ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

あのアーケードゲームがそっくりそのまま動いた衝撃! 『X68000版 グラディウス』

本体付属品だったため、パッケージはありません。このようなディスクケースに収録されていました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、発売されていないもののX68000ユーザーであれば誰もが入手出来た『グラディウス』を取り上げてみました。

 1985年にアーケードタイトルとしてデビューした『グラディウス』は、レーザーの美しさや無敵のオプションなどの設定と相まって、大人気を得ることとなります。プレイヤーの中には『グラディウス』を、自分が所有しているパソコンにそっくりそのまま移植して、遊ぶことは出来ないだろうか? と考えた人もいたのではないでしょうか。

 実際、80年代後半にはいくつかのコンソール機やパソコンへ移植されましたが、蓋を開けてみると見た目や動きなどがオリジナル版からほど遠かったものがほとんどで、中には大事な魅力であるレーザーが短いという作品すらありました。当時のハード特性を考えれば移植のハードルが非常に高かったわけですが、それを見た目ほぼ完璧なまでに移植したのが、初代X68000に付属していた『グラディウス』でした。

初代X68000が発売される直前に掲載された本体の広告ですが、残念ながら『グラディウス』に関連する表記は見あたりませんでした。

 デモンストレーションディスクなので本体に同梱されていたのですが、これを遊びたくてX68000本体を買ったという人を複数人知っていますので、登場時のインパクトはかなりのものだったかと思います。この時期にパソコン売り場へ行けば、初代X68000で稼働している姿を見ることが出来たので、その桁違いの美しい画面や動きに、しばらく釘付けになったことを思い出します。

パッケージの中には、他のシステムディスクも入っています。その中でも、一際目立つ『グラディウス』のロゴが眩しいです。

 ただし、見た目はほぼ同じなものの、敵の挙動やBGMがオリジナル版とは若干異なっているので、ゲームセンターで遊び倒したという人には違いがすぐに分かると思います。それでも当時としての完成度は驚異的で、移植を担ったSPSの名前が心に深く刻み込まれた人もいるかもしれません。

1面ラストの火山も、見た目はほぼアーケード版と遜色ありません。これを当時の誌面で見て、心惹かれた人が大勢居たかと思います。
3面に出現するモアイも、他機種バージョンからは比べものにならないほど見た目が良く出来ていました。

 ちなみに、ディスクを挿入してX68000を起動するとビジュアルシェルが最初に表示されます。画面に映し出されたウィンドウにグラディウスのアイコンがポツンと存在していますので、マウスでそれをダブルクリックするとゲームが動き出します。1987年と言えば、Microsoft Windowsはバージョン2の時代であり、Macintoshでも漢字Talk1.1という黎明期でした。その時期に、似たようなGUIシステムからアプリケーションを起動させる方法を採用したのは、今考えれば凄い事だと思います。

ディスクから起動すると、最初にこの画面が表示されます。マウスポインタを移動させ、『グラディウス』のアイコンの上でダブルクリックすると、画面がフェードアウトしてゲームが立ち上がります。

 当時はシャープに問い合わせることで、X68000ユーザーであれば補修部品として手に入れることができましたが、今やオークションサイトなどではちょっと高値で取引されていますので、入手難易度はかなり高いと思われます。

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