ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

3機の合体シーンが印象的だった超メカシューティング『ヴォルガード』

パッケージに描かれているのは、ヴォルガードとして戦っているシーンです。今のロボットイラストよりも、各パーツがスッキリしているのが印象的です。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、デービーソフトから1984年に発売された超メカシューティングゲーム『ヴォルガード』となります。

 1980年代のパソコンと言えば、まだまだ“男の子”たちがメインのユーザーでした。彼らの大部分は子供時代、合体するロボットアニメを見て育っているので、そんな人たちをターゲットにして作られたであろうソフトがデービーソフトの『ヴォルガード』です。

広告では、3機合体のシーンが大きくピックアップされていました。「あのゼクサス、フラッピーの作者が君に贈る自信大作!」という一文から、『ゼクサス』『フラッピー』と同じ作者のなのが分かります。
この時期にしては珍しく、開発者のクレジットが表示されるデモがあります。その後にタイトルロゴが現れる演出がカッコイイです。

 プレイヤーは戦闘機(ファイター)を操作し、対空攻撃のブラスターと対地攻撃のスマッシャーを使い分けながら敵を倒します。画面下にはエネルギーゲージが表示されていて、これが一定量まで溜まるたびに増援が到着、Fullになると3機がアニメーションで合体してヴォルガードに変形! 以降はロボットの状態で戦うことになります。

 ヴォルガードになると、それまで行えてた対地攻撃ができなくなりますが、代わりにブラスターよりも威力が強力なハイパーキャノンで敵を攻撃することができました。各ステージの最後には敵母艦が登場し、弾を大量に放ってきます。これを避けつつ、弱点をハイパーキャノンで狙い撃ちすることが出来れば敵艦は炎上、大爆発して次のステージへと進みます。ファイターのまま敵母艦と遭遇すると、ブラスターでは攻撃力が低いためダメージを与えることができず、手詰まりとなってしまうのでした。

派手なシューティングゲームかと思いきや、撃つとエネルギーが減って合体できないというシステム上、弾を撃たずに先へと進む地味な展開になります(笑)。エネルギーが一定まで溜まると、REINFORCEMENTの表示と共に自動的に自機が画面後ろまで移動し、援軍が背後に追加されます。

 本作の醍醐味は、なんといっても3機が合体してヴォルガードになる瞬間でしょう。テレビのロボットアニメバリにスムースに変形、合体する様はなかなか格好良く、その部分が広告などでもウリとして前面に押し出されていたため、購入前はワクワクしたものです。しかしプレイしてみると分かるのですが、肝心の合体するまでが一苦労でした。ファイター時、スマッシャーは何発撃っても問題無いのですが、ブラスターは発射するごとにエネルギーが減ってしまうのです。そのため、シューティングゲームのように撃ちまくって戦うと永遠にエネルギーが溜まらず、結果として合体シーンを拝むことが出来ないシステムとなっていたのでした。

ヴォルガードになれば、敵弾や体当たりを喰らってもエネルギーが減るだけで、そう簡単にはやられません。しかし、ハイパーキャノンを撃ってもエネルギーが失われるので、ファイター時と同じく地味な戦いになります。

 また、増援が到着しても途中で2機目や3機目がやられてしまうと、再びエネルギーを溜めなければならないため、かなりイライラが募ります(笑)。なんとかエネルギーを溜めて合体しヴォルガードに変形したとしても、今度は当たり判定がファイターより大きくなるだけで無くハイパーキャノンのエネルギー消費量が多いため、今まで以上にショットを撃てなくなるのでした。

これが、ステージ最後に登場する敵母艦です。弱点にヒットさせない限り倒せないので、かなり厳しい戦いを強いられます。うまくウィークポイントに当てられれば、写真のように大爆発!

 今プレイしてみると、援軍が増えるごとにショット数が多くなる(3機になると最大3発が発射可能)システムは悪くないと思うのですが、ブラスターを撃つだけでエネルギーが減ってしまうのがキビシイと感じる部分でした。もし、空中の敵や地上物を破壊するとエネルギーが増えたり、ハイパーキャノンを撃ってもエネルギーが減らなければ、もう少し遊びやすい内容になったのではと思われます(FM-7版、PC-88版、X1版)。

プレイ中にESCキーを押すと、ゲームスピードとステージ変更を行えます。遅くすれば難易度も下がるので、難しいと思った人は調整してみては?

 『ヴォルガード』は、当時としては有名なシューティングゲームとなり、デービーソフトは『フラッピー』などと共に本作でも名前を知らしめることに成功し、有名ソフトハウスとしてユーザーへの知名度を上げるのでした。

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