ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

街角ソフトハウスがオールマシン語のゲームを発売、エンジョイ・ソフトの「町にワルガキがやって来た!」

カセットテープケースがそのままパッケージになっていました。手描きでイラストとゲームタイトル、対応機種が記されているのを見ると、何となく暖かみを感じます

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、エンジョイ・ソフトの「町にワルガキがやって来た!」を取り上げてみました。

 1980年代前半は、まだまだカセットテープのゲームが数多く流通していましたが、その中には名前をほとんど聞いたこともないようなソフトハウスも、たくさん作品をリリースしていました。そんなソフトハウスの一つ、大阪にあったエンジョイ・ソフトが発売していたタイトルの1つが、今回取り上げた「町にワルガキがやって来た!」です。

当時は、雑紙I/Oのモノクロページに広告を掲載していました。どれもこれも手書きのものなので、ソフトハウス経営者の方が手作りしていたものなのでしょう

 ゲームとしては非常にシンプルで、固定画面の中で動き回るワルガキを、プレイヤーキャラが全員捕まえれば1面クリアとなります。ワルガキたちはゴミなどを町に落としていくので、それを回収すると得点となります。ただし、ボスガキも町をうろついていて、それに捕まってしまうとミスとなってしまいます。

タイトル画面はシンプルで、登場人物の紹介だけとなっています

 また、ボスガキはプレイヤーキャラを若干追いかけるようなアルゴリズムで動いているので、建物を使って逃げるなどの工夫も必要となります。ステージが進むとボスガキが増えるなど難易度も上昇するのですが、それほど大きく変わらないために飽きが早めに来るのが難点でした(笑)。

ゲームは固定画面で進められるアクションです。ただし、それほど操作性は良くないので、ボスガキに近づかれると簡単に捕まってしまうことも。マップ右下付近の地形と右上の行き止まりを利用して、逃げたり追いかけるのがコツです。
町に落とされるゴミを回収すると得点になります。地道に稼ぎつつ、ワルガキどもを追い詰めて捕まえましょう

 とはいえ、この当時は商用ソフトでもオールベーシックのゲームが数多くあったなかで、オールマシン語のゲームを発売したというのは、街角ソフトハウスの中でもかなりの実力があったのかもしれません。ただし、ソフトは近所の中学生が持ち込んだものという話なので、ソフトハウス運営者が手がけたわけではないようですが。

 この後、エンジョイ・ソフトには電波新聞社から人が訪ねてきたそうなので、もしかすると初期マイコンソフトの中にはエンジョイ・ソフトを経由しているタイトルがあるのかもしれません。今となっては、エンジョイ・ソフトの経営者の方が亡くなられてしまい、また初期マイコンソフトのタイトルをすべて揃えて調べるのは無理があるので、残念ながら真実は闇の中ですが……。

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