的な色使いも寂しい感じですが、ハードの特性を考えるとやむを得ない……といったところでしょう。初プレイでは“これがあの「グラディウス」なの!?”とボヤいたものですが、今遊んでみると“開発陣も苦労しているなぁ”という部分を感じ取ることができると思います。

道中には、火山の穴の空いた部分を通ると得点が追加されたり、特定の面にはエキストラステージへの入り口が隠されているなどのギミックが仕掛けられていま
2面は縦スクロールしないので、アーケード版ほど難しくはありません。ただし、敵弾が滑らかに飛んでこないため、避け損なって被弾する事故には注意です

 当時プレイしたMSX版は“「グラディウス」を遊んでいる!”という感じがしたのですが、こちらは“何となく「グラディウス」を遊んでいるような気がする?”という曖昧な気持ちになるので、良いお値段を出して購入したわりには満足度はあまり高くなかった気がします……。それでも、本作より先に発売されていた某コンシューマゲーム機版よりは面白い! とは思っていたものです(笑)。後にオプションを4つに増やす改造方法などが出回り、それを反映させて遊んだりしましたが、やはりと言うか当然というか、アーケード版を羨ましく思う気持ちが無くなることはありませんでした。

モアイ面も雰囲気は再現されています。イオンリングの数は多くは無いものの、スピードが1速の場合は避けきれずにやられてしまうことも

ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち 連載一覧