ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

長く遊ぶほどに味が出るスルメのような1本『ジャスティスナイト』

ハドソンソフト定番パッケージの、カセットテープケースにお馴染みのイラストが描かれた紙が入っているだけとなっています。中にはロード方法が書かれている以外は、何もありません。ここで使用しているPC-8001mkII版は、1983年7月頃に発売されたようです。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、1983年夏にさまざまな機種用に登場したハドソンソフトのアクションゲーム『ジャスティスナイト』です。

 1982年から83年にかけては各種パソコンが次々とデビューした年で、主なものだけでもPC-6001mkIIPC-8001mkIIPC-8801mkIIFM-7X1MZ-2000などがありました。それらの機種をターゲットとして数多くのタイトルを発売していたのがハドソンソフトですが、なかでも1983年は『ひつじや~い』や『バブルクンド1999』『MJ-05』『ベジタブルクラッシュ』といった、小粒ながらもピリリと辛い作品を多機種にリリースしていました。

初出広告が1983年6月に発売された各種パソコン雑誌の7月号なので、発売されたのは6月かと思われます。ここで取り上げているPC-8001mkII版は、広告から調べると翌7月に発売されたようです。

 今回取り上げるのは、そんなタイトルのうちの1本となる『ジャスティスナイト』です。発売されたのは広告を調べると1983年夏のようで、同作品はここで使用しているPC-8001mkII版だけでなくFM-7版、MZ-2000版、PC-6001mkII版、X1版、PC-8801版、PASOPIA7版、ベーシックマスターレベル3 MarkVでも登場していたようでした。マニュアルは付属していないため、これといったストーリーはありません。広告には「マイコンはもうメルヘンそしてファンタジー」と書かれているのですが、正直なところ意味は不明です(笑)。

 タイトル画面には操作方法として、テンキーの2468で主人公の騎士を動かすというのが表示されていますが、それ以外のルールは一切情報として提供されていません。この時代にありがちな「ルールはプレイして覚えろ」となっているのですが、プレイヤーは正義の騎士“ジャスティスナイト”を操作して、城にさらわれてしまったお姫様を助け出すのが目的です。

タイトル画面では、操作方法とゲーム中に登場する敵キャラが映し出されます。ゲームを始めると、お姫様がさらわれてしまうシーンからスタート。

 ゲームを始めてフィールドを見ると、画面左にお城のグラフィックが描かれていて、その下に錠前があるのがわかります。どうやら、迷宮内で鍵を見つけて持って行けば良いらしいのですが、肝心の鍵アイテムはすぐには現れません。まずは迷路に慣れながら敵から逃げつつ、しばらくうろうろしながらフィールドに出現する金塊や宝箱、ハートなどを回収します。

 しばらく耐えていると、フィールドのランダムな地点に剣が出現! これを取ることで、今まで逃げ回るしか無かった敵に体当たりで反撃することができるようになるので、これまでの恨みを込めて相手を全滅させましょう。すると、城から新たな敵が現れると同時に、フィールドにカギが現れます。

 この鍵は数秒表示されては消えるを繰り返すので、敵から逃げつつ現れた瞬間を狙ってゲットしましょう。これで、あとは錠前が見えるお城の下まで移動して、錠前方向にキーを入力すればお姫様とご対面と思ったら、舞台は次のフィールドへ……。正直なところ、これでクリアだと思っていただけに「なんだってー!」と、思わず声を上げてしまいました。

第1ステージです。最初の敵は騎士ですが、最初は戦う手段がありませんので逃げ回るしかありません。時々出現するアイテムを回収しつつ、敵をやり過ごしましょう。剣が現れたら、それを取って反撃開始!

 次の迷宮も同じようにプレイして鍵を取り画面左上に移動できれば、いよいよ城内へと突入となります。これまで城のグラフィックが描かれていた場所に囚われのお姫様が現れるので、やる気も出るというもの。これまでと同じように剣をゲットして敵を倒し鍵を取って、お姫様を助ければクリア! と思いきや、そうは問屋が卸しません。今度は、助け出したお姫様が主人公の後ろを少し遅れてついてくるので、彼女を上手に導きながら今までクリアしてきたフィールドをスタート地点まで戻るというゲームが始まるのでした。

 このお姫様がまたくせ者で、主人公を早く動かしすぎると同じ道を通らずに壁に引っかかり、しかも迷路内をうろついている騎士などの敵にお姫様が捕まれば再び牢獄に捕らえられて、あと1歩で脱出できる場所まで来ていたとしても城内からやり直しになってしまいます。とはいえ、ここでもランダムなタイミングで剣が出現するので、これを取ることができれば敵を恐れずに出口へと向かうことができました。もっとも、いつ出るのか分からない剣を頼りに逃げ回るしかないので、それまでは恐怖との戦いになります。

騎士を全滅させると、怪獣のような新たな敵が登場します。同時に、鍵も迷路内のどこかに出現するので、それを回収して錠前の場所へ移動して8キーを押せば次のステージへと進めます。

 本作の難しいところは、ピッタリの場所じゃなければ角を曲がれないという操作性でしょう。例えばエニックスから発売された『ドアドア』や、システムソフトから発売された『ロードランナー』であれば、“左→上→左”と移動したい場合、あらかじめテンキーの4と8を押しておけばスムーズに移動できるのですが、本作ではそれができません。これが、本作の難易度を上げている要因の一つといえるのではないでしょうか。

 さらに、助け出したお姫様の追いかけてくる速度が思った以上に遅く、しかも賢い移動をしてくれないのもツラいところでした。もっとも発売された時代を考えれば、そんな簡単に助け出されてしまっては購入金額分を楽しむことができないから難しくしておかねば、ということだと思います。

ついに、お姫様が捕らわれている牢獄が見えるステージまでたどり着きました。ここもこれまでと同じようにプレイすればお姫様を助け出せますが、その後は右下の出口まで連れて行く必要があります。これを3ステージ分進まなければならないのですが、なかなか難しく……途中でお姫様が敵に触れてしまうと、どんなに戻っていても再びこのステージに飛ばされてしまい、改めてお姫様救出からやり直しとなります。

 シンプルなアクションゲームではあるものの良くできていて、いわゆる“小粒でもピリリと辛い”感じに仕上がっていました。お姫様を助け出しただけでは終わらず“スタート地点まで連れて帰るまでがゲームです”というシステムになっているので、そう簡単に成功しないことから何度も遊べるのも当時としては良かった方ではないでしょうか。

 反撃手段の剣がランダムで登場するのも面白いところで、これがナムコ(当時)のアーケードゲーム『パックマン』のパワーエサのように常に定位置に置かれていたら、あっという間に飽きられてしまった気がします。そういう絶妙な難易度で成り立っているゲームとして完成している本作は、数があまり出ていないのかオークションやフリマサイト、中古ショップなどでもあまり見かけませんが、比較的手を出しやすい価格で見かけることもあるので、ぜひ手に入れて遊んでみてください。

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