ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

スターアーサーシリーズ3部作はここから始まった「惑星メフィウス」

大きく描かれたスターアーサーが目を惹く、インパクトあるパッケージです。パッケージ底面には「プログラムカセットはダビング防止処理をしてありますのでダビングできません」と書かれていました

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、さまざまな機種で展開されたT&E SOFTの名作・スターアーサー伝説シリーズ1作目「惑星メフィウス」を取り上げました。

「惑星メフィウス」発売直前の広告を見ると、本作の他に「プレイボーイ」や「3Dゴルフシミュレーション」などの懐かしいタイトルがページを飾っています

 1980年代前半、「ミステリーハウス」などのアドベンチャーゲームが雑誌などで取り上げられると、パソコンゲーム市場にアドベンチャーゲームブームが巻き起こります。猫も杓子もアドベンチャーゲームと言う感じで数多くのタイトルが世に送り出されましたが、そんな中でT&E SOFTがリリースしたアドベンチャーゲームが「惑星メフィウス」でした。

タイトル画面が描き終わると、壮大なBGMが流れます。通常、スペースキーやリターンキーを押すとすぐに本編へと移行するのですが、本作はなぜかPF3(FM-7版の場合)を押すことでゲームスタートとなります

 魅力あるキャラクターやSFアニメーションライクなストーリー展開が話題を呼び、初期アドベンチャーゲームの大ヒット作品となっています。ストーリーは「宇宙歴3826年、銀河連邦は外宇宙からの敵ジャミルと交戦中であった。非武装の惑星は、凶悪なジャミルの宇宙艦隊によって、次々と滅ぼされていった。惑星シークロンもそのひとつで、惑星の各主要都市は今や壊滅状態にあった。戦況の中、一隻の宇宙船がシークロンから飛び立った。スターアーサー・ミルバックの操るクラプトン2世号である。クラプトン2世号は、惑星シークロンに伝わる伝説の剣を求めて、銀河辺境の惑星メフィウスへとむかった」となっています。

 本作はテープ3本組なのですが、実はストーリーを読んでおけばテープ1はそれほど苦労せずに終わらせることができるのです……が、当時テープ1で躓く人が多かった事を考えると、マニュアルを読めない環境でプレイしていた人がそれなりの数だった、ということなのでしょう(詳細はお察しください(笑))。

この牢屋から脱出するのが最初の目的です。ここで行き詰まるようでは、本作のクリアはおぼつかないかもしれません

 本編は、アドベンチャーゲーム初心者でもプレイ出来るように単語数を絞ってあり、なおかつ見たい時に単語をチェックできるため、当時としてはフレンドリーな仕様だったと言えるでしょう。また、この時代であれば動詞+名詞とコマンド入力するところ、本作では動詞入力後に“+”というカーソルが表示され、これを対象物に移動させて決定することでコマンドが完成するため、名詞を考える手間がいらないというのも特徴でした。テープ3で出現する砂漠地帯を除けば、ですが。

 「惑星メフィウス」は多機種で発売されただけでなくVHD版もリリースされていましたが、シリーズを経るごとに対応機種が少なくなっていくのが何となくもの悲しかったです。マイナー機種用でなければ今でも入手難易度はそこまで高くは無いので、当時の環境を再現して昔を懐かしみながらノーヒントでプレイしてみるのも良いかもしれません。

画面はライン&ペイントで表示されますが、初期作品だけに描画スピードは速くありません。待たされる感がありますが、現代なら描画中に暇を潰す手段はいくらでもあるので、かえってほどよいスピードかもしれません(笑)。

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