ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

マイコンソフトのアーケード移植作品、MSX用『エクセリオン』

カッコイイイラストが描かれたパッケージです。サイズは、カートリッジを2周りほど大きくした感じで、蓋をボタンで留められるようになっています。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、MSX用タイトルとしてマイコンソフトから発売されていた作品『エクセリオン』です。

 1983年にMSX規格が発表されると、その後に続々とMSXパソコンが登場してきます。1983年から、パソコン向けにナムコのアーケードタイトルを移植していたマイコンソフトも、84年からはMSX向けの作品も手がけるようになりました。この時期には、ナムコ以外のタイトルが2本発売されています。1本はアイレムからリリースされていたアーケード版『ムーンパトロール』の移植作品で、もう1本が今回取り上げたジャレコのアーケード版『エクセリオン』を移植したタイトルです。パッケージ裏に記されたストーリーは、以下のようなものでした。

1984年の春頃から、月刊マイコンベーシックマガジン誌などに広告が掲載されるようになりました。『ワープ&ワープ』や『キング&バルーン』など、MSXオンリーのタイトルも見受けられます。

 宇宙世記2991年、青銀河CP17ゼニスの第6惑星エクセリオンは、かつて友好関係にあった第7惑星ゾルニの奇襲攻撃を受けた。ゾルニ軍壊滅のため、エクセリオン軍の新鋭迎撃機ファイターEXはつぎつぎと発進していった……。

慣性がかかる自機を操作して、出現する敵を次々に倒していきます。フワフワした感じは慣れるまで難しく思えますが、ひたすらプレイすれば感覚がつかめるはずです。

 アーケード版の『エクセリオン』は縦画面で、移動すると慣性がかかる自機を操作し、弾数無限で画面内に1発しか撃てないデュアルビームと、連射が出来るものの弾数制限があるシングルビームを使い分けて敵を倒していくゲームです。MSX版も内容は同じですが、アーケード版が縦画面だったのに対してMSX版は横長画面の右側部分をスコア領域などに使用し、自機が動き回れる戦闘フィールドはほぼ四角となっていました。『エクセリオン』の特徴と言える慣性もある程度は反映されていますが、アーケード版ほどは働きません。そのため、MSX版のほうが遊びやすくなっていると言えるでしょう。また、デュアルビームの射速がアーケード版より早いことにくわえて、画面が縦長ではないため弾が画面外に消えるのが早く、シングルビームに頼らなくてもサクサクと敵を倒せるのも良いところです。

敵が一列に並んで出現した時は、シングルビームでサクサク倒せるのが気持ちいい!

 当時であれば“移植度はどの程度なのか?”という話が必ず出てきて、“完全移植にはほど遠いからダメだ!”という人もいたかもしれません。しかし現在プレイしてみると、この遊びやすさがアーケード版よりも『エクセリオン』を身近なものにしていると感じられました。

 惜しいのは、アーケード版ではサラマンダーなどの大きな敵キャラが登場するのですが、MSX版では他の敵と同じ大きさになっているところです。弾を当てると真っ二つになったりする様はプレイ中にスカッとする場面なのですが、当時は再現が難しかったのでしょう。

敵がばらけて出現した時は、シングルビームとダブルビームの両方を撃って狙うと、意外と早く倒せます。

 オリジナル版が1983年の作品ということで、ゲームが進んでも展開があまり変わらないため、今となっては若干飽きやすいという面もあるように思えるかもしれませんが、突き詰めたプレイをしていけば違った面白さを感じ取れるかと思います。こんなご時世の今だからこそ、99面クリアにチャレンジしたり、スコアの上限となるカウンターストップまでやりこむ、というのも楽しいかもしれません。

 ちなみに、MSX版だけのオリジナル続編として翌年、『エクセリオンII ゾルニ』も発売されています。

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