ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

“大戦略”のソフトハウスがリリースした意外なアクションゲーム『冒険浪漫』

シンプルかつシックなパッケージとなっています。裏面にはストーリーが書かれていますが、画面写真がどこにも見あたらないので、パッケージ買いするには勇気が必要でした。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、システムソフトから1986年に発売されたアクションゲーム『冒険浪漫』を取り上げます。

 当時のシステムソフトと言えば、看板タイトルである『大戦略』シリーズが有名でしたが、その間を縫うようにしてシミュレーションでは無いゲームも発売していました。今回取り上げた『冒険浪漫』も、そんなタイトルのうちの一つです。硬派なゲームをリリースしているシステムソフトとしては珍しい部類に入る、コミカルタッチの難易度低めなアクションとなっています。本作には、以下のようなバックグラウンドが用意されていました。

 --主人公ドタの父親はバイオ科学者だったが、科学的なバイオテクノロジーの研究に行き詰まってしまう。そのとき、偶然にも禁断の古文書を発見し、科学とその秘法の助けを借りて新生命を創り出そうとする。だがその古文書に書かれていたのは、かつて地球に君臨した支配者トルゥーダが地球上の生物に自らの遺伝子を組み込み、地獄を再現するために書き残した呪われた秘法だった。結果、町は蘇ったバイオモンスターに占領され、ドタの両親と愛する恋人はバイオ怪物化され監禁されてしまう。助けるには4匹のトルゥーダ怪物を倒し、モンスターから人への逆秘法を探り出すしかない。

渋いタイトル画面ですが、中身はパステルタッチのキャラクターたちが描かれる、ポップな感じのアクションゲームになっています。
大きく取り上げた広告が見つからなかったので、小さめのバージョンを掲載しています。

 見た目とは裏腹に深刻なストーリーが用意されている本作は、主人公のドタを操作して4匹のトルゥーダ怪物を倒し、家族と恋人を助けるのが目的となっています。ドタはテンキーで移動できるほか、シフトキーでジャンプ、スペースキーで弾が撃てます。

敵を倒すとアイテムを落とすこともあるので、余裕があれば全滅させるのも手です。水中に入るには、水中眼鏡をどこかで装備してくる必要があります。

 ただし、最初は丸腰のため、ステージ内のあちこちでアイテムを拾い集めなければなりません。武器には弾数制限があり、弾を使い切ると別の武器に取り替えるか、“E”と書かれたアイテムを消費して残弾チャージしなければ攻撃ができなくなります。ドタの体力も、0になると薬のように見えるカプセルを消費して回復するため、カプセルを所持していなければゲームオーバーです。

 ただし、ダンジョン内にあるアイテムは画面を切り換えても消えず、さらに倒した敵は二度と復活しないため、限られたアイテムを有効活用しつつ最小限の敵だけを倒して進むという戦略が必要になります。

レーザーガンは、かなり使える武器です。1面では、これをとってしまえばボス戦に向かっても良いくらい。ダイヤモンドは、10個目を取るとカプセルが9になる便利アイテムです。
これが、1面のボスです。周りにいる雑魚を撃ち、移動速度を遅くしてから戦うのもヨシ、雑魚には目もくれずボスに集中攻撃を与えて倒すのもありです。

 実際にプレイしてみると最初はもっさりとした動きに違和感を憶えますが、プレイし続け戦略の重要さに気づくと、このスピードが最適なのが分かってきます。アクションなので途中セーブがないため、緊張感を伴ったプレイが楽しめるのも良い点ではないでしょうか。全体的な難易度は低めで、アイテムをむやみやたらに取らなければそう難しくはないと思います。現在はプロジェクトEGGにて配信が行われていますので、機会があれば遊んでみてください。

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