ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

スターアーサーの冒険、再び! T&E SOFTの「暗黒星雲」

『惑星メフィウス』と同じく、当時としては珍しい大きなパッケージに入っています。中にはテープが3本収められていて、本作のボリュームの大きさがうかがえます

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、「スターアーサー伝説」3部作シリーズの第2弾『暗黒星雲』を取り上げました。

 1983年に『惑星メフィウス』がヒットし、PC-6001シリーズ向けタイトルや『3Dゴルフシミュレーション』『プレイボーイ』などが代表作だったT&E SOFTに、「スターアーサー伝説」シリーズという新たな看板タイトルが加わります。そして、その2作目となる『暗黒星雲』が、1983年末から84年にかけてリリースされました。

“解き明かされるジャミルの正体とスターアーサーの過去……”とあるように、最後には意外なストーリーが展開されていきます。同時期には、MSX用タイトルが3本発売されたのもわかります

 今作でもプレイヤーはスターアーサーとして、レイソードの力を引き出すための冒険をすることになります。操作方法はコマンド入力式ですが、使用頻度の高い動詞は最初からファンクションキーに登録されているほか、前作『惑星メフィウス』と同じく動詞を入力後、画面中央に表示される“+”をカーソルキーで移動させ対象物を選ぶ方式のため、名詞で困ることがほとんどないのが特徴でしょう。また、前作では“遅い”と感じられた描画速度も、本作ではかなりの改善が見られ、そこまでストレスが溜まるほどではありませんでした。

動詞を入力すると、画面中央に“+”のカーソルが現れます。これをカーソルキーで移動し、対象物に重なったらリターンキーを押すとコマンドが実行されます
ゲーム中には、随所に簡易なアニメーション処理が導入されています。このシーンでは、正面のドアが左右に開きます

 ただし、間違ったコマンドを入力してしまうと取り消しができないので、例えば宇宙船の中でファンクションキーのPF6“ウツ”を押してしまうと、変な所を撃って即ゲームーオーバーになってしまうという危険もありました。また、“シラベル”がほとんど反応しないため、とりあえず何でも取得するという作業を行うのですが、取るだけでゲームオーバーになる爆弾があったり、本物ではなく偽物を手に入れてしまうというワナも用意されているなど、意地の悪さもなかなかでした(笑)。

これがリアルタイムスペースファイトシーンです。今見るとたいしたことはないですが、当時は驚いたものです。敵弾を2発避け、その後に近づいてきた時を狙い照準を合わせて撃てば簡単に倒せます
戦闘に勝利して、船とドッキングすれば彼女を助け出すことができます。名前はルナで、レイソードやジャミルのことを色々と知っているようです

 プレイしたFM-7用のテープ版では、テープ1→テープ2→テープ3と数字の番号通りに進行していくため、宇宙空間を順番にワープして物語を進めていくようになっています。それに対してフロッピーディスク版では、宇宙空間のシーンを自由にワープで行き来しつつ、仲間やアイテムを集めるという仕様になっているため、よりSFチックな雰囲気を感じ取ることができました。

 当時としては、SF映画のような壮大なストーリー性と美しいグラフィックなどが先鋭的だった「スターアーサー伝説」シリーズ、機会があればぜひ遊んでみてください。

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