ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

家族4人+1匹でドラゴンに立ち向かう『ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー』

パッケージには主役のウォーゼン一家のうち、戦いに出るキャラクターたちが描かれています。マニュアルに描かれているキャラとは、あまり似ていなかったりします

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、日本ファルコムの「ドラゴンスレイヤー」シリーズ第4作目となる『ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー』のMSX2版です。発売は1987年。

パッケージと同じイラストが使用された広告では、7月10日新発売と書かれていました

 初代『ドラゴンスレイヤー』から始まるドラゴンスレイヤーシリーズは、初代の後に『ザナドゥ』、『ロマンシア』とリリースされてきました。その第4弾となる作品が1987年7月10日に登場したアクションゲーム『ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー』です。

 広告で、「ファルコム初のMSX2完全オリジナル新作」と銘打たれた本作ですが、当時パソコン向けにリリースされたのはMSX2、MSXのみで、珍しいことにNEC、シャープ、富士通のパソコンには移植されることはありませんでした(このほか、ファミコン版がナムコから発売)。

 「ドラゴンスレイヤー」シリーズということで、もちろん本題はドラゴン討伐となるのですが、そこへ至るストーリーがマニュアルに書かれていました。それを、かいつまんで紹介しましょう。

 遠い昔、森の片隅にキコリの一家が住んでいました。そこでは、おばあさんが孫に話をしています。「その昔、乱暴なドラゴンが村人を苦しめていましたが、北の国からやって来た一人の魔法使いがドラゴンを壁画の中に封じ込め、地中不覚に埋めたのです。その魔法使いとは、お前たちのひいおじいさんなのです」と。そのとき、ペットのポチが何かをくわえて入ってきました。それは、地中深くに埋められているはずのドラゴン・ディルギオスのウロコだったのです。それを見たお父さんとお母さんは、地下ダンジョンへ向かう準備を始めます。彼らの本当の仕事は、復活したドラゴンを倒すことでした。そんな二人を心配する子供たちに、お父さんはドラゴンを倒すことができる、4つの隠された宝冠によって守られたドラゴンスレイヤーの存在を教えます。すると子供たちは、宝冠探しなら手伝えるからと協力を申し出ました。一家のドラゴンを倒す旅が、今始まります。

タイトル画面では、家族の紹介が行われます。ゲームを始めると一家団欒のシーンにチェンジし、ここで冒険に出かけるキャラクターを選択します。グラフィックは非常に美しく、また雰囲気にマッチしたBGMも耳に心地よく流れてきます。マニュアルによると、楽曲を担当したのは古代祐三さんと石川三恵子さんと書かれていました

 プレイヤーは父親のゼムン、母親のメイア、息子のロイアス、娘のリルル、ペットのポチという4人と1匹を操作し、地下ダンジョンのどこかに隠されている4つの宝冠を見つけ、さらにはドラゴンスレイヤーを探し出してディルギオスを倒すのが目的です。

 ダンジョンは、途中からはロイアス以外の4キャラクターに対応した作りになっていて、適したキャラでなければ難易度が上がったりクリア出来ない仕掛けが用意されていました。4人と1匹はジャンプ力や攻撃力、武器のリーチなどが異なるので、その特長を見極めて適していると思われるダンジョンを攻略していくことになります。

ダンジョン内には、数多くの敵がうろついています。1発から数発攻撃を当てれば倒せて、宝箱を残すことも。倒した敵は、一定時間が経過すると復活します

 ダンジョン内には敵がうろついていて、接触するとダメージを受けてしまいます。また重力があり、高い場所から落ちてもHPを減らしてしまうほか、地形的なワナもありました。ただし、敵を倒した際にはアイテムや宝箱が出現することがあり、それを回収することでHPやその他パラメータが回復するといった仕組みになっています。

 全体マップは16×16画面+αで構成されていて、各画面は端の少し手前まで進むと隣の画面に切り替わって表示されます。この迷宮内をアクションを駆使して駆け巡るのですが、一部はパズルのような構成になっていて、正しい手順で岩を動かさないと先へ進めなかったりするため頭を悩ませました。

これが、ディルギオスの壁画です。ここから先は、迷宮に適したキャラで攻略していきます

 迷宮内には、HPを回復するINNとアイテムを扱うSHOPがあるのですが、HPが0になるとゲームオーバーで、最初からまたは最後に自宅に戻ったタイミングからやり直しに……。なお、途中で自宅に戻ればジーラおばあちゃんからパスワードを聞くことができ、これを次回ゲーム起動時にドウエルおじいちゃんへ伝える(入力する)と、続きがプレイ出来ました。

 数十分でクリア出来るような長さではなく、また悩むシーンも多かったため、当時は必死にメモして毎日繰り返しトライしていました。当時、パスワードを記したメモ帳を探したのですが、見つからなかったのが残念です。

 ちなみに、本作が発売される1ヶ月前の6月21日にはPC-8801mkIISR用の『イース』が発売されていて、この時期はファルコム怒濤の快進撃という印象がありました。

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