ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

デービーソフトのコミカル麻雀ソフト『今夜も朝までPOWERFULまあじゃん』

パッケージには、本作に登場する人物達が描かれていました。このイラストからは少々シリアスな麻雀ゲームの印象を受けますが、実際に収録されている内容はかなりポップで、ゆるめの仕上がりとなっています。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは1988年3月末に発売された、デービーソフトの麻雀ゲーム『今夜も朝までPOWERFULまあじゃん』です。

発売前後の広告では、麻雀牌と収録モードをイメージしたお弁当を掲載して、『これ!「まあじゃん」幕の内』や「雀々豪遊(じゃんじゃんあそべる!)」といったキャッチコピーと共に紹介していました。後には、フローチャート式のユニークな広告もお目見えしています。

 麻雀は基本的に4人揃わないと遊べないため、プレイヤー以外をコンピュータが担当してくれる麻雀ゲームは、パソコンソフトとしては非常に相性の良いものでした。そのため、パソコンゲーム黎明期からさまざまな麻雀ソフトが発売されてきましたが、各ソフトハウスとも“どのような特徴を持たせるか”という部分で、色々と工夫を凝らしています。サクサクと遊べるように高速化を図ったり、コンピュータの思考ルーチンをあれこれ工夫したり、ユニークなモードの搭載や鳴いたり和がったときにはおしゃべりするなど……と、多数のバリエーションが考え出されました。

 そんな麻雀ソフトの1本として、デービーソフトが1986年発売の『始皇帝』に続く第2弾としてリリースしたのが、今回取り上げた『今夜も朝までPOWERFULまあじゃん』です。一部のWebサイトには発売が1988年1月と書かれていますが、実際に登場したのは1988年3月末でした。

 基本的な操作はシンプルで、テンキーの4と6でカーソルを左右に移動、F1キーからF5キーでリーチなどを行います。ただし、テンキーだけでもすべての操作が完結するよう、リーチはテンキーの0などにも割り当てられていました。更に、PC-9801版であればマウスも使えるので、かなりラフな姿勢でのプレイも可能でした。

 本作はコンピュータ相手に対局する、1対1の2人麻雀となっています。雰囲気的には、ゲームセンターで見かける麻雀ゲームに近いものといえるかもしれません。

雑誌『ログイン』1988年2月号には、本作の企画書と共に作者の小林貴樹さんの写真も掲載されています。バルサンの煙をたっぷり吸った肉を食べた翌日は体調を崩して早退したものの、さらに翌日は何事も無かったかのように仕事をしたという実話も合わせて紹介されていました(笑)。

 『今夜も朝までPOWERFULまあじゃん』には、全部で4種類の麻雀ゲームが収録されています。1つ目は、本作メインとなる「さすらい麻雀」モード。これは、スタート時の所持金3万円を元手に全国各地の雀士と次々と勝負していく、いわゆるストーリーモードです。沖縄から始まり、半荘勝負を勝ち抜くことができれば次の場所へと進み、最終的には日本一を目指すのが目的となっていました。ただし、負けた場合は所持金が残っているならば続けて勝負できるものの、0円以下になればゲームオーバーです。

オープニングデモでは、収録されているゲームモードやゲームで使用するキーの説明もしてくれました。なお、タイトル画面に表示されるロゴの右下に見える名字は、作者の小林さんを示していると思われます。ゲーム開始時には名前を登録するので、それらしいのを入力しましょう。

 ユニークなところとしては、プレイヤーの行く先々では通常の麻雀では導入されない、いわゆるローカルルールが地域ごとに和がり役として盛り込まれる部分です。有名どころの南北戦争や東北新幹線、百万石などのほか、三色通貫や紅孔雀といったものも。もちろん、それで和がるかどうかはプレイヤー次第!

 このモード最大の特徴は、リーチ時に出す点棒を選ぶことができる点ではないでしょうか。通常、リーチは1000点棒で行いますが、「さすらい麻雀」モードでは5000点棒、あるいは1万点棒でもリーチをかけることができるだけでなく、和がればそれぞれ5飜、10飜つくため、1万点棒でリーチの場合はツモドラドラだけで役満になってしまうという、どんなに負けが込んでいても逆転の目があるのが熱くなれるところです。そのため、ハコテン(持ち点が0点以下)になっても半荘が終了するまではゲームは終わらないので、最後まで勝負を捨ててはいけません。

さすらい麻雀では、開始前にストーリーデモが流れます。モノクロで渋いのですが、ゲームが始まってみればコミカルなノリに。

 2つ目は「エキサイト麻雀」で、メニュー画面で対局する相手の女の子を選んでからプレイスタートとなります。最初の持ち点は1000点で、マイナスまたは南4局が終了するとゲームオーバーでした。そのため、流局後に相手がテンパイしていてプレイヤーがノーテンの場合、ノーテン罰符1500点を取られてあっという間にオシマイに……。このモードではリーチやポン、ロンといったアクションを入力すると画面一杯に文字が流れてくるので、その演出を見ているだけでも楽しめました。無事に和がれば、女の子のグラフィックを見られるのも楽しみの一つです。

 3つ目は、「ノーマル麻雀」。いたって普通の2人麻雀で、対局相手がいないけれど麻雀が打ちたい、と言うときにピッタリ。ここまで挙げた3つのモードは、いずれも牌をツモったあとに“HOMECLR”キーを押すとメニューが表示され、そこからBGMを変更することができました。

麻雀は地方ならではの役が作られていたりしますが、本作でもさすらい麻雀では対局時にローカルルールが適用されます。狙うかどうかはプレイヤー次第ですが、和がれればしてやったりの気分に。リーチは、1万点棒を出して和がれば10翻つくので、リーチツモだけで3倍満に。これを上手に利用できれば、全国制覇も近い!?

 最後のモードは「ぽこまあじゃん」で、いわゆる絵合わせゲームとなっています。市販品で例えるならば、『ドンジャラ』のようなもの、といえば分かりやすいかもしれません。絵柄採用されているのは同ソフトハウスの『うっでい・ぽこ』に登場した“ぽこ”や源さん、おおかみ、妖精で、デービーソフトのゲームを遊んでいた人にとっては親しみやすかったのではないでしょうか。

 ルールも麻雀とほぼ一緒ですが、鳴くことができないほか、13回ツモっても和がれない場合は流局となり、自動的に新しいパイが配られ最初からとなりました。また、あと1パイで和がれる時に「あと1コ」宣言をすると、相手が捨てたパイでも和がることができます。

 「ぽこまあじゃん」でも、「あと1コ」宣言時や和がった時には「あがり」「あたり」の文字が画面端から流れてくる演出が盛り込まれているので、子供とプレイすれば一緒に楽しめるでしょう。

エキサイト麻雀では、対局相手に選べるのは7人の女の子。対局中に鳴いたり和がれば、画面に大きな文字で“ポン”や“ツモ”と表示されるため、それだけでも楽しくなります。このモードでは、ツモる時にリターンキーを押しっぱなしにしておくとゲージが伸びていくので、それが一杯になったときにタイミングよく離すと「自分の欲しい牌がくることもあります(マニュアルより)」というパワフルヅモが使えます。

 当時や今もプレイした限りでは、思考ルーチンでイカサマをしているようには思えませんでした。方向性としては、ただひたすら和がりに行くように牌を切っていて、プレイヤー側の当たり牌を警戒するようなそぶりも見られません。ただし、2人麻雀のために牌が偏りやすい傾向があるためか、コンピュータ側が序盤から染め手に走るのを頻繁に見かけました。その分、プレイヤー側が連荘し続けることもできるので、なかなか終わらないことも。そういう意味でも、確かに“朝まで”麻雀を楽しむことができるといえるかもしれません(笑)。

ぽこまあじゃんは、絵柄の描かれた9枚のパイを組み合わせて遊ぶモードです。同キャラ同色または同キャラ3色で1つの組み合わせになるので、これを3組作れば和がりです。同キャラ3色で9枚揃えたりすると特別な“やく”がついて、点数も一気にアップします。

 現在では、気軽に遊ぶには敷居がやや高めですが、一度プレイし始めるとついつい朝まで遊んでしまうような魅力を持っていますので、麻雀好きの人はぜひ機会を見つけて体験してみてください。

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