ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

スターアーサー伝説3部作のラストを飾った『テラ4001』

『惑星メフィウス』『暗黒星雲』と同じ、大判のパッケージにマニュアルとソフトが入っています。テープ版は、3本組でした。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたタイトルは、スターアーサー伝説3部作シリーズのラストを飾った『テラ4001』です。

 シリーズ作品として1983年に『惑星メフィウス』、1984年に『暗黒星雲』とリリースされてきた「スターアーサー伝説」は、85年に登場した本作『テラ4001』が完結作となります。前2作は数多くの機種に移植されてきたのですが、『テラ4001』に関してはFM-7版とPC-6001mkII版のみが市場へと送り出されました。これ以外のハードを所持していた人たちは、自分の所有機種では完結編が遊べなかった、という話を当時はよく耳にしました。

『テラ4001』発売直前の広告です。『ハイドライド』発売の時期とも重なっていたのが、ここからもわかります。

 『惑星メフィウス』ではレイソードを、『暗黒星雲』でミステリウムを手に入れたスターアーサーは、ついにジャミルの本星である惑星テラへとやってきます。ところが、大気圏突入寸前に敵の攻撃を受けてしまい、乗っていたクラプトンII号は大破。不時着後、乗員であるボブとルナ、そしてスターアーサーは脱出するものの、武器を持ったエイリアンが待ち構えていたため、3人はちりぢりになって逃げます。そしてスターアーサーはひとり、シージャと呼ばれる廃墟都市に辿り付くのでした。

 『テラ4001』では、前2作をプレイしていない人でも問題無くストーリーと世界観が分かるように、それまでの話が書かれたストーリーブックと呼ばれる小冊子が同梱されていました。上記の流れが詳しく書かれていたもので、これさえ読めば前2作をプレイしなくてもスターアーサーの活躍が分かるだけでなく、ヒントも掲載されていたという、とても便利なものです。

左はFM-7版の、右がPC-6001mkII版のタイトル画面です。PC-6001mkII版はメイン画面に常に時間が表示されているため、わかりやすいです。

 惑星テラで行動を開始するスターアーサーですが、本作は85年に発売されたと言うこともあり、RPG的な要素も盛り込まれていました。

 それが、彼に設定されたステータスです。STRENGTHは体力、CONCENTRATIONは集中力、SITUATIONは状況の3つがあり、体力が0になるとゲームオーバーとなるほか、道中に出現する敵を倒すと集中力がアップして、特定の行動ができるようになります。状況は、スターアーサーがおかれた状況を表すもので、これはあまり進行に関係ありませんでした。くわえて時間の概念も取り入れられていて、時間経過でグラフィックの明るさが変化するだけでなく、お店によっては入れなかったり、敵の目を盗むなら深夜に行動しなければならないなどの要素も取り入れられています。

道中、所々で敵が出現します。攻撃を受けると体力が減り、倒せば集中力がアップします。集中力は満タンにしておかないと、後々困る場面が出てきます。
登場キャラクターに話しかけると、画面右側に顔のアップが表示されます。……レイちゃんは、もう少し可愛く描いてあげても良かったのでは(笑)。

 また、ゲーム中に使用できるコマンド全44個がマニュアルに書かれていたので、言葉探しの苦労から解放されるのは有難いことでした。さらには、最初のシーン1から脱出するためにハンググライダーを操作して、ワイヤーフレームで描かれたビルの間を飛ぶというアクションゲームも収録しています。今プレイすると、詰め込める要素を全部入れました、というこだわりが感じ取れました。

 それを反映してかどうかはわかりませんが、ヒントが少ないまたは全く見当たらないシーンもいくつか登場するため、難易度としてはかなり高めになっています。マニュアルにも「ヒント集1なしに、一年以内に解かれる方のいることを心から希望します。」と書かれていて、制作側の自信のほどが覗えました。そんな今だからこそ、敢えてノーヒントクリアにチャレンジしてみるというのも面白いかもしれません。

シーン2では、シリーズ作品を通してプレイしている人には懐かしいキャラたちが何人も登場します。もちろん、ストーリーを先に進めるための大事な情報も持っていますので、しっかりと聞いておきましょう。

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