ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

雑誌でも大絶賛!MSX初の本格派ラリー『コナミ・ハイパーラリー』

パッケージは、この時期のコナミソフトお馴染みの、紙パッケージにプラスチックボックスがスライドして収められたものになっています。描かれたイラストも、ゲームの雰囲気にピッタリとマッチしていました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、1985年にMSXオリジナルソフトとして発売された『コナミ・ハイパーラリー』を取り上げました。

 1983年にMSX(1)規格が発表されると、翌年にかけて数多くのハードとソフトがリリースされます。そんな中で頭角を現してきたソフトハウスの1社がコナミ(当時)で、『けっきょく南極大冒険』をはじめとした名作を次々と世に送り出していました。そんな同社がMSX初の本格派ラリーゲームとして登場させたのが、今回取り上げた『コナミ・ハイパーラリー』です。パッケージ裏には「世界ラリー選手権最終戦。魅力あふれる13の「自然(ルビ:ステージ)」への限りなき挑戦。君よ走れ。今、地球と戦うラリーの世界。」というキャッチと共に、画面写真が掲載されていました。マニュアルには、ストーリーっぽい記述も掲載されていました。

発売前は「友だちいっぱいソフトがいっぱい」、発売直後は「全国一斉ピカピカロードショー」というキャッチで広告を展開していました。

 世界ラリー選手権(WRC)。第1戦のモンテカルロ・ラリーを皮切りに、世界各地で「人間」と「自然」との熱い戦いがくりひろげられる。WRCが最初に開催されたのは、1973年で比較的新しい。しかし近代国際ラリーの歴史は古く、19世紀末には、ラリーの起源がすでに見られ、近代国際ラリーシリーズ戦は、1953年以来30年余の歴史を持っている。

 1985年7月。今までのWRC12戦に新たに「コナミ・ハイパーラリー」がフィナーレを飾る最終戦に加えられた。ステージは全部で13カ所設けられており、すべてがパワフルなスペシャルステージである。このラリーが他のラリーと異なるのは、ステージが世界各国の魅力あふれる自然の中に設けられていることである。従ってコース完走のためには、「人間」と「マシン」共に磨き抜かれた技術と忍耐力が必要となってくる。

 「人間」と「機械」とが一体となって美しくも厳しい「自然」に挑戦するラリーは、スポーツのあらゆる魅力を満載したスポーツだ。ライバルをかわし、自然を越えろ。君の「技」と「力」は、地球を震撼させるか。

タイトル画面は非常にシンプルで、ここでスペースキーを押すとゲームスタートとなります。走り出す前からスペースキーを押しておけば、出遅れることもありません。

 プレイヤーはラリーカーを操作して、時には自然豊かな、時には暗闇の中となる13のコース走破を目指します。自車には燃料が搭載されていて、途中で尽きるとゲームオーバーになってしまうものの、各ステージごとに設けられた規定通過順位以内で通過できれば無事にクリアとなり、燃料も補給されて次のステージへとチャレンジできました。車の操作方法はシンプルで、カーソルキーの左右でハンドル、スペースキーを押すとアクセルで離すとエンジンブレーキ、カーソルキーの上を押せばブレーキがかかるようになっています。

 くわえて、ローギアとハイギアの設定も用意されているのですが、良くあるパターンの“一定速度以上でキーを押すとギアが変わる”というものではなく、ある程度まで速度が上がったところで一度スペースキーを離し、再び押すとギアがローからハイに変わる、という方式を採用していました。

ライバル車が、このような感じで並んでいるときは要注意です。抜かすときに接触する危険性があるので、片方の車を画面外に消してから追い越しをかけるのが確実でしょう。特に、氷のステージでは自車の挙動を制御するのが難しくなりますので、これまで以上の運転テクニックが問われます。

 マニュアル車を乗ったことがある人ならばわかると思いますが、ギアをチェンジするときには一度アクセルを戻してクラッチペダルを踏み、その間にギアを変速した後にクラッチペダルを戻して再びアクセルペダルを踏む、という一連の動作を行います。本作ではそこまでの再現性はありませんが、一度踏んでいる(押している)アクセル(スペースキー)を離して再び踏む(押す)という動作でギアチェンジを体感させてくれる様は、それまでのレースゲームではほとんど見られなかったもので、今プレイしてもリアル感を感じさせてくれました。

 ただし、常にアクセル全開で飛ばすと、燃料が途中で尽きてゲームオーバーになりがちです。だからといってノロノロ走っていると、今度は各コースごとに設定された順位に届かなくなり、これまたゲームオーバーの憂き目に。このバランスを上手に取りながら、各コースを制覇していく必要がありました。道中に一切補給ポイントもないため、ちょっとしたクラッシュでクリアできなくなることもあるため、慎重かつ大胆なドライビングテクニックが要求されます。

ステージ2はトンネル内、ステージ5は夜の公道が舞台となります。どちらも真っ暗闇の中を走り抜けるのですが、ステージ2では疾走感を味わえ、ステージ5では遠方に東京タワーらしき景色を眺めながら楽しく走ることができます。

 無事に指定順位以内でゴールできれば、ファンファーレが流れて次のコースへと進むことができました。これを繰り返して、13コースすべてを走破することができればゲームクリアとなります。各コース走破に約3分弱ほどで、全コース走破には単純計算でも35分前後かかるだけでなくコンティニューもできません。クリアまでの時間などを考えると、アーケードゲームを1コインクリアするくらいの緊張感を要求されました。

 本作の素晴らしい点は、なんといってもコースのバリエーションにあります。コース自体は殺風景ですが、遠くに見える風景と空のカラーリングなどが毎コースごとに変化していくため、飽きが来ません。特に、暗かったトンネルを走る2コース目から一転して明るい氷雪源に変わったり、その次のコースでは夕日が落ちてきて雪原を赤く染めるなど、限られた中で非常にインパクトある演出をしていたのが印象的でした。唯一惜しいのはナビゲーションがでないことで、走っていても突然カーブになるため、慣れるまではそのタイミングでライバル車に接触してしまうことも……。

さまざまな景色を見せてくれる各コースは、まさに自然の中を走っている気分に(少しだけ)させてくれました。

 当時のMSXマガジンにレビュー記事が2ページにわたり掲載され、プレイした人たちのほとんどから高評価を得ていた本作は、オークションサイトやフリマアプリなどで見かけることも多いので、実機とセットで入手して遊ぶのも良いかもしれません。全コース制覇は非常に手強いので、我こそはと思った人は是非挑戦してみてください。

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