ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

4人の勇者がフォーメーションを組んで敵の城へと乗り込む『キングスナイト』

パッケージイラストは横配置になっていて、主人公の一人であるナイトのレイジャックがクレア姫と共に描かれていました。裏面には、画面写真が1枚と、必要メモリ量や当時のスクウェアの住所などが書かれています。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、『ブラスティー』や『アルファ』などでお馴染みのスクウェアが1986年10月31日に発売したフォーメーションRPG『キングスナイト』を取り上げました。

最初の広告には、10月31日発売と書かれていました。発売後は、コンティニューモードの説明が詳細に書かれたバージョンに切り替わっていますが、これはコンティニュー方法がマニュアルに掲載されてないためだと思われます。

 パソコンの世界では、1984年に最初のタイトル『ザ・デストラップ』を、翌年85年には『WILL』とリリースしてきたスクウェアが、1986年に『アルファ』『クルーズチェイサーブラスティー』に続くタイトルとして発売したのが、MSX向け作品の『キングスナイト』です。パッケージには“フォーメーションRPG!”と書かれていますが、どちらかといえばコナミの『魔城伝説』に近いアクションシューティングゲームでした。ストーリーとしては、以下のものが用意されています。

 古代マラルリには長い間、語り継がれている光と闇の伝説があった。それは、勇者の伝説とも呼ばれている。世界は現在・過去・未来の時を成す3本の剣によりバランスを保っていて、それらを有するものが古より世の覇者となると……。その剣は現在、イザンデ王国を支配するドラゴンが所有していたが、隣国オルセア王国のクレア姫がイザンデ王国の古城に捕らわれてしまう事態がおきる。この難を救うには、冷静沈着であらゆる魔法をこなす老魔術師(ウィザード)カリバ、気は優しくて力持ちの一角獣(モンスター)バルーサ、ナイフ投げの名手で生意気な小泥棒(スイーフ)トビー、そして四勇士の核となる剣さばき鮮やかな少年騎士(ナイト)レイジャック、4人の勇士の力が必要だ。彼らはそれぞれの里を旅立ち、クレア姫を救うべく蒼きドラゴンの居城で出会う……。勇士達はドラゴンの魔の手からクレア姫を救い出し、美しきオルセア王国に平和を取り戻すことができるだろうか。あの“勇士の伝説-キングスナイト-”が、いまキミの目の前で甦る。

ゲーム開始時には、キーボードでプレイするのかジョイスティックを使用するのかが表示され、ここで操作方法を選ぶことになります。ほかのゲームではなかなか見られない、ユニークなものでした。また、いずれかのキャラがステージをクリアしていれば、ゲームオーバー後のタイトル画面でGRAPHキーを押すことでコンティニュー画面に入れました。

 プレイヤーはステージ1はレイジャック、ステージ2はカリバ、ステージ3はバルーサ、ステージ4ではトビーを操作し、まずはそれぞれでクリアを目指します。各主人公の武器はスペースキーまたはAボタンで発射できるショットのみで、GRAPHまたはBボタンで発動できる魔法は、最終面のみ有効でした。ショットは、ステージにある障害物などほとんどのオブジェクトを破壊することができるので、ひたすら連射あるのみ。連射装置付きのパッド、またはHB-F1シリーズのような連射装置がある本体を使えば、かなり楽にゲームを進めることができます。

 地形などを破壊すると各種アイテムが出現することがあるのですが、それらのうち移動速度と攻撃力、防御力、ジャンプ力がそれぞれアップするアイテムが各4つずつ隠されているほか、最終面で必要となる魔法発動のためのアイテム4種類のうちの、レイジャックが使用するものを回収しなければ、クリアすることはできません。ステージは地上だけでなく、階段のアイテムに触れると移動できる地下も用意されています。そこにもクリアするのに必要となるアイテムが隠されているので、見逃さずに行く必要がありました。

ステージ1から4までは、このような感じです。後のステージほど難易度が上がっていると思われますが、プレイしてみて一番難しいのはステージ2かもしれません。

 クリア必須アイテムが不足していたり勇士の誰かが欠けていても、1人でもステージをクリアしていれば最終面をプレイすることはできるのですが、途中で先に進めなくなり否応なしにゲームオーバーとなります。そのため、まずは最初の4ステージをパワーアップアイテムを全部揃えてクリアすることが大事でした。誰かがステージをクリアできていなかったり、または魔法のアイテムを取り忘れていた場合などは、ゲームオーバー後のタイトル画面でGRAPHキーを押せばプレイしたい主人公を選んでコンティニューすることができます。この方法で、再び必須アイテムを集めましょう。

道中には、このような感じでたくさんのアイテムが出現します。その中にある、各種ステータスアップアイテムは、確実に回収しておきましょう。↓は、取るとHPが減ります。1つや2つなら何とかリカバリが効きますが、それ以上取ってしまうとピンチに!

 ステージ5のドラゴンの居城では、2人以上いればフォーメーションを組んで戦うことになります。地面に置かれているフォーメーションチェンジアイテムを取ると、右回りや左回り、またはランダムでフォーメーションが回転し、先頭のキャラクターが入れ替わりました。この際、ステージ1から4で各魔法のアイテムをすべて回収していれば、GRAPHキーを押すことで先頭のキャラクターに割り当てられた勇者の魔法が発動されます。特に、レイジャックが先頭時に使えるモノリスの壁を崩せるバルバスは、発動できなければ必ずゲームオーバーになるので、それまでは先頭をレイジャックにしてくようにフォーメーションアイテムを取って調整する必要がありました。

各ステージは、地下にも存在します。ここにも重要なアイテムがあるので、必ず行かなければなりません。

 こうして進みながら、道中で見つかるストーリーにあった3本の剣をゲットし、最深部で待ち構えるドラゴンを倒すことができれば、無事にエンディングを迎えることとなります。アイテムの回収漏れさえなければ、正味20分から30分程度で最後までたどり着けるので、当時としては簡単な部類に入るかもしれません。とはいえ、それは連射装置があってのことで、本作を手動連射でプレイすると非常につらい思いをすること間違いナシです。

 似たようなゲームである『魔城伝説』と比べると、主人公やショット、敵の動きなどがガタガタなのが目立ちますが、サクッと遊ぶにはお手軽なタイトルでした。裸のカートリッジ状態であれば入手難易度はそれほど高くないので、ぜひ一度遊んでみてください。

最終ステージは、破壊できない壁の部分でレイジャックを先頭にして魔法を発動させなければなりません。それ以外の部分では、魔法を使うと楽にクリアできる程度なのでなんとかなります。ステージ最後までたどり着ければ、そこにはドラゴンの姿が……。

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