ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

映画の興奮を感じられる謎解きアクション、MSX版『グーニーズ』

この時期お馴染みの紙パッケージで、映画のポスターなどに使われていたのと同じイラストが使用されていました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、コナミが1985年にMSX用ソフトとして発売したアクションゲーム『グーニーズ』です。

 1985年に公開され、大ヒットとなった映画『グーニーズ』は、その後に小説化されたりアドベンチャーブックが発売されるなど、さまざまな展開を見せます。そのうちの一つにゲーム化があり、ATARIやコモドール64といった海外のPC向けにリリースされたほか、国産パソコン向けにも登場します。

 そして、1985年末にコナミから発売されたのがMSX版『グーニーズ』です。映画での主人公はマイキーですが、本作ではフラテッリー一家の三男・スロースがプレイヤーキャラクターでした。マニュアルに書かれたストーリーは、以下のようになっています。なお、ギャング一家の読み方についてはいくつかの表記があるようですが、本記事ではマニュアルに書かれている「フラテッリー」に統一しました。

広告では、「グーニーズ体験は早い方がいい」「冒険は、危険なほど面白い。」とのキャッチコピーで、大きく取り上げていました。ちなみに、発売日はWebArchiveに残るコナミのHPによると、1985年12月23日となっています。

 ここはGOON DOCKSという静かな港町。マイキー、ブランド、マウス、チャック、データは、自分たちのことをGOONIES(グーニーズ)と呼ぶ仲間。ある日グーニーズは、マイキーの家に集まったものの、ゴルフコース建設のため、この土地から追い出されそうになっているので憂うつだ。ところが、屋根裏で善後策を考えている時、なんと伝説の海賊、片目のウィリーの宝のありかを示した古い地図を見つけ出した。さっそく行動を起こしたグーニーズは、途中出逢ったチア・ガールのアンディと彼女の友人ステファニーを巻き込み、7人でアドベンチャーを開始する。

 入江のそばに立つ灯台とロッジ。あれが宝物への入口だ!グーニーズは、そこの地下室で秘密の洞窟を発見し、中へ入っていった。しかし、そこは恐ろしい悪党フラテッリー・ギャングの隠れ家だった。グーニーズはギャングに襲われ大ピンチ!なんとフラテッリー一家に見事全員捕まってしまう。しかし、グーニーズにはスロースという強い味方がいた。彼は、途中チャックが知り合った、地下室に閉じ込められていた男だった。果たして彼は、宝物を上手く拾いながら7人のグーニーズをギャングの手から救い出せるだろうか。

一番数多く出現するしゃれこうべは、左右に往復移動するものの他に飛び跳ねるものもいます。軌跡を読まないと倒すのが難しく、ザコにもかかわらずVITを減らして悔しい思いをすることも。

 プレイヤーはスロースを操作して、牢屋に閉じ込められた7人のグーニーズを助けるのが目的となります。カーソルキーの左右で移動、上キーを押すと平地ではジャンプ、ツタのある場所では上に登れるほか、下を押せばツタを降りられます。スペースキーを押すとパンチ攻撃を行い、敵に当たれば倒すことができるのですが、フラテッリー一味はその場で気絶するだけで、一定時間が経過すると起き上がるのが厄介なところでした。

 スロースには100%のVITと0%のEXPが最初に用意されていて、敵を倒すとEXPが増え、敵に接触したり弾や水滴、鍾乳石などに当たるとVITが減ります。VITが0%になるとゲームオーバーですが、EXPが100%になるとVITが少し回復するほか、牢屋を開けたときに出現するVITドリンクを飲んでもVITが少々増えました。これら以外にVITを回復させる手段はないので、慎重に行動する必要があります。

各シーンには、押しつぶされると一発アウトの上下に動く岩や蒸気が噴き出すパイプ、頭上から落ちてくる鍾乳石や水滴など、ギミックがさまざま設置されています。隣の画面に移動した途端に鍾乳石が降ってくる場所など、なかなか意地悪い配置になっている場所もあるので、ある程度はマップを描いた方が楽に攻略できます。

 洞窟の中にはフラテッリーギャングだけでなく、しゃれこうべを始めとした敵もうろついているため、それらを倒しつつ、時には上手に逃げながら、洞窟内に落ちているカギを拾い、牢屋を開けて仲間を救出していきましょう。洞窟内には仲間の数以上の牢屋があるのですが、ハズレの場合はVITドリンクが出現。グーニーズであれば、右下の◯が描かれている部分に助け出した仲間の顔が増えていく仕組みでした。無事に7人助けると、洞窟内にあるドクロマークの扉が開き、次のステージへと進めるようになります。

フラテッリーギャングは、色の違いで移動速度が変わってきます。また、遠距離から撃ってきたりもするため、常に気を配る必要がありました。

 1つのステージは、4画面で構成される5つのシーンが用意されていて、シーン間の移動はシャレコーベのゲートに入ることで行えました。自分が今、どのシーンにいるのかは画面右上に表示されているのですが、シャレコーベは各シーンに複数配置されていることもあるので、簡単なマッピングを行うのが攻略の秘訣となっています。

 ゲーム中には全部で20種類以上のアイテムが隠されていて、それらは“特定の画面”で“特定の行動をする”と出現、回収することでゲーム進行を助けてくれました(例外あり)。ほとんどのアイテムは一定回数使用すると消えてしまいますが、スロースがスピードアップするハイパーシューズのように効果が永続するものもあるので、ぜひとも回収しておきたいところです。

 しかし、その出し方が一筋縄ではいかないため、ノーヒントで進めるのは非常に大変でした。このあたりは、アーケードゲーム『ドルアーガの塔』を思い起こさせるものがありますが、自力で発見できたときの爽快感は格別なので、ぜひ何も見ずに全アイテム探しにチャレンジしてみてください。ただし、中には敵の移動が早くなってしまうハズレアイテムもあるので、ご注意を……

例えばシーン2の1では、牢屋の前を通るとハイパーシューズが出現します。この隠しアイテムを、すべて見つけられるでしょうか?

 ステージは全部で5つありますが、1ステージクリアするたびに、画面にはキーワードが表示されます。ゲームオーバー後にCTRL+Kキーを押すと「KEY WORD?」と聞かれるので、キーワードを入力すれば所持しているアイテムはそのままに続きからプレイが可能という、実質的なコンティニューシステムとなっているので、キーワードは忘れずにメモしておきましょう。

グーニーズ全員を助けるとドクロマークの扉が開き、そこに入れば1ステージクリア! しかし、すぐにまたさらわれてしまうわけですが……。

 ほどよい難易度と、隠されたアイテム探しが楽しい本作は、今でもオークションサイトやフリマアプリでよく見かけるので、気になった人は是非とも手に入れてプレイしてみてください。なお、MSX版以外にPC-8801mkIISR/X1/PC-9801用も発売されていますが、そちらはやや内容が異なりますので、また別の機会に取り上げたいと思います。

ステージクリア時に表示されるキーワードをメモしておけば、次回プレイはそこからスタートできます。今なら、スマートフォンで撮影すれば書き写し時の間違いもありません。

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