ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

豪華スタッフが集結したエニックスのアクションRPG『ガンダーラ 仏陀の聖戦』

ゲーム中では可愛らしい2等身姿で活躍する主人公ですが、その彼がリアルに描かれているパッケージです。裏には画面写真などのほか、槇村正さん、日高徹さん、すぎやまこういちさんの3人が並んだ写真も載っていました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、エニックスから1987年5月28日に発売されたフルカラースクロールアクションRPGの『ガンダーラ』となります。

『ガンダーラ』は、発売前と発売直後には見開きで広告が掲載されていました。地色が赤い方が発売直前広告で、ノドの部分には「5月28日堂々発売!!」と書かれています。

 1980年代前半にはプログラムコンテストを開催し、優秀な作品を商品化して販売してきたエニックスですが、時代の変化と共にコンピュータソフトも大規模化したことなどから、コンテストは終わりを迎えます。その後は、版権ものやオリジナルソフト、ゲーム機からの移植作品などを発売していくのですが、そんな流れの中で1987年5月28日に登場したのが『ガンダーラ』でした。

 原作とグラフィックを槇村正さん、構成とプログラムを日高徹さん、音楽をすぎやまこういちさん、パッケージイラストとマニュアル表紙デザインを真島真太郎さんが、それぞれ担当している本作。すぎやまこういちさんは『ウイングマン2 キータクラーの復活』などで、槇村正さんは『マリちゃん危機一髪』や『エルドラド伝奇』などを、真島真太郎さんは『ジーザス』『ジーザスII』のグラフィックや『地球戦士ライーザ』『ブレインブレーカー』のパッケージイラストなどを担当したことでもお馴染みかと思います。そんな本作のプロローグは、以下のような感じになっていました。

タイトル画面では、スタッフクレジットも表示されていました。今考えると、非常に豪華な面々なのが分かるかと思います。

 その昔、聖地ガンダーラは愛と平和に満ちていました。しかし仏陀(おしゃか様)が亡くなり、各地におさめられていた仏舎利壺の力もおとろえてきたころ、最大かつ、最悪の『邪神の王』が目ざめたのです。『邪神の王』は各地のストーパーから仏舎利壺を盗み出し、その世界にかけられていた仏陀の法力によって封じ込まれていた邪悪な者たちを解き放ち、つぎつぎと自分の手下にしていったのです。今や『邪神の王』の力は、仏様のおさめる8の世界のうちの6つの世界におよび、さらにその支配を広めようとしていたのです。

 その様子をはるか仏界から見た阿弥陀如来様は深く悲しみ、不動明王と虚空蔵菩薩を人間界に遣わしたのでした。『邪神の王』をたおし、聖地ガンダーラに愛と平和をとりもどす力のある、知恵と勇気をもつ者を探し出すために……。人間界で『邪神の王』の手によってひん死の重傷をおった虚空蔵菩薩が死のふちでかいまみた光かがやく者。それがあなたなのです。さあ、今こそ旅立ちの時です。愛と平和をかけた、聖なる戦いの旅へ……。

ゲームが始まると、フィールドには敵がワラワラと出現します。敵に隣接してスペースキーを押せば剣でアタックできますが、射程が短いので位置取りが重要になります。弾を撃ってくる相手には、5キーを押すことでタテを前方に出して避けることが可能でした。

 プレイヤーは主人公シッタール(名前は自由に入力可。デフォルトネームはシッタール)として戦い、聖地ガンダーラに平和を取り戻すのが目的となります。本作はアクションRPGということで、主人公が右手に持つ剣をスペースキーで振り(押しっぱなしで連続斬りが可能)、敵に当てることでダメージを与えられました。こうして敵を倒すことができれば、この世界で通貨の代わりとなるBEADSとEXPが手に入り、EXPが一定値を超えるとレベルアップして最大HPなどが上昇、主人公が強くなっていくという仕組みになっています。

 このほか、『ガンダーラ』には食料の概念が導入されていて、時間経過と共に少しずつFOODSが減少していきました。これが0になると今度はH・Pが減少していき、敵からのダメージなども合わせて0になるとゲームオーバーに……。減ってしまったH・Pは、各所にある菩提樹の前に移動してテンキーの5を押ししゃがむことで全回復させることができます。その際、BEADSをワールドナンバー(ゲーム開始直後はNo.1の人間界なので1)×100消費してしまうのですが、普通に戦っていればBEADSはそれなりに溜まるので、ホイホイと治せるのがありがたいところ。

 なお、登場する敵のステータスは画面に表示されないので、一度戦ってみて「数回の攻撃で倒せる」「十数回当てないと倒せない」などと判断するしかありません。また、同じに見える敵でも色が違えば強さも変わってくるので、経験から弱い敵を判別して戦うことがコツとなりました。

SHIFTキーを押して発射できる法力は、キーを押している長さに比例して射程が伸びます。敵が隣にいるときは連打で、離れていれば長押しと、状況に合わせて使い分けていきましょう。

 主人公が救うべき世界には、不動明王や仏様などに会える寺、他の世界へと続く冥府魔導がある塔、横穴と縦穴がある洞などが設置してあり、それらを上手に利用しながら攻略を進めていくことになります。特に、寺に関しては何度か出入りを繰り返すと新たなアイテムがもらえたりするので、レベルが上がるたびに訪ねておくのが良いかもしれません。

 攻撃方法の剣は射程距離が短いため、『ガンダーラ』にはそれを補うアクションとして法力が用意されていました。弥勒菩薩に出逢い指輪を手に入れた後、SHIFTキーを押すとM・Pを消費することで法力を8方向に発射。これを敵に数発当てることで、相手の動きを止めるだけでなく停止後は剣の一撃で倒せるという効果を発揮します。SHIFTキーは押しっぱなしにすることで、自キャラ4人分ほどの射程まで飛びますが、間近の敵には連打して当てまくるという活用方法もありました。なお、M・Pが0になると使えませんので、その際は敵を倒してM・P回復アイテムを手に入れるか、どこかにあるお店でBEADSを支払い回復させてもらうしかありません。

マップはかなり広いですが、基本的にはスタート地点から遠くなるほど敵が強くなります。その分、実入り(稼ぎ)も良くなるほか、“美味しい”敵もいますので、それを見極めるのが重要になります。とはいえ、岩のように硬くて手強い相手も……。H・Pが半減したら、菩提樹でお祈りして回復させるのを忘れずに。

 こうして経験値を稼ぎ、ある程度までレベルアップさせたら、次はいよいよダンジョンへと潜っていきます。その最深部には、この人間界を支配するボス・雷神の姿が。ただし、道中で見つける洞に潜んでいる協力者の助言を聞いて、ボスの弱点を把握していなければ勝つことはできません。無事に倒すことができれば、これまで隠れていた大勢の人間が現れます。彼らに話を聞いて情報を得たら、新たな世界へとGO!

寺や洞の中には、プレイヤーの心強い味方がいます。アドバイスをしてくれたりアイテムをプレゼントされたり、時にはBEADSと引き替えにM・Pを回復してくれる人も。

 主人公の動きが比較的遅めなので、アクションゲームがそれほど得意ではないという人でも楽しめるだけでなく、しっかりと登場人物たちに会って話を聞けば行き詰まることはほぼない親切設計のため、RPG初心者でも安心して楽しめる作品に仕上がっていました。逆に、アクションRPGに慣れた人にとっては速度面で少々まどろっこしさを感じるかもしれませんが、そんなときは8MHzでプレイ出来る環境を構築することで、その不満を解決できるかと思います。

一部の洞はダンジョンになっているのですが、中は通路が狭いため戦って進んでいくしかありません。最深部にはボスが待ち構えているので、あらかじめ聞いておいた弱点を狙って戦いましょう。

 マップが欲しいという人は攻略記事が当時の各種パソコン雑誌に載っていたほか、小学館のパソコン雑誌『ポプコム』では1987年7月号から槇村正さん自身の手による攻略マンガも掲載されていたので、興味のある人はぜひ入手して見てみてください。

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