ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

マイコンソフトのFM-7用『RALLY-X(ラリーX)』

当時の『ラリーX』で使われたポスターの絵柄を、パッケージでも使用しています。タイトルは『RALLY-X』と書かれていますが、収録されているゲームの内容は『ニューラリーX』となっていました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、アーケードでは1981年に登場して、その後にパソコンへと移植されたナムコの有名なタイトル『ラリーX』を取り上げました。

『ラリーX』の広告は、1984年9月号に初めて掲載されました。『マッピー』や『ゼビウス』は横または縦方向のスクロールでしたが、本作は縦横スクロールだったため、「これが移植できるんだ!」と当時は驚いたものです。ちなみに、少し前になりますが83年10月販売ランキングを見ると、マイコンソフトが移植を手がけたPC-8001用『ディグダグ』は売り切れ続出だったそうです。

 1980年代、ゲームセンターでひときわ輝いていたメーカーの1つにナムコ(当時)があります。“あのナムコのゲームをパソコンでプレイしたい!”と考えた人も数多く、この時期の雑誌にはいわゆる“目コピ”で勝手に移植したナムコのゲームも数多く掲載されていました。

 そんな中、マイコンソフトはナムコの許諾をとって1983年の秋頃からナムコ作品をパソコンへと移植・発売を開始します。『パックマン』や『ギャラクシアン』『ディグダグ』が最初に登場し、それらは大ヒットを飛ばすことに。続いて『タイニーゼビウス』そして『マッピー』が移植され、その次のタイトルとして登場したのがFM-7用『ラリーX』でした。1984年8月10日に発売された『マイコンBASICマガジン』1984年9月号に初の広告が掲載されていることから考えると、ソフトがリリースされたのは同年7月中旬から下旬ではないかと思われます。

パッケージ裏には、登場キャラクター達の紹介などが書かれています。本記事では、この名前に準拠しました。

 プレイヤーは自機であるマイカーをテンキーの2、4、6、8で4方向に操作して、迷路内に隠されたチェックポイント(旗)を、画面右側に表示されているレーダーを頼りにクリア(回収)していきます。旗は全部で10本用意されていて、すべての旗を回収すればラウンドクリアとなり、次のラウンドへと進みました。ただし、各ステージにはマイカーの邪魔をする敵カーが走っていて、それに追いつかれてしまうと“BANG”の表示と共にミスになり、マイカーが1台減ってしまいます。また、マイカーは最初、満タンのFUEL(燃料)を搭載しているのですが、時間経過と共に減少、これが無くなると超ノロノロでしか走れなくなってしまうため、簡単に敵カーに追いつかれてやはり“BANG”の憂き目に。

 敵カーは、直線ではマイカーよりも速い速度で追いついてくるため、ジグザグに逃げるなどのテクニックが必要になります。それでも振り切れないときの危機回避手段として、マイカーには煙幕が用意されていました。BREAKキーを押すと路上に煙幕が表示され、そこに敵カーを巻き込むことができれば一時的に追撃から逃れられます。ただし、煙幕は燃料を消費するため、使いすぎればガス欠で動けなくなる事態に……

タイトル画面はありませんが、登場キャラクターと操作方法をデモ画面で見せてくれます。こういったデモ画面があると、当時はアーケードゲームっぽいと感じたものです。

 画面右側にあるレーダーには、旗の位置は表示されているものの、迷路の形状や障害物は表示されていません。そのため、メインの画面とレーダー画面を適宜見る必要がありました。旗は通常のものだけでなく、回収することで以降の各ポイントが2倍になるスペシャル・チェックポイントと、回収時点での残り燃料が点数に加算されるラッキー・チェックポイントも混じっています。スペシャル・チェックポイントはレーダー上で点滅しているため判別できるのですが、ラッキー・チェックポイントはそのような情報がないため、自ら探さなければなりません。

 さらには、コース上には障害物となる岩が置かれていて、これに当たるとマイカーは問答無用で“BANG”となりミスに。直線コースを移動中、いきなり現れた岩にぶつかってミスになったことがある人は、数知れないと思います。

画面構成はアーケード版と同じ横長で、右にレーダー、左にメイン画面となっています。迷路のパターンも同一ですが、敵カーの追いかけアルゴリズムはアーケード版とは少々変わっています。とはいえ、近づかれたときの恐怖感は同じ。煙幕を上手に使えるかが、先のラウンドへと進むコツです。

 ラウンド3、7、11……はチャレンジングステージとなっていて、ここでは敵カーはマイカーがガス欠になるまで動かないため、旗が取り放題となっていました。とはいえ、ここではマイカーの速度がアップするほか、それに伴って燃料の消費速度も上がるだけでなく障害物の岩も通常ステージより数多く配置されます。そのため少しでも油断すると岩にぶつかってしまい、せっかくのチャレンジングステージが中断されてしまうだけでなく、残りマイカーも減らしてしまう危険性がありました。ボーナスステージではなく、あくまでもチャレンジングステージなので油断大敵。

 FM-7版は、背景が青で迷路の壁が白色なのですが、全体的にはやや暗めの画面になっています。そのため、プレイする際には少し輝度を上げる方が遊びやすいかもしれません。それを除けば、迷路の形や敵カーの数などはアーケード版と同じなので、ゲームセンターでプレイするのと近い雰囲気で遊ぶことができるのではないでしょうか。

チャレンジングステージでは敵カーは動かないので、プレイヤーの思った通りに旗を回収できます。ただし燃料の消費が激しいので、あまりのんびりしているとガス欠の危険性も。最後にラッキー・チェックポイントをクリアしてしまうのも避けたいところです。

 残念ながら、コインを入れたときの音や1Pボタンを押したときのジングルなどは再現されていませんが、それでもパソコンとしてはなかなか滑らかなスクロールを実現しているので、今遊んでも思った以上に熱くなることができます。今では各種サービスを利用することでアーケード版を簡単にプレイすることができますが、パソコン版でしか得られない栄養素もありますので(笑)、ぜひ体験してみてください。

ラウンド数が進むと、敵カーの数も増加します。旗の回収はドンドン難しくなっていくので、プレイヤーの腕が試されます。

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