ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

可愛らしい“ちゃっくん”が自宅のパソコンでも動いた! 『ちゃっくんぽっぷ』

外箱から引っ張り出す形式の紙パッケージを採用していたのですが、中身を引き抜く際に外箱が破れてしまうことも……。中箱には、遊び方が書かれています。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、ゲームセンターで稼働していたタイトーのアクションゲーム『ちゃっくんぽっぷ』(移植版)を取り上げます。

 ゲームセンターで稼働しているゲームを、自宅のパソコンで遊びたい……そう思う人は今も(?)昔も数多かったと思いますが、なかでもパソコン版とは思えないクオリティの高い移植が行われたのが、ニデコから発売された『ちゃっくんぽっぷ』でした。

この当時、ニデコの広告ではちゃっくんぽっぷを全面に打ち出していました。それだけ注目のタイトルだったのかもしれません。
こちらが中箱です。この部分がマニュアル代わりになっているので、なくすことがないため便利です。

 プレイヤーは主役の“ちゃっくん”を操作し、“もんすた”に奪われ檻に入れられたハートを奪還すべく、爆弾を両手に持ち各ステージに挑みます。ちゃっくんは左右に1つずつ爆弾を落とすことができ、それは一定時間が経過すると自動で爆発します。その際、一度に複数の敵を倒せればボーナスフルーツなどが出現し高得点をゲット出来ました。

ゲームが始まる前には、練習ステージがプレイ出来ます。ここでルールや操作方法を憶えられるという、親切設計になっています。

 各面とも、檻を爆弾で破壊してハートを救出し、その後にちゃっくんを出口まで移動させればクリアとなるのですが、檻を破壊するか時間経過で生まれてくるもんすたが本作を面白く、そして難しくさせています。もんすたを爆弾の爆風に触れさせれば倒せますが、そこに巻き込まれるとちゃっくんもアウトに……。そのため、常に爆風の範囲を考えながら爆弾を置かなければなりません。

 パッケージに書かれているように、卵を1つでも壊すとノーボーナスになるほか、卵から変身したもんすたを全部倒せば5,000点ボーナス、もんすたを1匹も倒さずに脱出できれば20,000点ボーナス+ちゃっくんが1匹追加と、実は倒さない方が美味しい思いを出来るのです。その分、難易度は格段に上がりますが、自宅で練習してハイテクニックを身につければゲームセンターでその腕を披露できるので、周りから羨望のまなざしを集めることができました。それだけに、当時はこの移植度に満足して遊んだものです。

本作では各ステージを“MAZE ××”と表記しています。これはMAZE 01で、右下のハートを救い出して右上の出口から脱出出来ればクリアとなります。

 ほかにも、この時代のゲームとしては珍しい、非常に可愛らしいキャラクターも印象的でした。パッケージに所狭しと描かれていますが、主役のちゃっくんだけでなく、ステージの出口を塞ごうとするまいた、ちゃっくんの恋人であるミスちゃっくん、そしてもんすたなど、見ていて飽きないイラストになっています。ちゃっくんたちは魅力あるキャラだったためか、『ちゃっくんぽっぷ』だけでなく後に発売された『バブルボブル』など、数多くのタイトー作品に登場することとなりました。

 ちなみに、アーケード版は4方向レバーと右爆弾、左爆弾の2ボタンでしたが、パソコン版はテンキー+ZXキー使用機種と、テンキー+ZXC使用機種が存在します。これは、アーケード版はボタン2つを同時に押すと左右に同タイミングで爆弾を出せるのに対して、パソコンの一部機種では同時押しを認識してくれないため、結果として左右に爆弾を落とす専用のCキーを用意する必要があったためでした。もちろん、そんな些細なことで『ちゃっくんぽっぷ』の面白さが失われることはないので、ぜひ当時のパッケージを入手して実機で遊んで欲しいものです。

敵を一度に複数倒すと、フルーツが登場することがあります。しかし、ちゃっくんの合い言葉であるπの謎を解明すると、一定時間無敵になれるスーパーハートが出現する場合も!

 『マイコンBASICマガジン』別冊付録『スーパーソフトマガジン』1984年7月号には、『ちゃっくんぽっぷ』の各種テクニックが掲載されていますので、手に入った時には参考にしてみてください。

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