ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

魔城伝説シリーズの第2弾はアクションRPGとして登場! 『魔城伝説II ガリウスの迷宮』

かなり“濃い”ポポロンとアフロディテが描かれたパッケージになっています。このまま、洋画のポスターになりそうな感じに思えました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのはコナミがMSX用ソフトとして発売した名作『魔城伝説II ガリウスの迷宮』です。発売は1987年。

 1983年に規格が発表され、その年以降は多数のメーカーからハードが発売されるようになったMSXですが、同時に数多くのソフトハウスも参入してきました。そのうちの一社であるコナミは1986年に、MSX用ソフトとして『魔城伝説~ナイトメア』を発売します。

 そして、その続編となるタイトルが1987年にリリースされた『魔城伝説II ガリウスの迷宮』でした。タイトルに“II”とありますが、ジャンルは『魔城伝説』が縦スクロールシューティングだったところ、今作ではサイドビュー形式のアクションRPGとなっています。

1画面ごとに区切られた城内を探索していき、戦いを有利に進められるようになるアイテムを回収しつつ、各ワールドのボスを捜し出して倒すのが当面の目的です。場所によっては、探索を有利に進められるようになるアイテムを見つけることもあります。

 バックグラウンドストーリーは、以下のようなものでした。

 前作で、悪の大魔王ヒュドノスに掠われたグリーク王国の姫アフロディテを救出するため、正義の騎士ポポロンはアトス山の奥地にある魔城へ向かいました。しかし、それは大魔司教ガリウスの罠だったのです。ポポロンがアフロディテを救出に動いてる間、ガリウスはポポロンが留守のグリーク王国へ侵攻し、グリーク城を魔城にしてしまいました。さらに、数年後にポポロンとアフロディテの間に生まれる幼子、パンパースを天界から掠い、人質として城内に監禁してしまいます。アフロディテと共にグリーク城へと戻ったポポロンはすべてを察し、愛する我が子の救出とグリーク城奪還のため、決死の思いで城門をくぐるのでした……。

広告では見開きで『ガリウスの迷宮』が宣伝されていましたが、下段にさりげなくPC-88版『魔城伝説II~ポポロン激闘編』の発売中止のお知らせが書かれているのも注目点です。

 プレイヤーは文字通り迷宮と化したグリーク城内を探索しつつ、奥深くに潜む大魔司教ガリウスを倒し、将来の我が子パンパースを取り戻すことが目的となります。城内は10のワールドに分かれ、各ワールドには強力なボスが待ち受けているため、一筋縄ではいきません。ポポロンとアフロディテは自由に交代できるほか、道中にゲットしたアイテムを“F1”キーを押して装備しておけば、“M”キーで使用可能でした。

 主人公の二人は、ポポロンは攻撃力があるものの、水中での体力減少はアフロディテならばゆっくりというように、それぞれ特徴があります。用意されたステージは330画面で、くわえて鍵のかかった扉や男子禁制、女人禁制のワールドも存在しているため、お互いの長所を活かした攻略法が求められました。

敵はそれぞれ固有の特徴を持っているので、そこを見極めて戦う必要があります。

 画面上部に表示されているVITはバイタリティで、これが0になったキャラクターは死んでしまい、ポポロンとアフロディテの二人とも0になるとゲームオーバーです。VITはゲージの縦棒がある場所までしか回復しませんが、各ワールドのボスを倒したときに得られるグレートキーを取ることで8増えます。このアイテムをポポロンとアフロディテ、どちらに回収させるかも重要です。

魔法陣の描かれた画面で呪文をキーボードから入力するとボスが出現し、バトルが始まります。見事に倒せれば、次のステージへと誘うグレートキーをゲット!

 各ワールドごとに複数見つかる石碑のうちの一つに書かれた呪文を読み取り、魔法陣が描かれたボス出現フロアで入力すると、大悪魔(ボス)との対決が始まります。ワールド1のボスは、マニュアルに“アローが有効だ”と書かれていますが、このような感じでボスごとに弱点があるので、それを見つけて効率良く攻撃するのがコツとなります。

 本作は、一日でクリア出来るようなこぢんまりしたものではなく、何日もかけて迷宮や謎と向き合うタイトルなので、パスワードによるセーブが可能になっていました。もちろん、1文字でも間違えて書き写してしまうと、それまでの苦労が水の泡になってしまいますが、『コナミのゲームを10倍楽しむカートリッジ』をスロット2に挿してゲームを始めておけば、そちらへのセーブができます。

豊穣の女神デメテルの部屋へ入れば、セーブ用のパスワードを見る事が出来ます。またショップでは、売られているアイテムを神から買えます。

他にも、マニュアルには「『魔城伝説~ナイトメア』をスロット2に挿してゲームを始めれば、ポポロンとアフロディテを各々99回ずつ生き返らせることができる」や「『Qバート』をスロット2に挿してゲームを始めれば、VITが最高レベル、矢筒、コイン、キーが各々100の状態でスタートできる」と記されていました。本作により、他タイトルの売上にも少なからず貢献したと思われます。

写真のように2スロットあるMSXならば、1スロット目に『ガリウスの迷宮』、2スロット目に『魔城伝説』を挿してゲームをプレイすれば、主人公が99回生き返る仕様で遊べます。さすがに、『沙羅曼蛇』と『グラディウス2』の組み合わせはアレでしたが(笑)、本作のようなサービスであれば『魔城伝説』も欲しくなった人も当時いたと思います。

 前作『魔城伝説』以上のボリュームと謎、迷宮が待ち受けている『ガリウスの迷宮』ですが、今ならばプロジェクトEGGにて配信されていますので、興味が出てきた方はぜひともプレイしてみてください。

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