ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

あの名作シリーズの3作目『ウィザードリィ #3 - Legacy of Llylgamyn』

前作ではシルバーのパッケージを採用していましたが、今回は1作目と同じく黒いパッケージになっています

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、名作「ウィザードリィ」シリーズの3作目となる『ウィザードリィ #3』です。発売は1987年。

 大勢の中毒者を出した名作『ウィザードリィ #1(以下#1)』、そのキャラクターデータを転送してプレイする『ウィザードリィ #2(以下#2)』は、いずれも大ヒットしました。

 ただし、#2はいわゆる“強くてニューゲーム”のような立ち位置であったことと、#1で強烈にキャラクターを育ててしまうとバランスが崩れてしまうため、そういう意味では欲求不満を感じたユーザーも多かったようでした。

『ウィザードリィ #3 - Legacy of Llylgamyn』のタイトル画面

 そこに登場したのが、シリーズ3作目となる『ウィザードリィ #3 - Legacy of Llylgamyn(以下#3)』でした。今作は#1や#2からキャラクターを転送してくるもののレベルは1に戻されてしまうため、序盤は#1のような緊張感を強いられる戦いを繰り広げることになります。なお、パッケージ裏に書かれたストーリーは、次のようになっていました。

これは、同梱されているマニュアルです。後に「グニルダ」は「ニルダ」に、「ル・ケブレス」も「エル’ケブレス」とされましたが、本作の時点では「グニルダ」であり「ル・ケブレス」であるので、記事もそれに習いそのまま使用しています

 『杖の守護と、冒険を成し遂げた勇敢な者達の賢明な指導のもと、リルガミンの王国は栄華を極めた。しかし、何年かすると巷には、自然災害の噂があふれかえった。そして、アルビシアの植民島の周りの海が突然荒れ狂って島を飲み込み破壊し尽くし、激しい地震がリルガミンのグニルダの寺院を破壊する。この事態を解決する唯一の望みは、神秘の宝珠を得て、災害の真の理由を知るしかないと考えたリルガミンの賢者たち。その神秘の宝珠は、ル・ケブレスという名の龍によって守られている。彼らは、英雄の子孫である君を呼び出した。受け継いだ先人の力と技でル・ケブレスを捜し出し、宝珠を勝ち取るために……』

リルガミンの街でパーティを揃えたところです。この地味に見える画面が、脳内では賑やかな町並みになっていたものでした

 プレイヤーは#1または#2のディスクからキャラクターを転生しなければならないため、本作をプレイするには#1が必須となります。転生したキャラクターはレベルが1、HPは8となるため、再び鍛えなければなりません。もちろん、これまで身につけていた豪華な装備品も無くなり、丸裸にされてしまいます。

戦闘はお馴染みの、コマンド入力式です。最後にリターンキーを押すとバトルスタートとなり、逐一実況が文字で表示されます。忍者が首をはねた相手は、どんなにHPが高くても一撃死です

 さらに、#1とは違い各所に仕掛けられた謎、属性ごとに入れるかどうかが決まっているフロアなど、これまで以上の難関がプレイヤーを待ち受けます。その属性別フロアも、一度上の階に辿り付いてから降りてこなければ入れない場所などもあるため、マッピングには苦労させられました。呪文は#1や#2と同じですが、装備品は半分以上が新しくなったほか、シリーズを通して愛されてきたMURAMASA BLADEやSHURIKENS、GARB of LORDSなどは姿を消すことに……。

宝箱を調べるときと開ける瞬間の緊張感は、シリーズを通して変わらないところです。スペルミスでもワナは作動してしまうので、慎重な入力が要求されます。なお、呪文は頭の数文字を入力してリターンを押すと残りを補完してくれますが、ワナはそういうわけにはいきません。もちろん、ワナの選択肢というヌルい仕様もありません(笑)

 今作での目的はストーリーにあるように、6階層からなるダンジョンを探索し、そこでル・ケブレスと出会い、最終的にORB OF EARITHINを城へと持ち帰ることとなります。また、ダンジョンは従来の地下へと進むものではなく、上へと探索する形になりました。バランスも#1と比べると少々厳しくなっているため、#3を一度クリアしたところで「やっぱり#1が面白い」ということで戻る人も、当時何人か見かけました。特に、#1におけるマーフィーズゴーストのような、多くの経験値を落としてくれる手頃なモンスターがあまり見あたらないという点が、本作の人気を少しながらも下げているのかもしれません。ただし、新たに増えたアイテムは個性的で、これらを集める楽しみというものが#3にはありました。

ダンジョン内は、善悪それぞれのパーティしか入れないフロアが用意されています。ただし、裏技を使えば専用パーティを用意せずとも攻略が可能でした。このパーティはGOODとEVILの混合編成ですが、問題無くGOOD専用フロアの2階に侵入できています

 「ウィザードリィ」シリーズは#3で一つの区切りを迎え、4作目はワードナが主人公になるという異色の作品に、そして5作目は見た目は変わらないものの、呪文の種類が大幅に追加され20×20に収まらないマップが採用されるなど、大きな変化を迎えることとなります。

当時の広告では、1987年6月26日に発売との文字が大きく表示されていました。対応機種が豊富なので、いわゆる御三家ハードのどれかを持っていれば、発売日に遊ぶことができました

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