ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

90年代にゲームセンターで見かけた、あのゲームの元祖がここに『キャノンボール』~

他のハドソン製ゲームと同じく、カセットテープのケースに収められています。パッケージイラストに当時、ちょっとした未来を感じた人もいたのでは?

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、ハドソンソフトから1983年に発売された『キャノンボール』を紹介します。

ロードが終わってもタイトルロゴのようなものは表示されませんが、この画面内をボールが弾んでいるのを初めて見たときは、そのリアルさに驚いたものです

 『デゼニランド』などの大ヒット作を発売するまでのハドソンソフトは、数多くの作品をリリースしていたことでも知られていますが、そのうちの1本が『キャノンボール』です。同名タイトルの映画を思い浮かべた人もいるかもしれませんが、それとはまったく関係が無いアクションゲームでした。

 プレイヤーは主人公を操作し、フィールドに出現した巨大なボールに銛を当てて大きさを半減させていき、最終的にすべてのボールを消すのが目的です。ボールは画面内をボヨンボヨンと飛び回っていますが、銛が当たると2つに分かれて半分の大きさになります。これを繰り返し、一番小さなボールの時に銛を当てれば消滅させることができます。

スペースキーを押すと、銛を打ち上げます。先端だけでなく伸びていく部分にも当たり判定があるので、そこをうまく使うのがコツです。ただし、最下段から主人公の手の先部分までは隙間が空いているため、ここにボールが入り込んで当たらないことも

 ステージ1はボールが1つからのスタートですが、面を重ねるごとに初期出現ボールも増えていくので、かなりの腕前が要求されるようになっていきます。最初に発売されたX1版、PC-8001mkII版、FM-7版ともに、MSXのスプライトのような機能を持っていないにもかかわらず画面内を所狭しとボールが跳ね回るので、当時はその技術力に驚かされたものです。

当時の広告を見てみると、同じ時期には『爆弾男』がリリースされているのが分かります。最初に発売された機種も『キャノンボール』と同じく、X1、PC-8001mkII、FM-7版でした

 最初は1つしかないボールも銛を当てて分裂させるごとにドンドンと数が増えていくため、何も考えずにプレイすると画面中がボールだらけになり、すぐに逃げ場が無くなってしまいます。長続きさせるコツは、1つのボールだけを集中して攻撃していくこと。また、銛の伸びていく部分にも当たり判定がありますので、そこを上手に利用するのも大事なポイントです。

 道中、パワーアップのようなアイテムは一切登場しないため、プレイヤーの気力と集中力が問われます。大勢でプレイしてのハイスコア争いを行えば、集中の邪魔し合いで盛り上がること間違いなし、かもしれません?

闇雲に銛を当ててしまうと、画面内がボールだらけになって逃げ場を失うことに。こうならないためにも、計画的に当てていく必要性があります。

 集中力が切れると、すぐに画面内を跳ね回るボールの挙動に惑わされてしまい、予期せずにボールに潰されてしまうこともよくあります。ミスをしてしまうと、その面の最初からやり直しになるのですが、ステージが進んでからのラストボールで当たってしまうと、その絶望感は筆舌に尽くしがたいほどでした。

 シンプルなルールでついついハマってしまうため、90年代のゲームセンターでは本作のシステムを元にパワーアップなどを追加した『ポンピングワールド』のようなタイトルが、数多く稼働していました。

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