ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

コンパクトながらもツボを抑えたリバーヒルソフト初期の秀作ミステリアドベンチャー「手掛りを探せ」

ペンションの上に、犯人とおぼしき人物の目が描かれた、いかにもなイラストが描かれたパッケージになっています。下段には、ユニオンプランニングとリバーヒルソフト、双方の名前が見えます

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、リバーヒルソフト初期の秀作『手掛りを探せ』を取り上げました。

 アドベンチャーというジャンルがブームになった1980年代前半、隠された宝を探したり囚われたヒロインを助けるなどさまざまな物語が作られました。そのうちの一つであるミステリ分野を得意としていた、リバーヒルソフトがリリースしたタイトルが『手掛りを探せ!』です。本作の製作販売はユニオンプランニングで、企画がリバーヒルソフトとなっています。

広告では、サスペンスアドベンチャーゲームとして紹介されていました。PC-8001mkII版やPC-8801版では、建物内のグラフィックにマゼンタをベースとしたカラーリングを採用していたのが斬新に映りました
パッケージは大きいですが、中を開けると入っているのはカセットテープケースです。中身だけで流通していたのか、そこも気になります

 麦畑の中にポツンと建っている、2階建てのペンション。普段は暇だというのに、どういうわけかあの日は一度に4人もの泊まり客があった。男が3人に女が1人、オマケに客の一人はうるさい男で、文句ばかり言ってくる。そんな連中が寝静まった深夜にウトウトしていると、2階から奇妙の物音が聞こえてきたんだ。慌てて2階へと駆け上がると、そこにはあの、口うるさい客の死体が……。慌てて他の客たちを探したが、なぜかその姿が見あたらない。果たして、事件の真相は!?

 プレイヤーはペンションの管理人となり、そこで起きた殺人事件の手掛かりを探しながら殺人の謎を解き、犯人を見つけていきます。ペンションはピンク色で表示され、画面の右側には残っている泊まり客3人のCGが描かれています。容疑者でもある彼らは、ゲームの進行と共に意外な事態へと陥るのですが……。

 この時代のタイトルらしく、行動は動詞→名詞と入力するコマンド入力方式を採用しています。コマンドは英語でインプットする必要がありますが、画面に表示された物体の名前は説明文に書かれるため、それほど悩まずにプレイすることができました。ただし、それを逆手に取ったトリック(?)もあるので、油断せず常に脳内の思考ルーチンを稼働させなければなりません。

描画速度はそれほど早くありませんが、PC-8001mkII版ではマゼンタをバックに黒で輪郭を描きペイントしない手法を採っているため、スピード面でのストレスは感じません
ペンション内を探し回ると、宿泊客の一人が死体として見つかります。この後、行動回数が制限されてしまうわけですが……そこをクリアして、真犯人に迫ることはできるでしょうか?

 本作の難易度を高めているのが、とある理由によって行動回数が制限されるシーンの存在です。ここをクリアするには、トライ&エラーを繰り返して正解の手順を探さなければなりません。ただし、行動制限回数を超えてしまうとゲームオーバーとなり、最初からやり直しとなります。全体的なボリュームは少な目で途中セーブが用意されておらず、このやり直しがツライですが、そのぶん越えられたときの嬉しさはひとしおです。

 大勢でプレイすれば、ゲームオーバーになっても新しい解決策を思いつく人がいるかもしれませんので、ぜひネットでヒントを検索せずに頑張ってみてください。

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