ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
驚くほど滑らかに縦スクロール、名作シューティングゲーム『NOBO』
2019年12月10日 06:00
当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、COMPACから1985年に発売されたFM-7用の縦スクロールシューティングゲーム『NOBO』を取り上げます。
1983年にゲームセンターで『ゼビウス』が稼働し始めると、世の中のパソコンユーザーの多くが「あれを自宅のパソコンで遊べないものか……」と考えます。その結果として、本家『ゼビウス』が発売されたり、または多数の似たようなソフトがリリースされたりもしました。PC-8801とPASOPIA7用の『アルフォス』や、PC-9801向けの『デルフィス』のほかに、今回取り上げた『NOBO』も、そんなタイトルの1つでしょう。
第2回I/Oプログラム・コンテストにて優秀賞を受賞した『NOBO』は、工学社から発売されていた月刊誌『I/O』1985年7月号にタイニー版のプログラムが掲載され、同じようなタイミングで製品版が発売されました。プレイヤーは高速戦闘機ファメロを操作し、対空ミサイルと対地爆弾を上手に使い分けて敵を攻撃、全16エリアの攻略を目指します。
一周、約29分に及ぶ戦いでは、ワープするミサイルが飛んできたり破壊不能な回転板の襲来、さらには突然現れて電磁ビームを撃ってくる敵などが出現します。これらの兵器は空中物が1機1ポイント、地上物を1機2ポイントとして計算され、合計300ポイント分を破壊すると自機ファメロが1機追加となるので、積極的な攻撃が重要になってきます。
マニュアルには16エリアの簡易マップと、各エリアごとの簡単な攻略法が時間経過と共に記載されているので、プレイ開始前に読んでおけば役に立つこと間違いないでしょう。
驚くべきはそのスムーズなスクロールで、当時発売されていたゲームの中でも1、2位を争うほどの滑らかさがありました。ゲーム性は『ゼビウス』の方が高いかもしれませんが、それよりも滑らかにスクロールする画面を見て、心惹かれた人も多いはずです。
『ゼビウス』と違う点といえばもう一つ、ミスしたときの再開方法も挙げられます。『ゼビウス』ではエリアの70%を越えない限り同一エリアのスタート地点からやり直しとなりますが、『NOBO』はミスをしても即その場からゲームが再開されます。これにより、マニュアルに書かれているような時間経過でのアドバイスが可能となっていました。
『NOBO』は富士通純正ジョイスティックだけでなく、電波新聞社製ジョイスティックXE-7にも対応していたので、より多くの人がジョイスティックでのプレイを楽しめたと思われます。もちろんキーボードでもプレイ出来ますが、斜め移動は1、3、7、9を押さなければならなかったり、5を押さない限り自機がストップしないといったお馴染みの仕様があるので、ゲームセンターで遊んでいるような雰囲気を醸し出すためにもジョイスティックは必須と言えたかもしれません。
ちなみに、本作はFM-7シリーズだけでなくMZ-2500用にも発売されていましたが、そちらは出荷数が少ないためか見かけたことがほとんど無いので、かなりのレアアイテムではないかと思われます。
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