ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
謎の老婆が登場するMSX2版『悪魔城ドラキュラ』
2024年2月20日 07:05
当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、コナミが発売した記念すべき初のMSX2専用タイトルとなった、名作『悪魔城ドラキュラ』を取り上げました。
1985年にMSX2規格が発表されると、各メーカーからMSX2パソコンが発売されるようになります。MSX(1)と比べてMSX2は表現力が大幅にアップしたこともあり、数多くのソフトハウスがさまざまなタイトルを投入していきました。もちろん、MSXソフト界隈を代表する会社だったコナミも例外ではなく、続々とMSX2専用の作品をリリースすることになります。その第1弾として1986年10月30日に登場したのが、今でも高い人気を誇る『悪魔城ドラキュラ』でした。ストーリーは、以下のようになっています。
ゲルマン民族大移動の衝撃によって古代都市が衰滅した後のヨーロッパでは、一般に12~13世紀に中世都市が成立した。そんな中で、比較的早く、10世紀後半に興ったトランシルバニア国では、いわゆるゲルマン社会の影響を強く受けたゲルマン都市であった。トランシルバニア国には、古くから「英雄クリストファー伝説」なるものが語り伝えられた。百年に一度、邪悪な人々の黒ミサによってこの世に復活するという魔王ドラキュラを古城カルパートの塔に封じ込めた勇者の伝説であった。
魔王ドラキュラがカルパートの塔に封じ込められて百年目にあたる年がやってきた。イースターの夜、天空を暗雲がおおい、雷光が闇を引きさいたその時、悪は復活した。都市は悪霊と邪教徒たちによって荒廃していった。この危機を救うため、英雄クリストファー・ベルモンドの血を受け継ぐ青年シモンは、父の不思議なムチを手に今立ち上がり、悪魔の巣くう古城へと向かった。
プレイヤーは青年シモンを操作して悪魔城へと乗り込み、魔王ドラキュラを倒すのが目的です。シモンにはHPが設定されていて、敵の吐く弾に触れたり敵と接触するとダメージを受けてHPが減り、0になると一人失うことに。プレイヤーの初期設定人数は3人でゲーム中でのエクステンドが皆無なので、非常に慎重な戦いを要求されます。
城内は全部で18のステージに分かれていて、3ステージごとに魔物の部屋があります。各ステージをクリアするには、どこかに隠されたホワイトキーを捜し出し、閉じられている扉を開けなければなりません。城内はちょっとした迷路のような構造になっていて、場所によっては上下や左右が繋がっていたりすることもあるので、脳内地図が苦手な人はマッピングするのが無難でしょう。『悪魔城ドラキュラ』のMSX2版は画面切換方式を採用しているので、方眼紙を使えば簡単にマッピングできます。
通路に飾られている燭台を破壊すると、アイテムが出現することがありました。中でも、最初から装備しているムチよりも強いネメシスの鎖が出てくる可能性があるので、すべて漏らさず壊しておきたいものです。ただし先のステージに進むと、敵であるスライムが現れてダメージを受けることもあるので、一筋縄ではいきません。
城の中には、所々に青い宝箱が置かれています。通路などで見つけられるイエローキーを持っていれば、カギを開けて中身を取り出すことができました。見つけられるアイテムとしては、敵が一定時間出現しない銀の十字架や敵に当たったときのダメージを16回まで半減してくれる盾、ボスを含めた敵を一定時間止める砂時計、敵に投げてダメージを与える聖水、移動速度アップのブーツなどがあります。このうち、砂時計と聖水は使用するごとにハートを5つ消費するので、乱発するとせっかく溜めたハートがあっという間に枯渇する事態になってしまうことも。
このハートは、敵を倒したり壁に掛かっている燭台を破壊する、宝箱を開けることなどでゲット出来ました。探索に際しての時間制限はありませんので、通路で粘ってハートをMAXの99個まで溜めることも可能です。
MSX2版の特徴として、城内の通路や壁の中に出現する謎の老婆の存在があります。この老婆をムチなどの武器を使ってしばくと、最初は白だった色が変化していき、さまざまなメリットやデメリットをもたらしてくれました。なかでも赤色になると、武器や道具をハート数十個と引き替えに提案するのですが、このときにハートのストックが十分であれば、スペースキーを押すと譲ってくれます。いらないものだった場合はシフトキーを押せば、取引はキャンセルとなりました。ある意味、簡易的なショップといえるかもしれません。
こうして城内を探索し、3の倍数となるステージ最後の扉を開けると、強力な魔物が出現する部屋での戦いとなります。相手はトリッキーな攻撃をしてくるだけでなく、HPも高いため倒すには苦労しますが、見事勝利を収める事ができれば次のステージへGO! ただし、それまでに回収したアイテムはハート以外リセットされてしまうので、再び集め直す必要があります。
こうして18エリア・カルパートの塔の奥に潜む魔王ドラキュラを倒すことができれば、ついに真の支配者が出現! 勝つことができれば、トランシルバニアに本当の平和が訪れるのです。筆者は当時クリアしてエンディングを見ているのですが、久しぶりにプレイしてみたところ非常に難しく、ステージ3をクリアするのがやっとという結果に。しかし、シリーズお馴染みの素晴らしいBGMを聞きながら遊べば、今でも盛り上がるというものです。現在はプロジェクトEGGにてプレイすることが可能ですので、ぜひみなさんもドラキュラ退治に勤しんでみてください。
ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち 連載一覧
- デカキャラが衝撃的だった「ザナドゥ」
- RPGが一気に身近なものに感じられた「ハイドライド」
- “スペースキーに重し”がキーワード!? 「夢幻の心臓II」
- PC-8801mkIISRの人気を不動のものにした「テグザー」
- ボクたちの堀井雄二さん作品といえば、コレ!「ポートピア連続殺人事件」
- 誰もが知っている“ボンバーマン”の元となった「爆弾男」
- “ボンドソフト”の名前を一躍有名にした名作「タイムシークレット」
- 日本での初期RPGの代名詞とも言える「ザ・ブラックオニキス」
- MSX用のベストゲームとして挙げる人も多い「グラディウス2」
- コンピュータRPGの原点とも言える「ウィザードリィ シナリオ#1」
- 光栄の歴史シミュレーションシリーズ、その柱となる1本にして今も新作が続く「三國志」
- ザインソフトの名前を広く知らしめた「トリトーン」
- 数多くの機種にハイクオリティな移植を実現したマイコンソフトの「パックマン」
- スクウェアとサンライズがタッグを組んだ「クルーズチェイサー ブラスティー」
- 可愛らしい絵柄とは裏腹に歯ごたえあるアクションゲームだった「メルヘン・ヴェール」
- 全世界で大ヒットを記録した歯ごたえあるアクションパズルゲーム「ロードランナー」
- テレネットの底力がいかんなく発揮されたアクションゲーム「夢幻戦士ヴァリス」
- これぞハードボイルドゲームの傑作といえる1本「マンハッタン・レクイエム ~闇に翔ぶ天使たち~」
- X68000の機能を活かしたアーケードクオリティのアクションゲーム「GENOCIDE」
- シンプルな画面に隠された謎に夢中になった「MYSTERY HOUSE」
- ポニカの強み、版権ものタイトルの1本として登場した「南極物語」
- 今も続く「A列車で行こう」シリーズの元祖がここにある
- 木村明広氏の美麗なビジュアルシーンが印象的なRPG「エメラルドドラゴン」
- シンキングラビットがおくるミステリアドベンチャーの傑作「道化師殺人事件」
- ボーステックから発売された、謎多きゲーム「レリクス」
- 敵をよけつつ岩を運ぶアクションパズルの名作 デービーソフトの「フラッピー」
- 初期アドベンチャーゲームの傑作にして、今も語り継がれる「デゼニランド」
- 巨大なスケールと隠された謎の多さに驚かされた名作第2弾「ハイドライド2」
- シリーズ1作目にして高い完成度を誇った光栄の「信長の野望」
- あの名作シューティングがついにPC-88シリーズにも移植された!「ゼビウス」
- デカキャラとの戦いが3Dアクションで展開された呉ソフトウェア工房の「アルゴー」
- モンスターヒット作があらゆる面でパワーアップして帰ってきた!「ザナドゥ シナリオII」
- 「テグザー」に続く、ゲームアーツの傑作タイトル「シルフィード」
- 中村光一氏の大ヒット作にして、数多くの機種へと移植された名作「ドア・ドア」
- コンテストグランプリを受賞した、シミュレーションRPGの先駆けとも言える「ボコスカウォーズ」
- “集まれ!”“散れ!“の吹き出しがユニークだった「大脱走」
- 「スペシャル」「パンチボール」じゃない元祖「マリオブラザーズ」が、パソコンに移植されていた!
- あの「グラディウス」が、ついにPC-8801mkIISRシリーズに移植された!が……
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- とんでもない難易度は数々の悲喜こもごもな思い出をもたらした「ロマンシア」
- スターアーサーシリーズ3部作はここから始まった「惑星メフィウス」
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- いつまでも耳に残るサウンドが印象的だった珠玉の1本「ボスコニアン」
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- 名作「ウィザードリィ」の2作目が遂に国産パソコンで遊べるように「ウィザードリィ #2 - Knight of Diamonds」
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- コンパクトながらもツボを抑えたリバーヒルソフト初期の秀作ミステリアドベンチャー「手掛りを探せ」
- アーケードゲームライクなシューティングゲームが自宅でプレイ可能になった「ルクソール」
- “アイコンで行動を選ぶ”斬新なシステムに感心した「太陽の神殿 ~ASTEKA II~」
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- 100部屋全部をひっくるめてのパズルゲーム「ザ・キャッスル」
- 人間の心理を突いたマップに悩まされる人が続出したアクションRPG「ゼリアード」
- ミリカの美しいCGに心躍らせた『ザース 人工頭脳オリオンの奪還』
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- 全世界よ、これが日本のアドベンチャー・ゲームだ! コンプティーク『カムイの剣』
- 日本からアメリカまで、ヨットで太平洋を横断するスケールの大きなゲーム『セーリングクルーザー入門 太平洋横断11000km』
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- “大戦略”のソフトハウスがリリースした意外なアクションゲーム『冒険浪漫』
- まさに“前代未聞麻薬的爽快遊技”な傑作『ドラゴンスレイヤー』
- 執刀医ではなく麻酔科医の仕事がゲームになった!? 『Dr.麻酔科医』
- アニメーションするダンジョン、戦闘シーン……すべてが眩しかった ~1984年登場 『リザード』~
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- マイコン初期時代に流行した野球拳の1本、九十九電機の『美少女ひっぱがしゲーム』
- スターアーサー伝説3部作のラストを飾った『テラ4001』
- 基本ゲームシステムはロードランナーと同じ!? 『ファンキーモンキー』
- 描画速度の速さに驚いた日本ファルコムの『デーモンズリング』
- “ハイドライド”の内藤時浩氏による商業デビュー作『コスモミューター』
- 90年代にゲームセンターで見かけた、あのゲームの元祖がここに『キャノンボール』~
- 名プログラマの森田和郎氏が手がけたフルカラースクロールアクションRPG『リグラス』
- 家族4人+1匹でドラゴンに立ち向かう『ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー』
- コンテストで最優秀賞を獲得、マジカル ズゥのアドベンチャー『黄金の墓』
- 幾千通りものシナリオを体験できた『ティル・ナ・ノーグ <ダーナの末裔>』
- 現在も続く「大戦略」シリーズの始まり『現代大戦略』
- 驚くほど滑らかに縦スクロール、名作シューティングゲーム『NOBO』
- PC-8001とは思えない滑らかな動きに驚かされた『FAN FUN』
- マイクロキャビンの名作アドベンチャーゲーム『ミステリーハウス』、その2作品目の難易度は!?
- 飛んでいくボールに合わせてスクロールする画面が斬新だった『アルバトロス』
- アーケード版と遜色ないクオリティで移植された名作『源平討魔伝』
- あまりにもカルト過ぎる問題が一部で話題を呼んだ『試験に出るうる星やつら』
- あの名作シリーズの3作目『ウィザードリィ #3 - Legacy of Llylgamyn』
- 魔城伝説シリーズの第2弾はアクションRPGとして登場! 『魔城伝説II ガリウスの迷宮』
- 当時としては驚くほどリアルなピンボールが遊べた『スーパーピンボール』
- 前作から大幅にパワーアップして舞台は全国に! 『信長の野望 全・国・版』
- 当時の移植作の中では秀逸な出来だったMSX版『グラディウス』
- 「あべしっ!」「ひでぶっ!」あの名台詞がゲーム中にも登場!~1986年発売『北斗の拳』~
- ギルに助け出されたカイがパソコンでも大活躍!『ザ・リターン・オブ・イシター』
- アーケードゲームを中村光一氏が移植、のちに改名されたPC-8001版「スクランブル」
- ザインソフトが手がけた SFハードアクションRPG『未来』
- ファルコムタイトルの中でも、群を抜いてレア度の高い1本『バードランド』
- より戦略性が増した「大戦略II」、生産タイプが増え、同時攻撃や間接攻撃も可能に!
- アドベンチャーゲームに新たな流れをもたらした『は~りぃ ふぉっくす』
- スクウェアの『アルファ』、ほぼ全シーンでアニメーション処理が導入されたADV
- ボクらのマリオ!ハドソンソフトの『マリオブラザーズスペシャル』
- 「Lotus 1-2-3 R2.1J」 あの頃の表計算ソフトと言えば、Microsoft Excelじゃなかった!
- 3機の合体シーンが印象的だった超メカシューティング『ヴォルガード』
- ファルコムのFM-7向け初アドベンチャーゲーム『異次元からの脱出』
- 「死体蹴り」の元祖といえばこのゲーム! 『エグゾアII ウォーロイド』
- 主役はマリオ、でも中身はハドソンオリジナルの「パンチボールマリオブラザーズ」
- みんな使った!日本を代表するワードプロセッサソフト『一太郎Ver3/Ver.4』
- サイバーパンクな雰囲気に飲み込まれ、そしてエンディングに驚かされた『ザ・スクリーマー』
- 歯ごたえたっぷり!全50面のパズルゲームでモグラのツラさを知る!?『モール・モール』
- 『SAVIOR(セイバー)』その滑らかなアニメーションは僕らの心を掴んで離さなかった……
- デジタイザで取り込まれた美しい映像に、心躍らせた作品 ~1984年発売 『英雄伝説サーガ』~
- 剣と魔法と煌めく世界観が眩しいRPGだった『ソーサリアン』
- 超高速ペイントルーチンを採用!エニックスのアドベンチャー『創造神ギャリアンの復活 暗黒城』
- マイコンソフトのアーケード移植作品、MSX用『エクセリオン』
- 全国のパソコン・マイコンユーザーに衝撃を与えた『タイニーゼビウス』
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- 君は序盤の高難易度シーンを超えられたか?エニックスの『エルドラド伝奇』
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- 小松左京氏が原作と監修を担当したアドベンチャー『銀河を救え』
- 工画堂スタジオの本格派SFRPG『コズミックソルジャー』
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- スクウェアの処女作はハードボイルドアドベンチャーだった!『デス・トラップ』
- 主人公が滑らかに動くシステムサコムのアクションゲーム『WOOM』
- 雑誌でも大絶賛!MSX初の本格派ラリー『コナミ・ハイパーラリー』
- 『リザード』の続編が2年越しで登場!『アスピック』
- ダーウィンの進化論が“何となく分かった”気になれる(?)シューティング『ダーウィン4078』
- ロングセラーとなったハドソンソフトの『野球狂』
- ロッキード疑獄を題材にしたアドベンチャー『日本の首領(ドン) 首相の犯罪』
- マシン語使用で抜群のスピード感を提供、ドットイートゲーム『ばぐごん』
- フルーツを食べてジャンプ!ちょっと変わったアクションゲーム『フルーツパーラー』
- マジカル ズゥのコマンド入力式アドベンチャー『続・黄金の墓』
- エニックスの第1回ソフトコンテスト受賞タイトル『宇宙の戦士』
- 正しくない場所にもピースを置けてしまう『ジグソーアドベンチャー』
- 思わずハマってしまうレースゲームMSX版『ロードファイター』
- 思考ルーチンの強さで有名になった『プロフェッショナル麻雀悟空』
- あらゆる場面でユーザーを悩ませた『ラグランジュL-2 PART II D-SIDE』
- ハドソンソフトのアクションゲーム『ゼロファイター』
- 意外と知られていない移植作、ソードm5版『ディグダグ』