ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

驚くほど滑らかに縦スクロール、名作シューティングゲーム『NOBO』

パッケージ表面にはタイトルロゴと、スクリーンショットが1枚載っているのみですが、裏面には1周29分にも及ぶ戦いがダイジェストで書かれています

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、COMPACから1985年に発売されたFM-7用の縦スクロールシューティングゲーム『NOBO』を取り上げます。

発売のタイミングでは、他のソフトを抑えてページの2/3を使い宣伝を行っていました

 1983年にゲームセンターで『ゼビウス』が稼働し始めると、世の中のパソコンユーザーの多くが「あれを自宅のパソコンで遊べないものか……」と考えます。その結果として、本家『ゼビウス』が発売されたり、または多数の似たようなソフトがリリースされたりもしました。PC-8801とPASOPIA7用の『アルフォス』や、PC-9801向けの『デルフィス』のほかに、今回取り上げた『NOBO』も、そんなタイトルの1つでしょう。

 第2回I/Oプログラム・コンテストにて優秀賞を受賞した『NOBO』は、工学社から発売されていた月刊誌『I/O』1985年7月号にタイニー版のプログラムが掲載され、同じようなタイミングで製品版が発売されました。プレイヤーは高速戦闘機ファメロを操作し、対空ミサイルと対地爆弾を上手に使い分けて敵を攻撃、全16エリアの攻略を目指します。

スクロールと共に空中物と地上物の敵が現れるので、先手必勝で倒していきます。地上物は微妙なタイミングで弾を撃ってくるので、油断しているとすぐにミスしてしまいます

 一周、約29分に及ぶ戦いでは、ワープするミサイルが飛んできたり破壊不能な回転板の襲来、さらには突然現れて電磁ビームを撃ってくる敵などが出現します。これらの兵器は空中物が1機1ポイント、地上物を1機2ポイントとして計算され、合計300ポイント分を破壊すると自機ファメロが1機追加となるので、積極的な攻撃が重要になってきます。

 マニュアルには16エリアの簡易マップと、各エリアごとの簡単な攻略法が時間経過と共に記載されているので、プレイ開始前に読んでおけば役に立つこと間違いないでしょう。

 驚くべきはそのスムーズなスクロールで、当時発売されていたゲームの中でも1、2位を争うほどの滑らかさがありました。ゲーム性は『ゼビウス』の方が高いかもしれませんが、それよりも滑らかにスクロールする画面を見て、心惹かれた人も多いはずです。

『ゼビウス』と違い、地上へ攻撃する際の照準が表示されていませんので、慣れるまでは距離感をつかむのに苦労するかもしれません。射程は思ったよりも短いので、それを意識すると上手に当てられます
道中には、破壊できない空中物・回転板も登場します。もちろん、対空ミサイルを256発当てても壊れません(笑)

 『ゼビウス』と違う点といえばもう一つ、ミスしたときの再開方法も挙げられます。『ゼビウス』ではエリアの70%を越えない限り同一エリアのスタート地点からやり直しとなりますが、『NOBO』はミスをしても即その場からゲームが再開されます。これにより、マニュアルに書かれているような時間経過でのアドバイスが可能となっていました。

 『NOBO』は富士通純正ジョイスティックだけでなく、電波新聞社製ジョイスティックXE-7にも対応していたので、より多くの人がジョイスティックでのプレイを楽しめたと思われます。もちろんキーボードでもプレイ出来ますが、斜め移動は1、3、7、9を押さなければならなかったり、5を押さない限り自機がストップしないといったお馴染みの仕様があるので、ゲームセンターで遊んでいるような雰囲気を醸し出すためにもジョイスティックは必須と言えたかもしれません。

先へ進むと、多数の砲台を備えた巨大なピラミッドなども出現します。これらの障害を乗り切り、29分に及ぶマップの完全攻略を目指します

 ちなみに、本作はFM-7シリーズだけでなくMZ-2500用にも発売されていましたが、そちらは出荷数が少ないためか見かけたことがほとんど無いので、かなりのレアアイテムではないかと思われます。

ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち 連載一覧