ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

あの「オレたちひょうきん族」のあみだくじがゲームになってた!? ポニカの「あーみだーくじ」

パッケージの表面には「オレたちひょうきん族」からあみだくじの場面を取り出し使っています。裏面は画面写真が1枚と、プロローグ(?)のようなものが書かれています

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、フジテレビ系列で放映されていた番組「オレたちひょうきん族」内で登場していた“あみだばばあ”をヒントに作られた『あーみだーくじ』を取り上げました。

 数多くの版権ものタイトルを発売していた80年代前半のポニカですが、その大部分は映画タイトルとのタイアップでした。そんな中にあり、テレビ番組の「オレたちひょうきん族」の“あみだばばあ”をヒントに作られたと思われる珍しい作品が『あーみだーくじ』です。

この時期のポニカの広告を見ると、映画などとのタイアップ作品が目立ちます。それ以外にも気になる人には気になる、当時の表現をするならば“ムフフ系”ソフトの紹介も見られます

 ゲームのルールはシンプルで、あみだくじ上をルールに従って走っている車を、◯と書かれた場所へ移動するよう、プレイヤーがあみだくじの横棒をあちこちに入れ替えるというものです。×の位置へと車が移動してしまうと1ミスとなり、車の残数が0になるとゲームオーバーとなります。あみだくじの上下にある、すべての◯を×へと変えることが出来れば1面クリアとなります。時々現れる、旗印のところへ誘導するとボーナス得点がゲットできるので、ハイスコア争いをする場合には欠かせない場所でした。

 当時のコナミが発売していた『ガッタンゴットン』、または野村トーイから出ていたおもちゃ『チクタクバンバン』のように、プレイヤーが間接的にしか操作出来ないオブジェクトに残機が設けられているゲームなので、人によってはイライラしたかもしれません(笑)。

プレイ画面はシンプルです。PC-8001版は160×100ドットという荒さから大味なグラフィックになっていますが、PC-8801版やX1版などは、それぞれのキャラクターがもっと綺麗に描かれています。もちろん、どの機種でもルールは同じです

 主人公は、あみだの横棒を何度でも自由に入れ替えることができますが、横棒を持っている間は上下にしか移動できないので、ただ闇雲に入れ替えれば何とかなるというわけではありません。また、一度に持てる横棒は1本だけなので、車の移動先をしっかりと考えてから行動する必要があります。車の移動速度は序盤こそのんびりなものの、ステージが進むに従ってスピードアップするため、徐々に頭の中がパニックに……。

 プレイすると分かるのですが、とにかく頭を使うゲームでして、適当に遊んでいると即ゲームオーバーになってしまうため、当時は面白さが今ひとつわかりませんでした。改めて今遊んでみると、非常に良く出来たシステムだなと感心しきりです。なお、3面になるとウィック・ストロングという二つの性格にランダムに変わるモンスターが登場します。ウィックの時に車が当たると倒せるのですが、ストロングの時に突っ込むとミスとなるので、これまで以上に横棒の配置に悩まされます。

ゲームをロードすると、操作方法が書かれたタイトル画面が表示されます。ゲームスタート時には、40代以降の読者には馴染みがあると思われる“あみだくじ あみだくじ 引いて楽しいあみだくじ♪”のBGMが流れます

 本作が発売された時期は作者曰く「最近、非リアルタイムゲームは“思考型ゲーム”、リアルタイムゲームは“反射神経型ゲーム”と言われています」とマニュアルに書いているように、まだアクションパズルというジャンル付けがメジャーではなかったようです。そこで「このゲームに関しては、その分類方法は通用しないと思います。いわば“反射神経型思考ゲーム”です」として新ジャンルを設けたとのことでした。もしかすると、脳の老化を防ぐのにも役立つかもしれません!?

ゲームソフトには、プログラムリストも同梱されていました。最悪、テープをなくしてしまったとしてもプログラムリストが残っていれば、それを入力することで遊ぶことができます。ただし、デバッグの苦労はありますが……

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