ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

ボーステックが放つシューティングゲーム『超時空要塞マクロス カウントダウン』

リン・ミンメイとマクロスのイラストが描かれたパッケージとなっています。これはX1版ですが、PC-88用はディスク版なのでタイトルロゴが中央上部に配置されていて、右下にはJASRACのシールも貼られていました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、ボーステックから1985年5月に発売されたシューティングゲーム『超時空要塞マクロス カウントダウン』となります。

広告では、「ちまちまのALEX BROSの最新作!」というあおりで宣伝されていたこともあり、『妖怪探偵ちまちま』の影響力が大きかったことがわかります。当時としてはスピード感のある横スクロールシューティングゲームとして登場したのですが、同時期に『テグザー』が発売されてしまったことで、盛り上がりを奪われてしまった感じがありました。

 アニメやマンガなどを原作としたゲームは、オリジナル版の人気が高ければヒットするのではないかという見込みが立てられるため、パソコンやアーケード、コンソール機などで幅広く発売されてきました。パソコンソフトとしては古くは「超人ロック」や「ゴルゴ13」、そして「ルパン三世」などがありましたが、今回取り上げた『超時空要塞マクロス カウントダウン』もそのうちの1本で、アニメを元としたゲームとなっています。

 発売されたのは1985年5月下旬で、価格はテープ版が4,500円、フロッピーディスク版が6,500円、MSX用のROM版が5,800円でした。本作のストーリーは、以下のようになっています。

ファイターは、スピードは最も早く移動力に優れている代わりに小回りが利かない/ガウォークは飛行・歩行で小回りが利き、スピードもやや速い最も戦闘力のある型/バルキリーはスピードは遅いものの3タイプの中で唯一8方向にミサイルを発射できる、という特徴付けがなされています。ただし、変形時は無防備で操作もできないため、敵が出現しているときには為す術なく被弾してしまうことも……。

 西暦1999年、人類のテクノロジーをはるかに超えた謎の宇宙船が地球に飛来した。それは、地球外知的生命体の存在と大宇宙を戦場とする闘争のあることを人類にしらしめた。墜落した巨大戦艦の修復に10数年の年月をかけ、ここに謎の宇宙船は巨大戦艦マクロスとしてよみがえった。しかし、それは戦いの第一歩でもあった……。

 ゼントラーディ軍にとらわれた、リン・ミンメイを救おうと一人バルキリーに乗り、マクロスを発艦した一条輝。敵陣の中、ミンメイを見つけ出すために広大な宇宙へ。今、君(一条輝)とゼントラーディの戦いがはじまる。-カウント ダウン-

敵は画面右側から現れるので、出現即破壊すれば弾を撃たれないため安全に進めます。地形が登場するようになると、障害物の影に砲台が設置されていたりするので、バルキリー形態で応戦すると良いでしょう。

 プレイヤーは主人公の一条輝となり、敵を倒しながら先へと進み、敵宇宙船内奥深くに捕らわれているリン・ミンメイを助けるのが目的となります。自機のバルキリーはジョイスティックで操作し、トリガー1ボタンでガンポットからのミサイルを発射、トリガー2ボタンで変形となっていました。ミサイルは4連射まで出せるので、ある程度の敵数にも対応することができますが、連射装置に頼るとかえって連射速度が落ちてしまうこともあるので、手連射で頑張るのが正解です。

 トリガー2ボタンを押すと、最初はファイター形態だったのがバトロイドへ、さらにもう一度押せばガウォークへと変形します。ここで再びトリガー2ボタンを押すとファイターになるのですが、ファイター形態でもトリガー2ボタンを素早く2回押せばバトロイドを経ずにガウォークへと一足飛びに変形することもできました。キーボード操作であればフルキーの1でファイター、2でガウォーク、3でバトロイドに一発で変形するので、どちらかプレイしやすい方を選ぶのが良いでしょう。

 さらに、トリガー1とトリガー2を同時に押すと、扇状に弾を発射する10連発ミサイル攻撃が行えます。画面中央の赤い四角が表示されている数だけ使うことができて、ストックは最大3つ。使用しても、一定時間が経過すると自動で1つずつ回復する仕組みでした。使用制限はないので、常に2つの状態にしておいて、3つ目が点灯したら撃つ、というのも手段の一つです。

敵が多数登場する場面では、10連発ミサイル攻撃が効果的です。どれだけ使用しても一定時間で回復するので、惜しまずに使っていくのがコツとなります。

 中央下段にはレーダー画面が表示されていて、自機は白い点、青い点が自機が撃った弾、敵機は黄色い点、敵弾は赤い点で表示されていました。レーダーは、画面で見えている範囲より少し先の敵にも反応して表示してくれるので、レーダーとメイン画面の両方を同時に見ながら戦っていくのがコツとなります。

 パッケージにはアクションゲームと書かれていますが、実際はバリバリのシューティングゲームとなっていて、後半になると思った以上の激しい攻撃をくぐり抜けながら先へ進むことを要求されるのが難しい部分でしょう。幸い、多数の敵が一度に登場すると少々の処理落ちが発生するので、それを利用して危険を避けるのも一つの手です。

敵宇宙船内に入ると背景がつくので、敵弾が少々見づらくなります。ここからは今まで以上に出現即破壊が大事になってきますので、とにかく先手必勝です。背景と手前が2重スクロールしているので、奥行き感が感じられるのはナイスな演出でした。

 基本的には、敵を倒しつつ一定距離を進むとクリアとなり次のシーンへと移行するので、これを繰り返していき宇宙から敵の船内へと侵入していきました。最後に関してはマニュアルに「ラストは船の側面部(壁)にあたる、そのどの部分かを破壊すれば、ミンメイに会える」との記述があるのですが、そこへたどり着くまでにはかなりの時間がかかりますので、余裕のあるときのプレイをオススメしたいです。

 ちなみに、本作の作者は『妖怪探偵ちまちま』と同じ、ALEX BROSさんでした。

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