ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

思った以上の移植度に驚かされたPC-8001mkIISR版『バルーンファイト』

PC-8801mkIISRとX1シリーズ、MZ-2500向けにも発売されていましたが、今回取り上げたのはPC-8001mkIISR版となります。風船は補助で、実際には手で羽ばたいて上昇しているのがわかる、かわいらしいイラストが描かれたパッケージが印象的でした。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、1985年に発売されたPC-8001mkIISR版『バルーンファイト』となります。

 ハドソンソフトといえば、『デゼニランド』や『サラダの国のトマト姫』といったアドベンチャーゲームを大ヒットさせたことなどで有名ですが、任天堂がファミリーコンピュータ向けに発売していたソフトをパソコン向けに移植・発売していたのも似たような時期でした。

広告は、『バルーンファイト』『アイスクライマー』『エキサイトバイク』の3本をセットにしたパターンのものが掲載されていました。その翌月には、機種ごとに何が発売されているのかをわかりやすくまとめた表形式の広告に変わり、ゲーム画面などを前面に打ち出すような宣伝方法はしていませんでした。

 それら作品の中には、『マリオブラザーズスペシャル』や『パンチボールマリオブラザーズ』のように、キャラクターのみ流用して別のシステムになっているタイトルがある一方で、オリジナル版を忠実に移植したゲームもありました。そのうちの1本が、今回取り上げた『バルーンファイト』となります。当時PC-8801mkIISR版とX1版、MZ-2500版、そしてPC-8001mkIISR版が発売されましたが、今回取り上げたのはPC-8001mkIISR用テープ版です。

 ゲームモードは“1-PLAYER GAME”のGAME A、“2-PLAYER GAME”のGAME B、そして“BALLOON TRIP”のGAME Cと、3つが収録されていました。操作方法は、プレイヤー1がテンキーの4(または1)と6(または3)で、プレイヤー2がD(またはC)とG(またはB)で左右移動、スペースキー(プレイヤー1)かTAB(プレイヤー2)で上昇となっています。

ローダを実行すると、読み込み終了までの目安時間を表示してくれました。PC-8001mkIISR版『ゼビウス』は約20分かかりましたが、本作は約12分15秒です。ロードが終了すると、お馴染みのタイトル画面が表示されます。

 GAME AとGAME Bは、床にいる敵が風船を膨らまして空中を飛び回るので、敵の風船にプレイヤーの身体を当てる(高い位置から攻撃する)と敵の風船は割れ、パラシュートを開いて落下。その間にもう一度体当たりをするか、床について風船を膨らませている間に蹴り落とせば倒すことができるのですが、再び風船を膨らませてしまうとより強力な敵に生まれ変わって飛び上がってしまうので、注意が必要です。フィールドの左右は繋がっているので、これを上手に活用できるかどうかがポイントとなるでしょう。

 なお、敵味方問わず水面近くを飛んでいると、水中から顔を出した魚に食べられてしまうことが! そうなれば、当然ミスに……。さらに、ステージ開始から一定時間が経過すると雷雲が光り、当たるとこれまたミスになる稲光が現れて画面内を飛び回るので、雷を避けつつ敵を攻撃しなければなりません。

 敵の身体にプレイヤーの風船が触れると、2個ある風船のうち1個が割れて上昇力が弱くなってしまい操作が難しくなり、残った1つの風船も割られてしまうと、プレイヤーは水中に落下して残機(?)を1人失いました。

GAME AとGAME Bではプレイヤーキャラを操作して、敵の風船を割った後に体当たりすることで倒せます。最初に風船を割ることに集中するか、確実に各個撃破を行うかは、プレイヤーの戦略次第。敵を倒すとシャボン玉が出現し、これを割ると500点ゲットとなります。

 最初は、風船で飛ぶフワッとした感覚がつかめず、プレイヤーキャラを上手に操作出来ないまま納得いかないうちにゲームオーバーになってしまうことが多いのですが、慣れると思い通りに動かせるようになるため、一気に面白くなってきます。その領域にたどり着けると面白くなるのが、GAME Bです。

 2人同時プレイが可能なGAME Bは、マニュアルに「《協力型》2人で協力し合います」と「《競争型》相手の邪魔をしたり、いじわるをしたりします」とありました。プレイヤーが2人ともそれなりに慣れている場合は、協力プレイなら役割を分担してサクッとクリアしたり、競争(対戦)プレイを選択するのであれば熾烈なポジショニング争いが起きて、1面クリアもままならないことも!?

先のステージへ進むと、曇から雷が飛び出してきてプレイヤーの邪魔をしたり、グルグルがステージ中央に配置されていて思うように移動できないなど、徐々に難しくなっていきます。

 ちなみに、PC-8001mkIISRにはPORTと書かれた拡張端子が背面に設置されています。ここにPC-8801mkIISRのキーボードや、そこへ接続可能なジョイスティックを挿すことで、本体を2人で使うことなくゆったりと2人同時プレイを楽しむことができました。

 GAME AとGAME Bは、3面クリアするごとにボーナスステージとなります。画面下の土管から次々に出てくる風船を、できるだけ多く割っていくのが目標ですが、20個割れればパーフェクトボーナスが入りました。2人プレイならば、右2本と左2本という感じで担当を分ければパーフェクトは簡単ですが、左右10個ずつ出現するとは限らないので、ここでもバトルになることも。

 このボーナスステージにはスコアを稼ぐというだけでなく、プレイヤーの風船が1個に減っていた場合は2個に戻るという特典もありました。

3面クリアするごとに、ボーナスステージが楽しめます。土管から現れる風船を、20個割ることができればパーフェクトボーナス獲得です。左右が繋がっている事を意識して移動するのが、パーフェクトへの近道です。

 GAME Cは画面が左から右へとスクロールしていくので、雷に当たらないよう、そして魚に食べられないようにしながら、風船をできるだけ多く割って先へと進んでいきます。20個の風船を全部連続して逃すことなく割ると、1万点ボーナスを獲得して風船の色が緑へ変化し、これまで1個300点だったものが500点へとアップ! 途中で浮かび上がってくるシャボン玉を割ると、一定時間スクロールと雷の動きが止まります。ここで、安全な場所へと移動するか、チャンスとみて風船を割りに行くか……非常に単純な内容ながらスコアとランキングがあるので、友人と一緒にプレイすればメチャクチャに熱くなれるのが良いところでした。

GAME Cは“BALLOON TRIP”です。軽快なBGMにノりながら、微妙な操作で雷を避けつつ風船を割っていきます。単純ですが、非常に熱くなるゲームでした。風船を逃さずに割っていけば、1個の得点も上昇していきます。

 この当時のテープゲームの場合、ロードを始めてからゲームが遊べるようになるまで何分かかるかわからないのが不便なところでしたが、本作では数秒でロードが終わるローダを読み込んで実行すると、本編のプログラム読み込み終了までの目安時間を表示してくれたのが親切なところでした。なお、以前の『ゼビウス』でもロード時間の長さが話題になっていましたが、PC-8001mkIISRのテープ読み込み速度は600ボーで、これはFM-7の1600ボー、X1の2700ボー、MZ-2000の2000ボー、MSXの1200(倍速なら2400)ボー、そして隠しモードではあるものの前機種PC-8001mkIIにはあった1200ボーのいずれよりも遅いことが原因の一つとしてあげられるでしょう。なので、記事を読んでいる読者の方が利用していたパソコンによって、カセットテープからのロード時間の思い出というのは大きく異なるかと思います。

実際にプレイしている動画を掲載しました。タイトル画面からスタートして、2度目のボーナスステージまでを撮影しています。パソコン用だから動きが酷いのでは?と思っている人もいるかもしれませんが、非常に良く出来ているのがわかるかと思います。音が割れ気味なのは、録音時のボリューム調整ミスです。

 本作は、出回った本数が少なかったためか、現在見かけることはほとんどありません。とはいえ、その完成度は非常に高いので、持っている人がいればぜひ遊んでみてください。十字キーとボタンで操作するコンソール機版より、テンキーでプレイできる本作のほうがスコアが伸びるかもしれません。

こちらは、GAME Cのバルーントリップの動画です。筆者はあまり得意ではないので、それほど先へ進めていませんが、BGMを口ずさみながらスペースキーとテンキーを操作する緊張感がたまりません。

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