ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

いつまでも耳に残るサウンドが印象的だった珠玉の1本「ボスコニアン」

パッケージ最下段に「PROGRAM ARRANGED BY DEMPA/T.MATSUSHIMA」とあるように、「タイニーゼビウス」を開発した松島徹氏が移植した作品の一つとなっています

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、X68000向けにマイコンソフトから発売された「ボスコニアン」を取り上げます。

 「ボスコニアン」はアーケードで1981年にリリースされ、その後はm5やMSX、PC-6001mkII、X1など各機種に移植されました。そのパソコン向け移植最後発として登場したのが、1988年も押し迫ってきた時期に発売された本作です。

X68000版「ドラゴンスピリット」と時を同じくして掲載されていたのが、この広告です

 ゲームルールはアーケード版と同じで、画面中央のスペース・クルーザーを操作してステージ内の敵要塞をすべて破壊するとステージクリアとなります。画面右側にはステージを網羅したレーダースクリーンが表示され、それを頼りに敵要塞へと移動していくことになります。

 当時としてはインパクト大だったのが、状況に応じて出力されるボイスです。ステージスタート時には“ブラストオフ!”、コンディションがイエローになったときなどは“アラート!”などなど……“アラート”が“あらーい、あらーい”に聞こえたという話もありますが(笑)、これらの音声には驚かされたものです。なお、各ステージとも時々出現する偵察機を2回見逃すか、または一定時間が過ぎるとコンディションレッドとなり、敵の総攻撃が開始されて難易度が一機に上がってしまうので注意してください。

タイトル画面のメニューからは開始ステージを選んでスタートできるほか、楽曲をじっくり聞ける“MUSIC TEST MODE”も用意されています

 X68000版に収録されているのは、アーケード版を再現したORIGINAL MODEの他に、BGMやパワーアップなど若干のアレンジが施されたARRANGED MODEとなります。ARRANGED MODEではLEVEL1、LEVEL17、LEVEL33と、開始ステージを選んでスタートすることが可能です。

 そんな本作の魅力は、なんと言ってもARRANGED MODEでしょう。ROUND16から登場するEXTRA CANONは、自機のショットを前後1方向から前方3方向後方1方向へとパワーアップさせてくれます。これで一気に破壊力が増し、敵を倒す爽快感が倍増するのです。また、アーケード版ではスタート時ぐらいにしか流れないBGMですが、ARRANGED MODEではロード時やタイトル画面、ゲーム中、そしてゲームオーバー時に至るまで素晴らしい楽曲が奏でられます。これらを手がけたのは、当時のマイコンBASICマガジンでお馴染みだった古代祐三氏と永田英哉氏でした。当時はこの曲をバックに、ROUND1から初めてROUND48まで通しで1コインクリアするという遊び方を毎日していたものです。

画面右側に表示されているレーダースクリーンを見ながら、効率良く移動しましょう。宇宙空間なので、レーダースクリーンの上下と左右は繋がっています
パワーアップすると、このように前方のショットが3WAYになります。ザコ敵だけでなく敵基地の砲台も破壊しやすくなるので、爽快感もアップ!

 アーケード版がゲームセンターに登場したときにもプレイしていますが、そのときは“随分と地味で暗いゲームだ”としか思わず、似たような画面構成でも見た目が派手だった「ラリーX」ばかりにコインを入れていました。それが、素晴らしいBGMが流れることでここまでゲーム自体が盛り上がるのか、と本作を購入して驚いたものでした。

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