ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

夢幻戦士ヴァリスやデジタルデビル物語 女神転生などのBGMを収録したソフト『TELENET MUSIC-BOX』

赤と黒のカラーしか使用していない、非常に目立つパッケージデザインになっています。画像が1枚も存在しないのが、ユニークなところでした。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、それまでに発売されたゲームで使用された楽曲をすべて聴けるという、ゲームミュージックプレイヤーに特化した作品『TELENET MUSIC-BOX』です。

『TELENET MUSIC-BOX』単体での広告は見当たらず、ソフト4本ラインアップのうちの1本として紹介されていました。

 1985年の『AMERICAN TRUCK』から始まり、ビジュアルシーンとアクションゲームを高いレベルで融合させた『ファイナルゾーン』や『夢幻戦士ヴァリス』といった名作を数多く生み出してきたソフトハウス・日本テレネットですが、それら作品に共通する特徴として“ハイクオリティなBGM”が挙げられるでしょう。

 そんな、多くの人の心を打ってきた名曲を一堂に集め、ディスクをセットすれば“あの曲”も“この曲”も聞き放題というユニークなソフトが、1989年3月に発売された本作『TELENET MUSIC-BOX』です。価格は2,980円で、当時のゲームソフト1本分のお値段と比べると、ほぼ半額程度となっていました。

起動すると、軽妙なBGMと共にタイトル画面が現れ、キーを押すとミキサーや鍵盤などの楽器が表示されるメニュー画面となります。

 BGMが収録されている作品は、本作が発売されるまでにリリースされた『AMERICAN TRUCK』『アルバトロス』『FINAL ZONE』『夢幻戦士ヴァリス』『デジタルデビル物語 女神転生』『LUXOR』『神羅万象』『ANDOROGYUNUS』『プロ野球FAN』『SAZIRI』『XZR エグザイル』『XZRII』『DEATH BRINGER』の全タイトルで、162曲にも及ぶ全曲を網羅しています。

 ソフトを起動すると、タイトル画面が表示された後にメイン画面となります。ここでプレイスタイルを“NORMAL”や“TITLE”などからテンキーで選び、続いて楽曲を選択してリターンキーで再生すればプレイ開始です。実際のゲームでは、オープニングBGMなどは無限ループで鳴っていましたが、後述するリピートモード以外での再生は基本的に1ループのみでした。

楽曲プレイ中はレベルメータが上下したり、弾いている音階が鍵盤でわかるようになっているので、見ているだけでも飽きません。また、右上には各作品のイメージイラストも表示されます。

 用意されていたモードは、全タイトルの曲を続けて演奏したり好きな1曲を選んでプレイするノーマルプレイモード、好きなタイトルのBGMのみ再生するタイトルプレイモード、好みの楽曲のみ繰り返し演奏するリピートモード、お任せのシャッフルモードにくわえて、ユーザーの好きな曲を15曲まで自由にプログラムして再生できるプログラムモードもありました。

 このプログラムモードでは、選んだ楽曲をプログラムリストとして保存、次回起動時に再び呼び出して再生させることができます。

同じ楽曲でも、サウンドボードIIを搭載している時とそうで無いときではレベルメータなどの表示も異なるなど、細かい部分にもこだわっていました。なお、一部の曲はアレンジされたバージョンでの演奏となります。

 PC-88シリーズ向けに発売されていた日本テレネットのタイトルは、途中からいわゆるサウンドボードIIに対応したBGMが増えましたが、本作はPC-8801mkIISR以降でサウンドボードIIを搭載しているか、またはPC-8801FA/MA/MA2/MC/VA2/VA3シリーズであれば、サウンドボードII対応の楽曲をそのまま聴くことができました。サウンドボードIIに対応していない状態のハードで再生した場合は、標準搭載されているFM音源を使用したサウンドとして奏でてくれます。

 とはいえ、できればサウンドボードIIを利用できる環境で実行させた方が、耳だけでなく心にも良い(?)というもの。LINE端子にスピーカを接続しておけば、大迫力で『夢幻戦士ヴァリス』の名曲「Miss BLUEに微笑みを」や、『LUXOR』のオープニング「Nights over Egypt」を鑑賞することができます。なお『夢幻戦士ヴァリスII』のBGMは収録されていませんが、これは「ヴァリスII」発売前のタイミングで本作がリリースされたからでした。

通常はノーマルモードで、1タイトルのみの楽曲を聴きたい場合はタイトルモード、同じBGMを何度も聞きたいならリピートモードと、必要と思われる再生方法は網羅されています。

 音楽CDという形ではなく、ソフトラインアップの1本として音楽集を発売したのは当時としても珍しいことですが、「オープニングを見て聞くと満足」という日本テレネット好きは大勢いたので(笑)、そういう意味でも需要は多かったと思われます。ちなみに、『TELENET MUSIC-BOX』は他にもPC-98シリーズ版やX68000版が発売されているので、それらを集めて聞き比べしてみるのも面白いかもしれません。

プログラムモードを使えば、ノっているときに聞きたいBGMを集めたセットや、物思いにふけりたいときの楽曲集といったプログラムリストを作って保存しておいて、いつでも呼び出すことができます。自分だけのフェイバリットリストを作るのも簡単。

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