ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
あの「ゼビウス」っぽいゲームをPC-8801でも遊べた!~1983年発売「アルフォス」~
2018年8月14日 08:05
当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、「森田のバトルフィールド」や「森田将棋」などでお馴染みの森田和郎氏が手がけた、「ゼビウス」ライクゲーム「アルフォス」です。
1983年、ゲームセンターに「ゼビウス」が登場すると大人気となり、これを自宅でも遊びたいと考える人が大勢出てきます。しかし当時のパソコンには、アーケードゲームが当たり前に持っていた機能を備えているハードはほとんど無く、「ゼビウス」を再現するには高い壁が立ちはだかっていました。そんな時代に現れたのが、「ゼビウス」ではなく「ゼビウス」っぽいゲームの数々です。その中でも、飛び抜けて良く出来ていたのが「アルフォス」でした。
本作を世に送り出したのは、エニックスが実施した「第1回ゲームホビープログラムコンテスト」にて最優秀プログラム賞を受賞した「森田のバトルフィールド」の作者、森田和郎氏です。パッケージ裏に書かれたキャッチコピーでは「スーパーエキサイティングゲーム」「パソコンの限界を超越したスクロールゲーム」などと謳われていました。「アルフォス」自体はコンテスト応募作品ではなく、「全国のマイコンファンより第2作目をとのご要望が殺到し、今回の作品発表となりました」とマニュアルにあるように、ユーザーとエニックス側からの要望で作られたというのがわかります。そんな本作には、ゼビウスほどではありませんが、壮大なストーリーが用意されています。
---穏やかだった太平洋上にある日、巨大な大陸が突然現れる。伝説だったはずの地底国アトランティスは、単なる伝説ではなかったのだ。早速、国連に調査本部が設けられるが、そこに正体不明の送り主からのメッセージが届く。「我々はアルフォス、我々はアルフォス。我々は、地球を征服するだろう」と。選択されたのは、先制攻撃。世界中で一番優秀な戦闘機“ニーモニック号”に乗り込み、敵陣を攻撃するのだ---
プレイヤーはニーモニック号を操作し、途中に出現する敵を空中物なら量子砲で、地上物は中間子爆弾を用いて攻撃・破壊していきます。今回取り上げたのはPC-8801用ですが、この時期のPC-88対応ソフトはグラフィックの描画が遅く、何をプレイしていても待たされる感じがありました。しかし「アルフォス」は、それまでのゲームと比べると明らかに滑らかさが違っていました。スクロールは非常にスムースで、敵や自機もサクサク動という事実に当時、天才プログラマは実在するのか……と感嘆したものです。登場キャラクターも多彩で、見た目のカラーリングの地味さに反し、非常に個性豊かになっています。色使いが派手ではないのはゲームを高速に動かす工夫のためなのですが、当時はそんなこととは知らず「面白いけど見た目が地味で残念」と思っていたものでした。
タイトル画面やゲーム画面など至る所に見られる“(C)namco”の表記ですが、パッケージ裏の表記によると当時のナムコに怒られたからというわけではなく、「森田氏が開発したこのアルフォスはゼビウス((C)ナムコ)に似ていましたので発売にあたり(株)ナムコの了解を得ました。(株)エニックス」とあるように、エニックス側があらかじめ配慮したからと思われます。
ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち 連載一覧
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- “ボンドソフト”の名前を一躍有名にした名作「タイムシークレット」
- 日本での初期RPGの代名詞とも言える「ザ・ブラックオニキス」
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- 光栄の歴史シミュレーションシリーズ、その柱となる1本にして今も新作が続く「三國志」
- ザインソフトの名前を広く知らしめた「トリトーン」
- 数多くの機種にハイクオリティな移植を実現したマイコンソフトの「パックマン」
- スクウェアとサンライズがタッグを組んだ「クルーズチェイサー ブラスティー」
- 可愛らしい絵柄とは裏腹に歯ごたえあるアクションゲームだった「メルヘン・ヴェール」
- 全世界で大ヒットを記録した歯ごたえあるアクションパズルゲーム「ロードランナー」
- テレネットの底力がいかんなく発揮されたアクションゲーム「夢幻戦士ヴァリス」
- これぞハードボイルドゲームの傑作といえる1本「マンハッタン・レクイエム ~闇に翔ぶ天使たち~」
- X68000の機能を活かしたアーケードクオリティのアクションゲーム「GENOCIDE」
- シンプルな画面に隠された謎に夢中になった「MYSTERY HOUSE」
- ポニカの強み、版権ものタイトルの1本として登場した「南極物語」
- 今も続く「A列車で行こう」シリーズの元祖がここにある
- 木村明広氏の美麗なビジュアルシーンが印象的なRPG「エメラルドドラゴン」
- シンキングラビットがおくるミステリアドベンチャーの傑作「道化師殺人事件」
- ボーステックから発売された、謎多きゲーム「レリクス」
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- 巨大なスケールと隠された謎の多さに驚かされた名作第2弾「ハイドライド2」
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- 90年代にゲームセンターで見かけた、あのゲームの元祖がここに『キャノンボール』~
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- コンテストで最優秀賞を獲得、マジカル ズゥのアドベンチャー『黄金の墓』
- 幾千通りものシナリオを体験できた『ティル・ナ・ノーグ <ダーナの末裔>』
- 現在も続く「大戦略」シリーズの始まり『現代大戦略』
- 驚くほど滑らかに縦スクロール、名作シューティングゲーム『NOBO』
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- 飛んでいくボールに合わせてスクロールする画面が斬新だった『アルバトロス』
- アーケード版と遜色ないクオリティで移植された名作『源平討魔伝』
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- 魔城伝説シリーズの第2弾はアクションRPGとして登場! 『魔城伝説II ガリウスの迷宮』
- 当時としては驚くほどリアルなピンボールが遊べた『スーパーピンボール』
- 前作から大幅にパワーアップして舞台は全国に! 『信長の野望 全・国・版』
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- アーケードゲームを中村光一氏が移植、のちに改名されたPC-8001版「スクランブル」
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- 「Lotus 1-2-3 R2.1J」 あの頃の表計算ソフトと言えば、Microsoft Excelじゃなかった!
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