ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

超高速ペイントルーチンを採用!エニックスのアドベンチャー『創造神ギャリアンの復活 暗黒城』

パッケージには、一人の女性が描かれています。ゲーム中に登場する女神リラかと思ったのですが違うようで、詳細は不明でした。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回はエニックスから1984年7月28日に発売された、“ミネルバトンシリーズ”1作目となる、『暗黒城』を取り上げています。

 アドベンチャーゲームがブームになった時期には、各ソフトハウス共にさまざまな趣向を凝らした作品をリリースしていました。特にエニックスは、美少女が登場する場面を広告やパッケージに採用していたため、そのインパクトに惹かれて購入した人も多かったのではないでしょうか。今回取り上げた『暗黒城』も、広告で女神リラの写真が掲載されていましたが、中身は硬派なアドベンチャーゲームです。

広告初掲載時には、ページ最上段の目立つ場所にタイトルロゴと画面写真が載っていました。発売日まで記載されているのは、当時としては珍しいです。

 物語は、主人公の宇宙物理学者リュウ・エンジェルが2188年に、ワープ装置の発射スイッチを押すところから始まります。ボタンを押したリュウは、宇宙の創造神ギャリアンに新たな世界を創造する神の使いに選ばれ、ビッグバンの起こる前の古宇宙界へと飛ばされます。ミネルバトンと呼ばれるそこは、光の女神リラが守るラバルの鏡によって平和な理想郷を築いてましたが、その鏡は暗黒の使徒グルーに奪われ暗黒城へと隠されてしまいました。鏡が10月10日後に割られてしまうと、古宇宙は暗黒界に変わり果ててしまいます。万能の力を神より授かりしリュウは、鏡を取り戻すべく動き始めました……。

タイトル画面には「RUKTEU DARK CASTLE」と書かれていますが、ゲーム中の画面では「THE DARK CASTLE of LUKTEU」と表記されるなど、なぜか統一されていないのが気になりました(笑)。

 プレイヤーは主人公のリュウとして、奪われた鏡を取り戻すべく暗黒城へと向かいます。操作方法は主にコマンド選択式となっていて、移動する時にはファンクションキーより“イドウ”を選んでから、テンキーの2、4、6、8でそれぞれの方向へと向かいます。会話を行う場合も同じで、ファンクションキーから“キク ハナス”を選択後にキーワードを入力することでヒントなどが聞けました。入力は英語ではなくカナですが、ゲーム中のほとんどのシーンではファンクションキーを選ぶことで事足りるため、いわゆる単語探しに奔走する必要が無かったのが良かった部分と言えます。

描画範囲はそれほど広くありませんが、ライン&ペイントで描かれるグラフィックは非常に早く、サクサクと進めることができます。ハマりもほとんど無いので、一日あればクリアできそうです。

 アドベンチャーゲームの場合、場面数が多いと描画速度が重要になってきますが、本作は「株式会社ランダムハウスが開発した超高速グラフィックルーチンを使用しています。」とパッケージに記すほど、その速さをウリにしていました。実際にプレイしてみても、速度の面でイライラを感じることはほとんどなく、非常にスムースにプレイを進められます。ただし、途中でゲームをセーブすることはできず、パスワードを入力することで各章の最初から始められるという方式を採用していました。代わりに、移動しただけでゲームオーバーになるようなイジワルな仕掛けはありません。

第2章からは、見たり探す時は画面に表示される小さなドット(カーソル)を対象物へ移動させて、その後にリターンキーを押す必要があります。探したい場所が多数ある時は、かなり苦労します。

 描画は早いのですが、システム面では『惑星メフィウス』を思い起こさせるようなシーンがあったり、“460画面以上!”と謳っているものの、そのほとんどが同じ背景に違うキャラが描かれているだけなど、時期を考えると致し方ないような部分もありました。それでも、コツを掴めばそう悩むことなく先に進める難易度や、ゲームオーバーになっても各章の頭からやり直せるなど、なかなか親切な部類だったように思えます。

各章をクリアすると、最後にパスワードが表示されます。これを入力すれば、次回はその次の章から始まります。当時は、簡単に写真が撮れる現代と違ってメモを書いて保存していたため、書き間違えたりメモをなくすと再び最初からプレイすることに……。

 ちなみに、作者の山口祐平さんはこの後、エニックスから『アゲイン』を発売しますが、この“ミネルバトンシリーズ”は第2弾『RIGLAS~魂の回帰』が後にランダムハウスよりリリースされることとなります。

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