ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

シンプルなルールと熱い攻防、ノリの良いBGMが揃った秀作「魔城伝説」

この時期のコナミお馴染みのパッケージです。楕円形の中にイラストが描かれているのが共通している部分です

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げるのは、コナミがMSX用に発売していたタイトル「魔城伝説」です。

 MSX規格に対応したパソコンが発売されると、さまざまなソフトハウスがMSX向けに作品をリリースするようになります。中でも、他より一歩飛び抜けたクオリティのゲームを送り出していたのが当時のコナミでした。同社からは数多くの名作が飛び出していますが、そのうちの1本が今回取り上げた「魔城伝説」です。

当時、「グラディウス」「グーニーズ」に続くコナミのPC-8801mkIISRシリーズ/X1シリーズ向けソフト第3弾「魔城伝説II ポポロン激闘編」として、移植がアナウンスされていました。残念ながら未発売に終わっていますが、どのようなゲームに仕上がっていたのかが気になるところです

 プレイヤーは主人公の勇者ポポロンを操作し、魔王ヒュドノスにさらわれてしまったアフロディーテ姫を助け出しに向かいます。道中は強制縦スクロールで進み、現れる敵は武器を使って倒し、時々出現するパワーアップアイテムやブロックを利用しつつ、ステージの最後にいるボスを目指します。

シンプルなタイトル画面です。エンディングを見ようと思うのであれば、しばらくは電源を落とせない日々が続きます

 初期段階でのプレイヤーの武器は1本2連射のアローですが、時々前方から漂ってくるウェポンクリスタルにショットを当てることでツインアロー→ファイアー→ブーメラン→ソード→ファイアーアロー→無地→ツインアロー……と変化するので、好きな場所でゲットすれば武器が変わります。同じ武器を2回続けて取ることで、連射力が上がったり攻撃範囲が広がるなどのパワーアップも可能です。

 また、同じく時々出現するパワークリスタルもショットを当てることで青→水色→白→赤→黒→青……と色が変わり、獲得した時点での色に対応したポポロン自身のパワーアップが得られます。スピードアップの青は必須で、次に敵弾を数発防げるシールドが張れる水色、そして当たり判定が数十秒間なくなる白が、攻略には重要になるでしょう。

画面上からは敵が現れるので、ショットを当てて倒します。画面内に見えるブロックのうち、水色のルークは点数アップ、ナイトは画面内の敵を全滅してくれます

 地面には“?”と描かれたブロックが配置されていて、数発撃つとチェスのマークが現れ、上を通るとさまざまな効果が発揮されます。中には、ショットを当てることで現れるブロックや、残機が増加したり先のステージへワープできるものもありますが、良い効果をもたらしてくれるブロックほど耐久力が高いので、連射力が求められます。

 序盤はそれほどでもありませんが、中盤を過ぎると画面の前方だけで無く左右からも敵が出現し容赦なく弾を撃ってくるので、慎重な操作が求められます。1種類の武器だけで進むのは難しいため、場面に合わせて切り替える必要性も出てくるなど、なかなか歯ごたえのある内容に仕上がっていました。コンティニュー機能も無いため、ゲームオーバーになるとまたステージ1からのプレイし直しなので、クリアまでのハードルは非常に高いです。

各ステージの最後には、ボスが待ち構えています。かなりの耐久度を誇るので、攻撃を避けながら地道にダメージを与えていきましょう。全8ステージで、最終面をクリアすれば……

 とはいえ、電源を落としたりリセットしなければ、ゲームオーバーになっても次のプレイで以前に到達したことのあるステージまでのワープが可能なブロックが登場するため、それを利用すれば最終面までたどり着くことができると思います。もちろん、それ相応の腕前が要求されますが、連射装置が備わっているMSX本体かジョイパッドを使用すれば、戦いはかなり楽になるハズです。入力すると透明になれる裏コマンドや、「ゲームを10倍楽しむカートリッジ」などを使用して頑張ってください。現在はPS、SS版「コナミアンティークスMSXコレクション Vol.2」や、バーチャルコンソールでのプレイが可能です。

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