ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

マイコンソフトが移植したPC-8801版『ディグダグ』、テープ版のロード時間は15分!

パッケージにはコミカルな感じで、4匹のプーカァと1匹のファイガーが描かれていました。右上に描かれた“マシン語 高速ゲーム”が、時代を物語っています。裏面には但し書きとして、「本プログラムの作成にあたり、ハドソンソフトのmini Hu BASICコンパイラーを使用しました」と入っていました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、マイコンソフトから発売されていた『ディグダグ』の、PC-8801版を取り上げます。

 マイコンソフトといえば、ナムコのアーケードタイトルを数多くパソコンへと移植してきましたが、最初期のラインナップとしてリリースされたうちの1作品が、この『ディグダグ』です。最初にPC-8001対応版が発売されましたが、その後にX1版とPC-8801版が登場しています。ちなみに、PC-8801対応版が実行可能なのはPC-8801とPC-8801mkIIのみで、PC-8801mkIISR以降の機種ではプレイ出来ません。また、テープ版のロード時間はかなり長い部類に入る、約15分(!)でした。

フィールドはアーケード版の縦長というよりは、他のパソコン版と同じく横長っぽい感じになっています。地層は3層で、4層になっているのを確認出来たのはPC-8001mkIISR版、PC-8801mkIISR版、FM77AV版のみでした。

 プレイヤーは画面中央に表示されるディグダグを操作し、各ラウンドごとに出現するプーカァとファイガーをすべて倒せば1面クリアとなり、画面右上の花の数が増えて次へと進みます。モンスターは、持っているモリを投げて刺し、ポンプで3段階膨らませてパンクさせるか、岩石をモンスターの頭上へ落とすかのどちらかで倒すことが出来ます。モンスターが膨らんでいる状態の時は動きが止まるので、これを利用して縦に長い穴を掘り、そこにモンスターを集めて岩石落としで一気に倒すことができれば、高得点をゲット出来ました。また画面内にある岩石は、2つ落とすと画面中央にベジタブルターゲットが現れ、取ると1000点~という高得点が得られます。ハイスコアを狙うには欠かせない手段なので、無駄でもいいので忘れずに岩石を落として、確実にベジタブルターゲットを獲得しておきたいところでしょう。

モンスターにはモリを刺し、ポンプで空気を送り込んで破裂させるか、岩石を落下させて潰すと倒すことができます。敵のアルゴリズムはパソコン版オリジナルなので、アーケード版でプレイしていたという人は慣れるまで大変かもしれません。

 プーカァとファイガーは通路だけでなく、土中も移動してきます。その際は目変化という目だけの状態になり、攻撃を一切受け付けません。ただし移動速度は極端に落ちるので、追い詰められても頑張って逃げればピンチを脱出することも!? こうして各ラウンドをクリアしていき、最高得点ゲットを目指します。

 アーケード版は縦画面でしたが、パソコンは基本的に横画面のため、画面右側を得点表示部分などとして活用することで縦長感を演出していました。縦画面を利用して4つに分かれていた地層も、PC-8801版では残念ながら3層表現になっています。ディグダグが移動している最中に流れるBGMは、PC-8801版ではBEEP音での演奏となっているのも、ちょっと寂しいところではありました。

各ラウンドとも、岩石を2つ落とすとフィールド中央にフルーツターゲットが出現します。アーケード版ではラウンド1のニンジンが400点~でしたが、PC-8801版は同じニンジンでも1000点~となっています。

 『ディグダグ』には各種テクニックが発見されていましたが、そのほとんどが同じように活用出来るのは、嬉しい限りでしょう。例えば、モンスターにモリを刺す“チクとさし”、“一段階膨らませる“プッっとさし”、2段階膨らませる“ブクブク”、薄い壁を挟んでモリを刺し膨らませる“陰険打ち”などなど、上手に使えるようになればクリア面数は飛躍的に伸びるはず。ただし、土中から通路に出てくるタイミングでモリを打ち込み膨らます“目変化打ち”だけは、残念ながら同じようには機能しません。PC-8801版では、その瞬間に方向転換して目変化のまま逃げてしまいました。

壁一枚を隔ててモリを刺す“陰険打ち”や、“ブクブク”状態にしてその背後を通るなど、アーケード版でも使えたテクニックが流用可能です。

 プレイしてみると、アーケード版『ディグダグ』を経験している人には、ちょっと物足りなさを感じる仕上がりだったかもしれません。中でも一番の困りごとだったのは、モンスターを倒したりベジタブルターゲットを取った時に、ビープ音が鳴ってゲームの進行が一瞬止まることです。さすがにこれは、何とかしてほしかったと思いました。モンスターのアルゴリズムがアーケード版と違うのは、慣れるとこれはこれで面白く感じられたので、ある意味なかなか絶妙な移植だったのかもしれません。

マイコンソフトがナムコタイトルを移植し始めた頃の広告では作品本数も少なかったので、画面写真もそれなりに大きく表示されていました。

 PC-8801版はラウンド1-6までは遊びのようなもので、ラウンド7になるとスタート直後に多数の敵が目変化してディグダグを襲いにきます。ここを突破できるかどうかで、プレイヤーの腕前も分かるかもしれません。

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